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蓼(たで)食う虫も好き好き
蓼食う虫も好き好き。そんなことわざにも使われるタデ。その仲間は地味なものから美しい花をつけるものまで様々。
①ハルトラノオ
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名前は春に虎の尾のような花穂をつけることから。キジカクシ科のサンスベリアも虎の尾と呼ばれるが全く別物である。ユキノシタ科のティアレアにも似たその花は、近づいてみるとよりかわいらしい。
②イヌタデ
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「蓼食う虫も好き好き」で有名な蓼(タデ)は葉が辛いことから諺になったが、イヌタデは辛くなく役に立たないことから名付けられた。寒くなって色鮮やかな花が少なくなってきた草むらでピンクの実や花が可愛らしい。赤まんまとも呼ぼれる。
③ハナタデ
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小さい梅に似た花とピンク色がかわいらしい。イヌタデによく似ているが、イヌタデよりも花の密度が低く、より湿気があるところを好むらしい。遠くからはそのピンク色が、近くではかわいらしい花の形が目を引く野草である。
④シャクチリソバ
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名前は漢名の「赤地利蕎麦」に由来するらしいがなぜ赤地利かは分からないそう。そばの花にも似ておりシュッコンソバとも。花はソバそのものだが実は食用に適さないそう。ハート形の特徴的な葉は若葉が食用になるそう。
⑤ミズヒキ
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名前は、紅白の花が水引に似ていることから。あまり花をじっくり見ることは無いが、とても長い花穂に点々と花をつける面白い構造をしている。同じタデ科のイヌタデなどにほんの少し似ている。
⑥ギシギシ
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一説には穂を振るとギシギシ音がしたことから名付けられたそう。近縁種のスイバと同様薬用・食用にできる。しばしばスイバと混同されるが葉の形などで区別できる。
⑦イタドリ
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名前は葉に止血・鎮痛作用があることに由来するらしい。感じでは「虎杖」と書き、茎の模様と中空で軽いため茎が杖として用いられたことから。若い芽は食用にできることで有名で、酸っぱいことからスイバなどとも呼ばれるがギシギシ属のスイバとは同じタデ科だが異なる植物である。他にもスカンポ・イタンポなど地方によって様々な呼び名がある。中空の茎の中には水が溜まることから、子どもの頃は喉が渇いたときに水分補給源として良く採っていた。種には羽がついており、乾燥して軽くなった種が風を受けて遠くまで運ばれるのだろう。
⑧スイバ
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スイバが真っ赤になっていた。寒さに耐えるためだろう。「酸い葉」の通り食べると酸っぱいが食用にできる。雌雄異株であり、種子植物で雌雄を決定する遺伝領域(性染色体)が示された例としても有名。
⑨ヒメツルソバ
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葉や花がソバに似ていることから名付けられたそう。もともと園芸用に栽培されていたが、雑草化しており道端でよく見かける。イヌタデにも似ており、薄いピンク色がかわいらしく群生しているとよりきれいだ。
⑩ソバ
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おそらくもっとも有名なタデ科の植物。食べて美味しいのはもちろん、ソバの産地では美しい景色の一つとして楽しまれる。花の香りは動物のフンの臭いに例えられる事もあるが、個人的にはそこまでひどい臭いではなく、やや強めの香りが辺りに漂っていた。
⑪ミゾソバ
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とてもかわいらしいピンク色の花が日陰の湿地帯に咲いていた。その名の通り溝などの水辺に生えるソバの仲間で花もそっくりだ。昔は食料が足りない時の貴重な食料になっていたそう。葉の形から「牛の額」とも呼ばれる。石田散薬という薬の原料としても有名。
⑫ボントクタデ
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ヤナギタデによく似ているがこちらのほうが赤みがありイヌタデやミズヒキに似ている。イヌタデと同様に辛みがないらしい(ヤナギタデは辛みがある)。名前はイヌタデと同様に絡みがないことから役に立たないという意味で「ボントク」をつけたらしい。その花は小さいが非常にかわいらしい。
⑬シロバナサクラタデ
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真っ白なタデ科の植物が咲いていた。名前の通り花は桜のような凛とした美しさがある。真っ白な花は草むらでも映えるが何分花が小さいため人の目に留まることが少ないのが残念。タデ科の植物の花はどれもかわいらしくて個人的に好きだ。雌雄異株で雄しべの方が雌しべよりも長い短花柱花と雌しべのほうが長い長花柱花をつける株がある(写真は前者か)。