現場で感じる高齢者フットケアの難しさ:10の課題の対処法
湘南あしケア訪問サービス 代表 中西です。
高齢者フットケアを15年続けています。
長井経験で感じたことを記事にしました。
高齢者フットケアは単なる技術だけでなく、相手への深い理解や心遣いが求められる仕事です。
実際に施術を行う中で、様々な課題や難しさに直面することがあります。
今回は、その中でも特に重要な10の課題についてお伝えします。
1. 予想以上に体力が必要
高齢者の足のケアは、実は施術者の体力が問われる仕事です。
多くの場合、環境が整わない場所での施術が多く前かがみの姿勢で、長時間にわたる施術もしばしば。
特に腰への負担が大きく、慢性的な腰痛に悩まされることもあります。体力維持やストレッチなどの自己管理がとても大切です。
2. 荷物が多く重く、移動も大変
訪問でのフットケアサービスでは、施術に必要な道具や備品をすべて持ち運ばなければなりません。
これらの荷物は思った以上に重く、移動距離が多い日はかなりの負担になります。特に公共交通機関を利用する場合や、施設が広く歩き回らないければならない訪問先では体力的な消耗が激しいです。
3. 高齢者の皮膚や爪はとてもデリケート
高齢者の方は、皮膚や爪が非常に脆くなっていることが多いため、丁寧かつ慎重に対応する必要があります。
お客様は持病がある方がほとんどなので、たとえ小さな傷であっても、大きなトラブルにつながることがああります。
常に細心の注意を払わなければなりません。
また、施術中に気づいた小さな変化でも見逃さず、報告書に記載して担当者に共有することが重要です。
4. 相手の健康状態と体制に常に気を配る
高齢者は体調の変化が起こりやすく、施術中に体調が急に悪くなることもあります。
そのため、施術中は相手の顔色や反応に気を配り、少しでも異常があればすぐに対応できるよう準備しておくことが大切です。
また、お客様の体勢にも気を配り、できるだけ負担がかからないような姿勢で施術を行う工夫も必要です。
5. メンタルケアも大切
足のケアだけでなく、高齢者のメンタルケアも大きな役割の一つです。高齢者の方々は、日常生活で孤独を感じることが多く、足のケアをしながらお話を聞くことが、心の支えになることもあります。
しかし、中には「死にたい」といった答えに困るような言葉を投げかけられることもあり、対応に悩む場面も多々あります。そんな時は否定はせずに、お気持ちを受け止めます。
6. 認知症の方への配慮
認知症を患っている方に対するケアは、通常よりも難しいことがあります。
特に長時間の施術が困難で、短時間で効率よく終わらせる必要があることも。
また、ケアの進行にあたっては、常にお客様の状態を観察し、無理なく対応することが求められます。
7. 時間管理が難しいこともある
お客様一人ひとりのケア内容が異なるため、予定していた時間内に終わらせるのは高い技術が必要です。
また、お客様によっては短時間で終わらせて欲しい方もいるので、施術の優先順位を決めながら安全に整えることが大切です。
8. フィードバックが少ないことがある
お客様が遠慮して、本当の気持ちや不満を伝えてくれないことがあります。
表情などからお気持ちを読み取れない場合もあり施術者としては、謙虚な姿勢で改善点を見つけることが求められます。
お客様が満足しているかどうかを確認することが、サービスの質を向上させる鍵です。
9. 金銭的な負担を感じている方も
高齢者の中には、フットケアの料金が負担と感じてしまい、遠慮がちになる方もいらっしゃいます。
ご家族は施術をしてもらいたいけれど、ご本人からお断りされる場合もあれば、逆にご本人はフットケアを利用したいと思ってもご家族の理解がないこともあります。
そのため、サービスの価値をしっかりと伝えつつ、お客様・ご家族が納得してフットケア受けていただけるよう、施設とのコミュニケーションを大切にすることが必要です。
10. お客様の突然のご逝去
長くお付き合いしてきたお客様が突然お亡くなりになることもあります。これまでケアをしてきたことへの思いが強い分、深い寂しさや無念の気持ちが残ることも。このような経験は非常に辛いですが、それでもお客様の人生に寄り添えたことを大切に思い、次のお客様へとその経験を活かしていくことが求められます。