
【ASIBA開催報告】 ついにキックオフ!第1週「ASIBA作り」
「ASIBA」(Architecture Studio for Impact Based Action)は、東京大学・早稲田大学建築学科生有志(代表:東京大学大学院建築学専攻修士1年 二瓶雄太)が企画・運営している、建築系学生を対象にした2ヶ月間の都市建築領域に特化したインキュベーション・プログラムです。
涼しい秋の風が心地よい本日、静かな自然あふれる本郷キャンパスのとある一室で、ASIBAの熱い2か月間が幕を開けました。記念すべき第1週のテーマは「ASIBA作り」。ゲストは東京R不動産 ディレクターの林厚見さんです。
これから8週間ともに学び高めあう仲間と交流を深めるとともに、自らの思想をもとに事業化への方向性を探る3時間です。
まずはアイスブレイクとして、2人1組で共通点を見つけるゲームに挑戦し、会場は笑いと和やかな雰囲気に包まれました。
そして、いよいよ本題へ。代表の二瓶による、140ページにも及ぶスライドの説明が始まりました。
「妄想と理想から始めよう」(二瓶)
「課題は、理想(インパクト)と現実の差分。故にまずは理想を提示することが肝心です。例えば、ニクソンが『月に行こう』と宣言したように、遠く大きな理想を持つこと。これまで建築学科で温めてきた私たちの思想に自信と誇りを持ち、それを来たるべき未来として提起します。それから現実との差異を見つけることが、良い課題を発見する鍵です。

課題と解決策の共通領域こそが真の価値であることを強調し、「課題の探求のために足を動かすことが最も重要だ」と述べました。良い課題は大きく、かつ解決可能である必要があります。妄想と提案で終わっていたこれまでの自分から一歩踏み出し、顧客や市場といった外の世界に答えを求めていきます。
「建築学生はアートや社会について考えることが好きだが、ビジネスについてはあまり考えない」(東京R不動産 林さん)
次に、東京R不動産ディレクターの林さんより、ビジネスマインドについてのレクチャーが行われました。
林さんは学部時代に建築を学びましたが、ビジネスへの興味を抱くようになり、ファーストキャリアでは大手外資系コンサルティングファームに就職しました。その後、1年間の大学院留学を経て、32歳で東京R不動産を起業し、今年で20年目となります。

「建築学生はアートや社会について考えることが好きだが、ビジネスについてはあまり考えない」と林さんは言います。マーケットの原理で突き動かされる世界の中で、まずその原理原則の存在を認識することから始めるべきです。林さんがビジネス的な思考回路を獲得するのに2年はかかったとおっしゃるように、ビジネスを「理解する」ことは一朝一夕では身につきません。ですが、経済合理性の中で高層ビル群が立つ仕組みを学び、その現実を認めること、そして認めた上で何ができるのかを考えることが重要です。林さんの言葉に、会場の参加者たちは熱心に耳を傾けました。
参加者の14名によるファーストピッチ
後半では、14名の参加者が自分の思想やアイデアを発表し、林さんから今後の動きについてフィードバックをいただきました。参加者のトピックは、地域通貨とものづくり、都市における「自然さ」、二畳建築、古材の再利用、グリーンビルディング、人間と設備の共生、落語と建築、生成系AI、解体アーカイブと多岐にわたります。強い思想を持っている人、魅力的なアイデアを持っている人、既に多くのプロジェクトを動かして活躍している人など、各自のフェーズや強みは様々です。当初、林さんのフィードバックは2分の予定でしたが、クセの強い思想とアイデアの数々に丁寧に向き合っていただき、全ての発表に対して大幅に時間をオーバーしつつも有意義なアドバイスをいただきました。

大学や学年、興味分野という枠を超えて、同じように熱い想いを持った同志が集う場所が生まれたことで、具体・抽象を行き来した様々な意見交換が生まれていました。第2週では、林さんからいただいたフィードバックをもとに、思想を課題に落とし込む作業を行います。ASIBAの挑戦はこれからも続きます。
メディア/お問合せに関して
お問い合わせはこちらにご連絡ください。また、企業や大学、行政、メディア等からのご連絡も受け付けております、気軽にご連絡下さい。
asiba.studio@gmail.com