芦谷マサト

現代美術のアーティストを目指しながら、中々食えないのでグラフィックデザイナーになり、日本のデザイナーの立場の弱さに愕然とし、デザイン業界のビジネスモデルを変革して、世の中をデザインで面白くする事を日夜目論む、好中年。

芦谷マサト

現代美術のアーティストを目指しながら、中々食えないのでグラフィックデザイナーになり、日本のデザイナーの立場の弱さに愕然とし、デザイン業界のビジネスモデルを変革して、世の中をデザインで面白くする事を日夜目論む、好中年。

最近の記事

「見た目」が「決め手」

こんにちは、日々、寒さが強まる今日この頃ですね。 先日、世界的広告代理店、オグルヴィUK副会長の ローリー・サザーランド著 「欲望の錬金術」という本の中で パッケージについての記述を読みました。 記述の内容は以下となります。 ポーランド系アメリカ人学者、 アルフレッド・コージブスキーという人が ある日、講義を聞いていた最前列の学生達に ありふれた紙に包まれたビスケットを勧めました。 彼は学生達に 「うまいビスケットだろう?」というと、 学生達は喜んでビスケット食べてい

    • デザイナーの責任について

      こんにちは、今日は僕が読んだ本についてのお話です。 「ロッテ キシリトールガム」や「明治 おいしい牛乳」の パッケージを手掛けたデザイナー佐藤卓さんの新潮社から出版されている 「塑する思考」という本を読みました。 “塑する”の意味は “弾性”と“塑性”という柔らかさを表現する言葉があり “弾性”とはグっと押したときに「プニュ」っと戻る性質であり、 “塑性”とはグっと押したときにもとに戻らずに 「ペコっと」凹んでしまう性質だそうです。 “彫塑”という言葉がありますが、粘土

      • お客様の“記憶”に残る

        こんにちは、DRIVEの芦谷です。 今日は“記憶に残る必要性”というお話をします。 みなさんもよくご存じのIKEA。 IKEAの店舗に行くと 各所に部屋をイメージしたショールームが展示されています。 そこでは日本離れして、 ヨーロッパに行ったような気分になります。 そのため椅子を買いに来たのに、 ついついポスターやラグを同時に買ってしまったりします。 IKEAは家具で他社と競合しないで ヨーロッパの“ライフスタイル”を売ることでブランディングしています。 ですので、「気

        • パッケージは効果的な        『ブランディングツール』

          こんにちは、先日オグルヴィUK副会長 ローリー・サザーランド著の 「欲望の錬金術」という本を読みました。 その中で「コストリー・シグナリング理論」という言葉がありました。 これは、生物学用語で、 「あるものが伝える意味や意義は、 それを伝えるものの費用に正比例するという意味」だそうです。 例えば、クジャクの雄の羽根は美しく大きい方が 雌のクジャクの気を引くことができるそうです。 コストを掛けた方がより成果につながるということです。 パリでは路面に立ち並ぶカフェが有名

          感情をデザインする

          こんにちは、 今日はヴィジュアルデザインについての考察です。 専門学校で教員をしている僕が言うのも何ですが、、 日本のデザイン教育の多くは 「技術者養成教育」の傾向が強いと思います。 極端な言い方をすると教えているのが 絵の具の使い方。 MACの使い方。 プレゼンボードの作り方。 みたいな感じです。 ウチの会社でも毎年、新人デザイナーを迎え入れますが 彼らの多くは自分がカッコイイと思っている レイアウトすることをデザインすることだと考えています。 これは学校教育の

          感情をデザインする

          ブランディングプランナーの       歴史的な、はじまり

          今日は「ブランディングプランナ−」の歴史的な始まりについて。 先日、お話ししましたウィリアム・モリスは 生活のすべてにおいてトータルなデザインが必要だと考えていました。 これは現代で言うところのアートディレクターの先駆けと 考えられます。 そして、企業におけるトータルブランディングを 世界で初めて行ったのは こちらもイギリスのフランク・ピックという人だと思います。 フランク・ピックの代表的な仕事は ロンドンに行かれた方なら今でも目にすることが出来る、 「ロンドン地下鉄

          ブランディングプランナーの       歴史的な、はじまり

          産業革命とデザインの始まり

          今日は「産業革命とデザイン」について お話しします。 僕はとある専門学校で講師の仕事を20年以上やっているのですが その学校で「デザイン史」の講義をすることになりました。 そのため、すごく久しぶりに デザイン史関係の本を引っ張り出してきて 勉強し直しをすることになりました。 僕は個人的に昨年お亡くなりになられた 柏木博先生のデザイン史観が好きで 久しぶりに先生の本を読み返して 「産業革命の時代」と21世紀の現代とが すごく似ているなということに気づきました。 ご存じの

          産業革命とデザインの始まり

          パッケージデザインのポジショニング考

          今日はパッケージデザインの 「ポジショニング」と言うことについて考えてみます。 “ポジショニング”はブランド構築に欠かせない考え方です。 “ポジショニング”という言葉で僕が思いだすのは 古い本になりますが ジャック・トラウト著の「ニューポジショニングの法則」です。 よくハイブランドなんかが 顧客層の高齢化を防ぐために 手頃な“コスメ”なんかを販売して 若年層にブランド周知を図る、 ブランドのポジションをコントロールする マーケティング手法は有名です。 株式会社ドライブ

          パッケージデザインのポジショニング考

          パッケージデザインの未来について考える

          僕がパッケージ製造販売の仕事をすることになったきっかけは デザイナーの考え方とメーカーの考え方に 大きな隔たりを感じたからです。 デザイナーは製造に関する知識が乏しく 1品もののモックアップをベースにデザインを考えるので 量産されるときに問題がおこることが多々あります。 逆にメーカーは量産することをベースに考えるので 歩留まりをよくするために 保守的でありきたりなデザインしか提案されず ロットも大きくなりがちです。 僕はデザイナーとメーカーの間には 真逆と言ってもいいほ

          パッケージデザインの未来について考える

          デザイナーという仕事の仕組みに思うこと

          今日は僕が考えるデザイナーという仕事のありかたについて書きます。 一言にデザイナーと言ってもファッションからWEBまで 様々なデザイナーという職業がありますが 主に僕らがやってるグラフィックデザイナーという 仕事についての考察します。 デザイナーという仕事の多くは“労働集約型”です。 車や電化製品といったプロダクトデザイナーのように 一度デザインすると量産される再現性のいいデザインの仕事もありますが 働いたら働いた分だけしかお金にならない キャッシュポイントが1回だけの

          デザイナーという仕事の仕組みに思うこと

          Responsibility

          レスポンシビリティ。 先日お話しした友人でカナダにあるオタワ大学を首席で卒業した数学者のGOさんから聞いた話の続きです。 Responsibilityとは責任という意味ですが。              GOさんは会話は“話し手の責任”という考え方をしています。 これって、すごく立派で重要な考え方ですよね! 人は無意識のうちに会話は“聞き手の責任”と感じていないでしょうか?  俺の話が分からないなんてこいつ理解力無いな〜的な、、、、 でも、いつも相手に話をする時に

          人に伝えるのってむずかしい

          こんにちは、今日、友人でカナダにあるオタワ大学を首席で卒業した数学者のGOさんとミーティングしまた。 ミーティングの内容はnoteでどんなことの情報発信したらいいかと言う事です。 GOさんという人は数学者ですが、同時に人の話を聞く達人です。 一般的に人は自分の話を他人に聞かす事が大好きですが人の話を真剣に聞くのがとても苦手です。 家での奥さんとの会話を想像すると分かるかと思います(笑) そんなGOさんに僕の話を小一時間聞いてもらって            とても大き

          人に伝えるのってむずかしい

          はじめてのnote

          はじめまして、株式会社DRIVEの社長をしている 芦谷と申します。 元々はグラフィックデザイナーです。 でも近頃はパッケージのデザイン、製造販売をする ベリービーというECサイトの仕事が メインとなっています。 今回、弊社のアートディレクターAさんのすすめで noteをはじめることにしました。 以前は毎日のようにメルマガを発行してましたが いつしか、文章を書くことに縁遠くなっていました。 それでまた、改めて書いてみようかと思いました。 思い返せばメルマガ

          はじめてのnote