少子化対策 考察
今回は、ジェンダーを語る上では切っても切り離せない少子化問題について少し切り込んでいこうと思う。
少子化はなぜ起こる?
こちらのnoteで分かりやすくまとめられているので、大まかなものを引用する。
少子化が起こった原因は様々あるが、大まかに述べると医療等の技術が発達したことと道徳や倫理観が変わったことにある。技術の発達に関してはここでは触れないことにする。
かつての日本は性的役割、すなわち男が外で働き女が家で働くという役割分担が固定されており、その役割を果たしていくことこそが美徳だった。しかし現代では性別によって役割が固定化されないことの方がよしとされており、個人主義的になっている。
なぜこのようになると少子化が起こるのか。それは、女性が社会進出したことで出産という女性の性的役割を果たさない人が増えているからだ。
なぜ道徳や倫理観がここまで変貌してしまったのか。その原因はフェミニズムである。
フェミニズムがなぜここまで広まったのか。陰謀めいたことを考察している人もいるが、それを抜きに考えると、やはり女性が甘やかされすぎたからなのではないかと考えられる。皮肉なことに、かつて性的役割を固定化していた家父長制こそが女性を甘やかし、フェミニズムを助長させてしまったのだろう。
「女性はもっと男の人に寛大になって」という言動が炎上したが、リベラルな今日の日本における多くの人の意見としては次のようなものだろう。
この記事では、少子化の原因が女性の上昇婚ではないと主張している。
しかし、その意見を裏付ける資料は男女差がほとんどない。男の結婚願望の方が低いと読み取っているのはバイアスがかかっているからである。この手の人々は、実際には数ポイントしか変わらないものをあたかも大きな差であるかのように表現する。
この記事内で引用されていたものだが。
見ての通り、結婚願望の男女差は数ポイントしか変わらない。これをあたかも大きな差であるかのように述べるのは悪質な印象操作である。
男性に結婚願望がないことを示す資料よりもむしろ女性の上昇婚を示す資料の方が多いだろう。
少子化の原因の一つに女性の上昇婚は確かにあるのにも関わらず、自分の獣性を認めたくない人々は事実から目を背けるのだ。
宗教は少子化に効く
ところで、言うまでもないことであろうが、保守的な国の方が基本的に多産である。なぜなら、出産することが義務であり役割となっているからだ。これと逆のことをしたフェミニズムが進んだ社会では少子化が進んだのも頷ける話である。
小山氏が「21世紀は宗教の時代である」と結論づけているのは、単純に宗教を信仰する国や地域で人口が増加しているからである。
この中でも特に人口増加が著しいのはイスラム教であるが、その理由として小山氏が述べていることを次に紹介する。
つまり、保守的な思想で男女の性的役割が固定化されている国や地域ほど人口は増加するのだ。
また、比較的リベラルな宗教とされるキリスト教でも人口が増加しているが、これはキリスト教の原理主義に近い思想が立場を強めているからだと思われる。キリスト教原理主義的な立場にプロライフというものがあるが、これも代表的な少子化対抗策の一つであろう。もちろんフェミニズムとは真逆だが。
プロライフでは、受胎(受精)したときを命の誕生と考えている。そのため、墮胎(中絶)はいかなる理由であっても殺人であり、罪であるという立場を取っている。
サイト内の図を引用するが、キリスト教原理主義は、聖書の記述に最も忠実な保守的な思想を持つ。この思想を持つ人々が、同性婚反対や中絶反対等を唱えているのである。
この思想に反対するのが女性の中絶の権利を求めるプロチョイス派であり、女性の同意のみで中絶ができるようにすべきだと考える人もいる。
キリスト教原理主義は古臭い思想だと思うだろうか。しかし実際に政治分野(特に欧米諸国において)ではこのキリスト教原理主義が大きな影響を与えている。
こちらのnoteで少し触れられているが、アメリカの政治はキリスト教に大きく影響を受けている。キリスト教プロテスタントの中でも聖書への忠実さの度合いが原理主義と革新派(主流派)の間くらいの思想を福音派と呼ぶのだが、この福音派の影響が特に大きいようである。
キリスト教福音派がアメリカの共和党を支持するのは、「性的保守性(中絶反対や同性婚反対等)」が理由である。決して経済政策に賛成しているからではない。むしろそれは二の次のようだ。
前に触れたことがあるが、アメリカの最高裁が中絶の権利を認めないとしたのも、恐らくはこの福音派が関係していたのではないかと推測されるだろう。
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少子化対策の案 ー子育て支援ー
ここからは少子化対策で何があるか、そしてその効果(過去に行われていればその実績、まだ行われていなければその予測)を見ていこうと思う。まずは子育て支援から。
これは現代の日本に限らず先進国では行われていることが、あまり少子化に効果がないことは火を見るより明らかだろう。ないよりはあった方が良いだろうが、それだけでは根本的な解決にはならない。
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唯一の利点といえば、フェミニズムに汚染された今日の日本で行うことができるということだけであろうか。
表立って言えばフェミニストから叩かれるであろうが、リベラルで「男女平等」的な政策は少子化の根本解決にはなり得ないのだ。
↓以下、関連記事と私の関連ツイート
少子化対策の案 ー保守回帰ー
現代でこそ世界一の少子高齢社会である日本だが、かつては少子化とは無縁であった。
こちらをご覧になると分かる通り、戦前の日本では人口ピラミッドが綺麗な富士山型だった。このことから、実現できれば効果は絶大であることが窺える。先に述べた保守的な宗教の事例やキリスト教原理主義の事例も、恐らくはこのような効果を大なり小なり期待したのではないかと私は推測している。
具体的な法案としてはいろいろあるが、いきなり保守に戻すというのはいくら何でも現実的ではない。そのためまずは配偶者控除のような比較的やりやすいものから始めてみるのが良いだろう。
では、実現可能性に関してはどうだろうか。
実現それ自体はそんなに難しくはないと思われるが、今日における「男女平等」を推進しているリベラルな日本の政策とは逆行するものであろう。
少子化対策の案 ー女性のみ大麻解禁ー
私は二作に渡って#女性のみ大麻解禁に対して反論している。それでもしつこくこれを取り上げるのは、ハッシュタグ作成者本人から「女性のみ大麻解禁に代わる対案を出せ」と何度も言われているからである。対案については後述する。
そもそも女性のみ大麻解禁とは何か。
概要が書かれていないようなので、今一度説明する。
女性のみ大麻解禁とは、その名の通り女性にのみ日本で合法的に大麻を使えるようになることであり、医療用の大麻解禁とは異なる。
女性がフェミニズムを信仰した結果として女性自身の幸福度が下がったりするだけならまだしも、社会全体に悪影響が出ている。その最たるものが少子化である。この少子化を解決するために大麻で女性の判断力を奪って性的役割を復活させようということで、この提案に至ったのだという。
彼は女性のみ合法的に大麻を使えるようになっても強制はされないと言っている。つまり選択的ということだが、ここに落とし穴があることを忘れてはならない。
選択的夫婦別姓がその良い例だが、「選択肢を増やす」というのは一見メリットしかないように思えるが、それまでの常識を一気に覆すものであるから、安易に了承してはならない。また、鈴木氏は「非人道的だなどというお気持ち」をほとんど無視していたが、フェミニズム優位の現代社会で女性のみ大麻解禁が了承されることは絶対にないと断言しても良い。ただ、医療目的や加工品に使うといった制限付きで解禁されることはあり得るだろう。
また、大麻解禁自体は可能であろうが、大麻に少子化を解決できるほどの、つまり女性の判断力を奪うほどの効果はない。
大麻の危険性については既に述べたが、それでもまだ少子化に使えると思うのなら、まずは自分で実際に使ってみて効果のほどを確かめて頂きたいものだ。
また、大麻合法の国はいくつかある。しかし、これらの国で人口が急激に増加したという例はない。このことからも、女性のみ大麻解禁が少子化に何の効果ももたらさないであろうことが窺えるだろう。
少子化対策の案 ー人工子宮ー
時々この界隈でも話題になるが、少子化対策として人工子宮を考える人もいるだろう。実現すれば女性の力を借りずとも子孫を残すことができるだろう。
人工子宮の実現に当たり障壁となるのは技術面ではなくフェミニストからの猛反発だ。それはフェミニスト自身が男女平等など求めておらず、性的インセンティブを独占していたいのだということを意味する。詳しくは私のnoteを読んで頂きたい。
では仮に実現した場合、どのような効果が予測されるだろうか。それについて考察している方がいるので引用する。
仮に実現したとしても、格差が広がったり人権が侵害されたりする可能性がある。これらの問題が起こらないようにと人工子宮の使用を制限したり自然分娩を全面禁止にしたりするのも本末転倒であることが分かるだろう。
少子化対策の案 ー新興宗教ー
これは私が考えた案だが、フェミニズムに代わる宗教を作るというものだ。具体的に述べると、「結婚するのが当たり前」「子供を育てて初めて一人前」といったような「保守的」な思想を植え付ける。キリスト教原理主義のようなものをいきなり植え付けるのは難しいだろうが、少しリベラル寄りの思想から少しずつ原理主義に持っていけば不可能ではないだろう。
もちろん思想を植え付けるという段階で障壁はあるだろうが、実現すれば保守回帰並みの効果を望める。
私がなぜこんな発想を出したのか。それは、フェミニズムによって生まれた価値観である「女性も男性並みに仕事をする」というのが多くの女性にとっては実情に合っていないということを感じたからである。
こちらのツイートは炎上したが、多くの女性の心情を捉えていると個人的には思う。実際私の母はパートで働いている専業主婦だが、扶養ギリギリのラインまで稼いだり、主婦という自由時間の多さを生かして資格を取ったりしようというつもりはないようである。まして扶養を抜けて男性並みに働くなど以ての外であろう。私の大学での同級生も働くことを嫌がり、ヒモになりたいと言っていた。多くの女性の本音はこれであろう(さすがにヒモになりたいは少数派だと思いたいが)。
従って、女性の本能に訴えかけるようにフェミニズムに真っ向から反対するものを出せば良いのではないかということだ。
人の言葉を借りるが、
と、フェミニズムの評判を貶す。その上で「保守的」な思想を植え付けることができれば少子化対策として絶大な効果が得られるだろう。実現可能性は相当低いであろうが。
絶望的な未来
ここまで述べてきたが、実は少子化を解決する実現可能性も高くて効果も大きい方法はない。先程述べた少子化対策は実現可能性が高くても効果が薄かったり、逆に効果が高くても実現可能性が低かったりと現実的でない。
なぜこんなことになっているのか。それは偏にフェミニズムが蔓延したことで、少子化対策に有効そうな方法が全て「非人道的」になったからである。
フェミニズムが蔓延したことにより、少子化対策でさえも建設的な意見が出てこられなくなってしまっているのだ。
先程引用した「女性も男性並みに仕事を、っていう方が社会構築だし洗脳だし抑圧」というツイートは別に女性を貶める意図はなかったはずだし、まして「女性は家庭に入れ」とも言っていない。それにも関わらず多くの人が文章を深読みして炎上する。
現代社会はこれほどまでに「非リベラル」に敏感になっている。
こうなってくると、最初の方に少し触れた陰謀めいた話も、些か現実味を帯びてくる。
現在、世界規模では人口爆発が起こっている。しかしこのままではいずれ資源は底を尽きるだろう。そこで人口抑制のためにフェミニズムが台頭したということだ。
いかがだろうか。もしこの考察が正しければ、我々はフェミニズムの毒牙から逃れられない。そうなれば我々も自分たちにできることをして生き残っていくしかない。これが匿名用アカウント氏の結論である。
私も個人でできることをすべきという主張をしたが、それはフェミニズムに打ち勝つためではない。フェミニズムの毒牙から逃れられなくとも生き残るためである。
一人でも多くの人が、フェミニズムが蔓延する現代社会で生き残れますように。