余珀日記12
余珀を始めて半年が経った。毎日が早い。毎日全力で毎日くたくた。この記録のタイトルは「余珀日記」だが、「余珀月報」とした方が良いような更新頻度になっている。書きたいことはたくさんあるのに追いつかない。
好きな人と好きな場所で好きなことをやっている。好きなことしかしていないけれど、楽ではない。でも、とても楽しい。お客さまのおかげだ。
「感動しました」。若い男性のお客さまが真っ直ぐに伝えてくださった。お茶にこんな世界が広がっているなんて、と。ピュアな反応が眩しい。
「さっきの一煎目のあの味は、この後はもうどうやっても出ないんですか」。そう聞いてくださった若いお客さまもいた。玉露の味が衝撃的だったようだ。同じ味は出ないと伝えると、もう少し味わえば良かったと残念そうにしていた。
急須でお茶を楽しんでくださる最年少のお客さまは小学生だ。いつもカウンターでお茶を淹れる夫の手元をじぃっと見つめている。二煎目以降、小さな手で急須を持ち、お茶を淹れ、それを本当に美味しそうに味わう。可愛らしく、こちらも嬉しくなってしまう。
「お茶に魅了され始めた」と静かに語ってくださったお客さまもいた。「かぶせ茶が好きかもしれない」とご自身の好みを見つけられたお客さまもいた。余珀がお茶と出会い直す場になっていることが素直に嬉しい。
一日を一生懸命過ごしてそれを記録するとそれだけで物語になる。カフェという場所は特に面白い物語が生まれやすいと思う。書き残すことさえできれば。
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