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[ASIBA授業レポート]第5週「中間合宿」part2

一般社団法人ASIBAは、建築・都市領域の学生向けの短期実践型インキュベーションプログラムや1DAYワークショップなどを企画・運営しています。建築学生が当事者意識をもって自らの提案を実装できるような環境を整備し、建築・都市領域の可能性を拡張していきます。

本記事はASIBAホームページからもご覧いただけます。


本記事は中間合宿レポートpart2になります。ぜひ、最初にpart1をお読みください。

 第5週目のプログラムは、竹中工務店様ご協力のもと、小川町をフィールドに中間合宿が行われました。その中でも特に石蔵コワーキングロビー「NESTo」で活動をさせていただきました。心安らぐ木の香りと吹き抜けた小屋組の天井屋根は私たちの心を癒し、自分や仲間と向き合える最高の環境でした。石蔵コワーキングロビー「NESTo」は、会員制のコワーキングスペースとして今年5月10日にオープンされ、地域の人からリモートワークをする人まで多くの人に活用されるコミュニティスペースとなっています。
 東京から電車で1時間ちょっとかけて到着した小川町は、人の優しさと自然の優しさであふれる素敵な街でした。本当にご協力ありがとうございました。


1, 中間ピッチ

2日目午前でのワークショップ発表を経て、午後から中間ピッチが行われました。中間ピッチでは、3分間という限られた時間内で、自分のフィロソフィーやビジョンを皆に伝えることが求められます。具体的には、なぜ自分がこの取り組みを行うのか、その中にどんな愛が存在するのか、現在直面している問題は何か、将来的にどのような姿を目指しているのか、どのようにしてそれに取り組むのか、さらにはチームの構成やスケジュール、活動場所、使用する方法などについてピッチをしました。

 また、私たちはこの中間ピッチにおいて、自身のピッチ以外にもう一つ大切な側面を加えました。それは、他人を評価、批評するということです。
評価項目の参考は以下の通りです。

想いの強さ:発表を聞いて心が動かされたか。発表者の愛を感じたか。ビジョンに共感したか。
解像度の高さ:想いに裏付けがなされていたか。ヒアリングや事例調査、プロトタイプの作成を行い、案に説得力があったか。
当事者意識:なにがなんでもビジョンを達成しようという意志を感じたか。もっとできることはあるか。

 他人に対して意見を言うということは「プロジェクト計画」ないしは「ピッチ」に対する高い思考レベルを必要とします。人を批評するということは、同時に現状の自分の思考の深さを明らかにしてくれるのです。また、人のピッチを聞くということは、聞き手自身の内省にもつながります。さらには、仲間からもらった愛のある批評は自分のプロジェクトとピッチをブラッシュアップする上で、かけがえのない道しるべになり得るのです。

中間ピッチ評価シート

 2週間前に宿題を出されてから、各メンター班で集まり練習をする風景も多く見受けられ、みんなで切磋琢磨する素晴らしい関係を持ち、このピッチに対して最善の準備を全員がしてくれました。また、合宿1日目の夜には各宿ごとにピッチ大会や相談会が行われました。夜通しで思いをぶつけ合ったんです、私たち。

 実際にピッチが始まると会場は大盛況。各自の想いが多くの共感を生み出し、熱く包まれる、最高の雰囲気でピッチが行われました。自分の根底にあるフィロソフィーや原動力、また「なぜ自分がやるのか」というところがしっかりピッチで表現されていました。最終ピッチや今後の活躍に胸を躍らせる最高の中間ピッチでした。

2, これから

全員を前にして自分の想いをぶつける。12週間のインキュベーションプログラムの折り返し地点となる中間合宿で、みんなでみんなの起点を作れた気がします。今回のピッチを踏まえ、自分自身を見つめ直すのと同時に、これから実際に、プロトタイプを早くたくさん作ることが求められます。プロトタイプの提出、これが次週の宿題であり、プロトタイプや仮説検証は我々の永遠の課題であり、我々の強みになるものです。
 この合宿を通じて、私たちは各自のビジョンを具体化するための第一歩を踏み出しました。アイデアを形にし、いち早く社会で実装し、社会からフィードバックを受け、問い直し、さらに改良を加えていく、これをやり続ける。これが私たちASIBAなのです。これが自分たちのプロジェクトを洗練させ、実現可能なものにしていくのです。
 次のステップでは、プロトタイプを基に実際の仮説検証を行い、実践的な経験を積んでいきます。この段階で得られる社会をフィールドとした知見は、今後のプロジェクトの方向性に大きく影響してきます。
 ASIBA第2期インキュベーションも後半戦に突入しましたが、こっから一段とギアを上げて、我々が「妄想した社会」の実現に向けて走り続けることを誓います。

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