見出し画像

3月12日 アクモンを見た

音楽というのは聴いていた当時の自分を象徴するかのように、明確な記憶として残ることが往々にしてある。

僕の大学時代を象徴するのは恐らくアークティックモンキーズだろう。
もちろん、僕は他の洋楽アーティストもよく聴くし、特にアクモンばかりを聴いていたわけではない。
しかし、「心酔していた」といえるアーティストはやはりアークティックモンキーズであり、そのフロントマンであるアレックスターナーに僕は憧れを抱いた。

心酔したきっかけはアクモンが2022年に発売した「The Car」というアルバムである。
このアルバムが出るまでは僕にとってのアクモンは一介の好きな洋楽アーティストに過ぎなかった。(とはいっても元からかなり聴いていたけれど)

僕は大学4年生になって有名どころの洋楽バンドだったら少なくともアルバム1枚は聴いたんじゃないかと思えるくらい沢山のアーティストを聴き尽くした感覚があった。
だから、音楽の趣向もバンドではなくシティポップやディスコミュージックのような渋い音楽に傾倒していた。
ボズスギャッグスやスティーヴンビショップは何度も聴いた。

そんな中で発売されたアクモンの「The Car」は僕の脳天を撃ち抜き、衝撃と感動をもたらした。僕が聴きたかった音楽がここにあったのだ。

僕は「アルバム」という単位で音楽をランク付けするならば今まで聴いた何百枚ものアルバムの中でも「The Car」を1位に推すだろう。

アレックスターナーの熟成されたワインのような歌声(まあワインの味のことなんて僕はほとんど知らないけれどあくまで比喩表現として)、グルーヴィなベース、メロディアスなアコースティックギターと心地いいワウの効いたギターリフ、全てが混ざり合ってアルバムの音楽的深みを与えていた。

僕はアレックスターナーになりたいと心から思ってしまったので、サークルのライブで死ぬほど練習してアークティックモンキーズのギターボーカルに挑戦した。

そして今日、本人達を刮目する機会を得て本当に本当に心が躍っていた。

ライブが始まるや否やアレックスの素晴らしい歌声とキーボードの低音にグッと引き込まれた。
セットリストはベストアルバムのような曲目でどの曲も聴けて嬉しかった。

僕はこれまで色んな洋楽アーティストや邦楽アーティストのライブを見てきたけれど、今日のアクモンのライブをこれからはベストライブとして語っていくだろう。
それほどまでに演奏力と深みのある音楽性が詰まったライブだった。

もう洋楽アーティストで心から見たいと思うバンドはレディオヘッドくらいじゃないかなと思う。社会人になる前にアクモンを見ることができて本当に良かった。

そして、今は震えながらこの文章を打っている。感動の震えだけではない。
終電の新幹線に乗りながら、乗り換えをミスっために新幹線の乗車がうまくいかず、その精算がうまくいかなかった場合に終電を逃す可能性に対する震えである。

幸いなとことにこの状況をインスタグラムに説明したら、友人が終電逃したら車に乗せてくれると連絡してくれたので恐怖の震えは治った。
連絡してくれた友人には感謝しかない。

WBCも日本が勝利したし、家に無事帰ることができれば言う事なしの1日である。

音楽を演奏する事に対する情熱も息を吹き返したので、明日からギター練習を始めようと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?