サウナビギナーが新幹線に乗って西の聖地・湯らっくすに泊まってきた話【女性編 前編】
2年前までサウナの良さを知らなかったわたし。のちにバイブルとなる本『医師が教えるサウナの教科書』との出会いのおかげで、今や地元でホームサウナを持つほどのサウナーになった。
それでもサウナ歴まだ2年。サウナビギナーのわたしが、ついに先日、憧れの西の聖地・湯らっくすに(しかも宿泊で)行ってきたので備忘録として記録を。これから行かれる方(特に女性)の役に少しでも立てばいいな。
きっかけはぽっかり空いた夏休み
社会保険労務士(以下、「社労士」)開業と兼業で働いている勤務先では、毎年7月〜9月の間に3日間の夏休みがある。お盆期間は通常勤務であることもありそれぞれが任意で(原則)連続3日間休む。お盆期間に休み人もいれば、家族旅行の予定を合わせて休む人もいる。わたしの場合、今年は特に予定がなくいつでもよかったのだが、8月に社労士講師の仕事を依頼されていたこともあり、8月7日(月)〜9日(水)を夏休み、8月10日(木)を公休日に指定して社労士講師の発注元にいずれかを選んでもらおうと提示していた。それが先方の予定が立たず、8月の実施はいったん流れることになった。仕事が入るものとして何も予定していなかった平日4日間がぽっかりと空いたのだ。
そうだサウナに行こう
せっかく平日にまとまった休みができたので、1泊くらいはどこかに遊びに行きたい。と、まずは鹿児島県内のお宿を検索した。が、高い。長時間の運転が要る(6月に遭った交通事故の影響で長時間運転すると腰が痛くなるのだ)。この2つがネックとなって軌道修正。ふと降りてきたのが「そうだ新幹線に乗ってサウナに行こう」。隣県・熊本に全国のサウナーから西の聖地と呼ばれている湯らっくすがある。新幹線なら体への負担も少ない。行き先は決まった。
さあ出発
鹿児島中央駅から熊本駅まで九州新幹線の所要時間、約50分。熊本駅から最寄りのJR平成駅まで在来線で3分、平成駅から湯らっくすまでは徒歩6〜7分。当日の朝決めた10:32発の新幹線に乗って、現地に着いたのは12時ごろだった。近い。
カウンターで説明された宿泊方法は寝る場所によって2タイプに分かれる。ドミトリー(事前予約可、外出可)とリクライナー・カウチ(事前予約不可、外出不可)だ。台風の影響もあり、宿泊したのは祝日前日の8月10日となったため、ドミトリーだと約6,400円、リクライナー・カウチだと通常料金の3,150円とのこと。迷わず後者に決定。靴棚の鍵を預け、ロッカーの鍵、バスタオル一枚と館内着が入った黒メッシュの小さなバッグを受け取る。ちなみに館内にあるフェースタオルは使い放題だが、バスタオルは入館時に渡される一枚とのこと。何回も入りたい人は配分に気をつけよう。ちなみにわたしは入浴時は全てフェースタオルで済ませ、バスタオルは寝るときの枕カバーとして使った。
まずはお昼ごはん
さっそく、宿泊者と3時間の休憩コース利用者のみが入れる2階へ向い、館内着に着替えてリラックスモードになりレストランへ。
選んだのはアジフライ定食。どの口コミでもお勧めされていたし、場合によっては売り切れも出るほどの人気メニュー。メニュー表には天然アジ使用とあり期待が高まる。頼んでから提供されるまで(たぶん)15分ほど時間がかかり、しっかりと調理されている感じを受けた。写真では見えにくいが、三枚おろしの骨部分も揚げてある。自家製タルタル、塩、ソースがついてきた。個人的には身→塩、骨部分→自家製タルタルがベストマッチング!翌日も食べたかったな〜。
お腹いっぱいになった。時間はたっぷりある。2階スペースの壁面にぎっしりと敷き詰められた約8,000冊のコミックの中から数冊読んで、ちょっと休憩。
さぁサウナへ
温泉への入り口は、2階を利用できる人たち専用と入浴のみの人たち専用に分かれていた。前者の脱衣所にあったのはロッカー、洗面所1つ(クレンジング、化粧水・乳液あり。ドライヤーなし)、体重計、椅子だけだった。トイレに行く場合はいったん浴場に入り、入浴のみの人たち専用の脱衣所に行く必要がある。ちなみに洗い場にあるのは、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、クレンジング兼ウオッシング(泡タイプ)。クレンジングはそんなに洗浄力には期待できなそう。気になる方は自前で持参するか、2Fのプライベートロッカー併設の洗面所にあった無印良品のクレンジングや洗顔料で洗顔してから温泉へどうぞ。
洗い場で髪と体を洗ってからサウナをながめる。種類は三種類。クラシックサウナ、メディテーションサウナ、大阿蘇大噴火瞑想サウナ(現地では「塩蒸し風呂」と表示されていた)。
クラシックサウナ
いわゆるサウナストーンがあるフィンランド式のサウナ。昼の12時から夜中の1時まで1時間ごとにアウフグースをやっている。HPによると「アウフグースマスター達がタオルの演舞と共に熱い風を送るイベント」らしい。ちょうど14時からのイベントが始まる5分前にクラシックサウナへ入室できた。残席1席になんとか滑り込み!(平日昼間だとあなどっていた。。。)女性のアウフグースマスター(いわゆる熱波師、というのだろうか)が小さなスピーカーと大きなタオルを持って入ってきた。スピーカーからは夏木マリさんの歌声が聴こえる(曲名はわからない。)。軽いご挨拶のあと「途中退室も可能です。無理なさらないでください。」と言われドキドキが増す。フィンランド式サウナに入るのは初めてのビギナー。。そこに熱波を送る人登場したのでそりゃドキドキもする。サウナストーンに水がかけられ立ち昇る蒸気。それまでほのかだったアロマ(当日はカモミール)の香りも強くなり、アウフグースマスターがタオルで蒸気と香りをサウナ室中に広げていく。HPの写真だと利用者に直接熱波が送られると思っていたが、室内の空気を循環させるイメージ。室内の温度と湿度が一気に上がるのを感じた。いつものホームサウナでは感じない熱波に、心拍数が上がるスピードがいつもの1.5倍くらい速かった。ちなみに心拍数を目安にするのは、バイブルからの学び。
アウフグースはまだ続きそうだったが脈拍もいい感じになってきた5分ほどで退室。「気持ちよかったです」の一言を忘れずに。
メディテーションサウナ
基本はクラシックサウナと同じ形式だが、テレビがない。代わりにヒーリング音楽が流れていて、アウフグースがない時間はわたしはこちらが好み。女湯ではクラシックサウナの奥にあった。室内温度は体感で75〜80度ほどだろうか。こちらもロウリュウがなくとも温度・湿度ともに高く、5〜6分でいい感じの脈拍になり退室。
いい感じ、とは普段の脈拍の2倍程度をいう。わたしは普段が70ちょっとなので、TRFの「寒い夜だから」くらいかな。
大阿蘇大噴火瞑想サウナ
現地では「塩蒸し風呂」と表記されており、入ると右手に塩桶が置いてある。別の場所に掲載してあった説明書きによると、塩をふだん手入れが行き届かない場所(かかと、など)に塗りこみツブツブがなくなるまでマッサージする。しばらくしたら掛け湯で流して退室を、とあった。ほかの2つのサウナに比べると過ごしやすい温度・湿度で長めの時間いることができた。途中、入室してきた方がサウナストーンに水をかけたのか、一定の時間でそうなる仕掛けなのかはわからないが、大きな音とともにとてつもない量の蒸気が湧き出た瞬間があった。あ〜びっくりした。個人的には、ここが一番お気に入り。
水風呂
湯らっくすを西の聖地と言わしめる理由の一つがこの水風呂にある、と言っても過言ではないのではないだろうか。熊本県の水は全国でも屈指の綺麗さ。わたしが大好きなプレミアムモルツを作っているサントリーさんの工場があることでも有名だ。コロナ禍を乗り越えて再開された工場見学、また行きたいな。
とにかく冷たい(体感で17〜18度だろうか。あくまでビギナーの体感。)。そして深い。女湯では一番深いところで153cm、男湯では171cm(だったかな)あるという。余裕で肩まで浸かることができる。その上、頭まで潜ることができる、らしい。これは通常の公衆浴場であれば「やっちゃダメ」と大きく張り紙がされるタイプの行動だ。事前にネットで知った情報で、絶対やりたい、と意気込んでいたのに現地ではあまりの冷たさに断念した。
外気浴
露天風呂があるエリアでできるthe外気浴スペースは女湯だと3つ。ただ、露店風呂と室内の仕切り壁がなく(カーテンレールのようなものがあったので冬はカーテンでもするのかな。それは寒そう。)、室内にはいたるところに整いイス風のものが置いてあるので、外気浴の場所に困ることはなさそうだ。
湯らっくす流オロポ
ふだんは3セット(1時間半ほど)で終えるサウナ活だが、今日は帰らなくていい。時間を気にせず4セットと温泉も存分に入って、2時間ちょっとで出た。髪を乾かしてからいそいそとレストランへ戻る。お楽しみのオロポタイム。地元のホームサウナの食堂ではメニューとしてないため、自分で買ってきて作ったことはある。つまりサウナ直後の本格オロポは初めてだ。しかも湯らっくすでは、オロナミンC2本でつくる肥後ストロングオロポなるものがあった。大学生の飲み会で出てきそうな大きなジョッキに、ドバドバッと贅沢にオロナミンCを2本投入するとポカリスエット(245ml)の全部は入らないため、適当なところで止めた。一口飲んで「うまっ!」。つい口にでた。黄金比作っちゃったよ。これぞビギナーズラック。
後編へつづく
まだまだ夜はこれから。後編へつづく。