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太宰治「薄明」 10月19日(土)通算1650日目 グリーン(DORSCON)611日目
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10月19日(土)通算1650日目 グリーン(DORSCON)611日目
先日、日本の近代文学を読んでいる人に偶然会った。そのときに持っていたのは太宰治の作品で、これが「斜陽」や「人間失格」ならばそれなりの返答ができたのだが、手にしていたのは「薄明」。恥ずかしながら、その日まで知らない作品だった。相手にも「読んでみる」とは返答したものの、それなりに文学好きを自負している以上、その場だけでの言葉にはしたくない。すぐに青空文庫を開いて、読んでみた。
私が知らなかっただけだとは思うが、一応あらすじを紹介しておくと、太宰治が三鷹の家から妻の実家がある甲府へと疎開する話だ。話の中心は娘の重症にみえる結膜炎で、それに対する太宰の気持ちや他の出来事も描かれている。
内容に対する感想は、まだ消化できていないので言葉にできないが、戦火から逃れる人々の様子の描写を今、読むことには意味があるように感じた。特に幼い子が結膜炎で目が開かない状態になるのは、こちらまで気分が塞がる。「戦争はすべきではない」といった言葉は巷に溢れているが、それが一体なぜなのかという理由の1つを端的にこの小説は表していると言えるだろう。
ただ、太宰治という人が、戦争の悲惨さを描きたくて「薄明」を書いたとも思えない。記事にするかはともかく、私個人としての感想はこれからゆっくり消化していこうと思う。
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図書カード:薄明 (aozora.gr.jp)
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