不老不死は人類を幸福にするか?
皆さんも薄々気づいていたことであろうと思われるが、私は前に絶望的な内容のnoteを書いた。
単にフェミニズムに勝つことができないというだけではない。このまま日本が、いや世界全体が滅びの道を進んでいくことを止められないということを意味する。この状況に際して、匿名用アカウント氏は次のように述べている。
詳細はnoteで述べられているが、かなり絶望的な話である。フェミニズムの毒牙からは逃れられないし、少子化問題は技術的解決でしか解決し得ないのだという。
だがこの技術的解決、どこまで有効なのだろうか。これは私の個人的な見解に過ぎないが、考察を述べていく。
不老不死の問題点
こちらのサイトで紹介されているものをいくつか挙げる。
不老不死の問題点①:『人口増加』
仮に不老不死が実現すれば、少子化には有効であろう。誰も死なないし誰も老いない。こうなれば少子化など起こりようがない。ただこうなると資源の消費が増え続けるため、環境問題が深刻化することが予測される。
「持続可能な社会」を目指す上で想定されるのは「次世代」の人々であるのだが、不老不死が実現すればその「次世代」の概念が変わる。つまり、「次世代」はそのまま今の世代を意味するようになるのだ。従って、環境問題により当事者意識を持って取り組む必要がある。
また、このような環境問題の深刻化を防ぐには、子供を持たないことが最善となる。子供を持てずにそのまま死ぬであろう人は、「自分が死んだら終わり」という意識をどこかで持っている。不老不死によって誰も死なない世界になれば、子供を持てなくても終わりではなく、そもそも子供を持たないことの方が望ましくなる。これによって、フェミニズムによって抑圧されたいわゆる恋愛弱者が救われることにもなるかもしれない。
不老不死の問題点②:『生命の進化についていけない。』
不老不死が実現すれば子供を持たないことが最善になるので新しく誕生する生命は大きく減るだろう。それでも新しい生命は誕生する可能性がある。その場合、その新しい生命は進化していくだろう。その進化に果たしてついていけるのか……。
逆説的だが、進化とは死によって行われる。生きるのに不利な遺伝子が淘汰されるから結果的に生きるのに有利な遺伝子だけが残るのだ。これが進化である。不老不死とはすなわち死なないということなので当然進化もしない。つまり新たな環境に適応できなくなることもあり得るだろう。
不老不死の問題点③:『時間が過ぎるスピードが驚異的な早さになる。』
歳を取る程時間が経つのは早く感じる。つまり不老不死が実現すればますます早く時間が経つように感じるだろう。そのとんでもない早さの時間で暮らして我々が幸福になれるのかは疑問である。
↓関連
不老不死の問題点④:『現実のものとするまでの私たちの諸事情。』
代理出産における格差に表れているように、新しい技術を承認するには多大な人権侵害を伴うことがある。そもそもこの代理出産を行ったスプツニ子! 氏は自らの利益だけのために弱者女性を「性的モノ化」している「人間のクズ」なのだが、そのような明確な悪意がなくてもこのような人権侵害は起こり得る。人工子宮だってそうだ。人工子宮それ自体には人権侵害をする意図はなくとも、結果的に人権侵害になり得る。
もちろん、医療を始め技術というものは少なからぬ人権侵害の上に成り立ってきたものであるし、私もその構造を否定はしないが、そもそも不老不死が不要なものであればそのために犠牲にされる人々も無駄死にということになる。だから不老不死に限らず技術による解決には、その必要性を慎重に吟味していかなければならないのだ。
匿名用アカウント氏の考察
匿名用アカウント氏は、不老不死について次のように考察している。
彼は、不老不死は格差がますます広がるだけであると指摘している。この問題と人口増加による環境問題を解決する案として人工知能とフルダイブバーチャルリアリティーを使って終わりのない快楽を与えることを提案した。それは極端だが、
こういうことである。
ジェンダー論の行き着く先
また、匿名用アカウント氏は、次のような動画を紹介している。
↓実験の概要記事
この実験は「ユニバース25」と呼ばれている。
実験の概要は次の通りだ。
このような「楽園」でネズミはどうなるか。興味深いことに、ネズミは「理想的な環境」にいるにも関わらず格差社会を作り、引きこもりで異性に興味のないオスを生み出し、やがて滅びた。彼らが絶滅した原因は食糧不足でも水不足でも疫病でも天敵でもない。自分たちが作り上げた社会によって緩やかに滅びていったのだ。
勘が鋭い方はもうお分かりだと思うが、この「ユニバース25」は人間社会のモデルと考えられる。現に人間社会は一部地域を除けば食糧にも医療にも困らない。先進国では「楽園」のいわゆる「停滞期」であり、途上国は「社会形成期」といえるだろう(途上国では食糧は飽和していないし疫病も流行っているので完全に一致しているわけではないが)。
そしてこれは既に匿名用アカウント氏が述べたことを裏付けるものでもある。なぜ技術的解決以外に方法がないのか。その根拠もここにある。
諸悪の根源はフェミニズムだなんだと言っている場合ではない。もうこの先の未来には「破滅」しかないのだ。
生きる「意味」とは
いくら不老不死になったところで下の画像のように機械に生命や快楽を支配されるのでは敵わない。が、それ以外に有効な案がないこともまた事実だ。
匿名用アカウント氏は次のように述べた。
「幸福(技術的幸福)」にどれほどの価値があるのかは分からない。そもそも人間に限らず生物は幸福になるために生きているのではなく、(身も蓋もないが)子孫を残すために生きており、そしてたまたま生き残った結果生きている。「意味」に比べれば価値は劣るものかもしれない。それでもここから後戻りはできない。あとは、どうやって生きていけば良いか、それだけである。
我々は天国への扉を開くために生きていく。もしかしたら扉は開かないかもしれない。扉がないかもしれない。扉が開いてもその先が天国とは限らない。でも我々は進まなければならないのだ。たとえその先が地獄だとしても。