「#気候も危機」のハッシュタグとともにデジタル気候マーチを盛り上げよう
2019年9月20日(金)、日本を含む世界150カ国以上で、温暖化防止を求めて数百万もの人々が声を上げました。きっかけとなったのは2018年の夏、当時15歳だったグレタ・トゥーンベリさんが気候危機を訴えるために、毎週金曜日に学校を休んでスウェーデンの国会議事堂前で始めたストライキ「Fridays For Future」です。毎週金曜日に行うこの学校ストライキは、またたく間に世界中の若者たちの間に広がりました。そして2019年9月、世界のリーダーが集まるサミットを前に、若者だけでなく大人も巻き込んでの「グローバル気候マーチ」として世界中で展開されました。
その後、COP25直前の11月29日(金)には、通算4回目となるグローバル気候マーチが開催。そしてアースデイウィークとなる4月24日(金)は、今年初となる気候マーチの実施が予定されています。しかし新型コロナウイルスの影響により、世界・日本各地で何百万人もの人々が参加する街頭でのアクションは中止に。そこでアクションの舞台をオンライン上に移し、「デジタル気候マーチ」として、SNS上で世界一斉に気候変動への対策を求めていくことになりました。
具体的には、世界では「#ClimateStrikeOnline」、日本では24日の17時に「#気候も危機」のハッシュタグをつけて気候危機に対する想いや、日本の温室効果ガス削減目標に対する意見などをSNS上で一斉に発信しようというものです。
日本政府は3月30日、パリ協定下で求められた温室効果ガス削減目標(NDC)の再提出を行いました。その内容は、パリ協定の採択前に提出した「2030年までに26%削減」を据え置いた目標であり、1.5〜2℃目標に整合しない不十分なものでした。今回のアクションでは、日本のNDCの引き上げについても声を上げていきます。
現在は新型コロナウイルスで社会が過酷な状況にありますが、一つの感染症でこれほどの影響を受けることを踏まえると、気候危機で起きる異常気象や災害、熱中症・感染症の連鎖は、より恐ろしい事態を引き起こすことが予想されます。日本では毎年のように豪雨災害に見舞われていますが、新型コロナウイルス蔓延の今、避難が必要な災害が起きたら……。経済的・社会的に弱い立場に置かれた人たちが真っ先に被害者となる点などにおいて、気候変動とコロナは根本の部分でつながっているといえます。
気候マーチへの参加は、私たち大人にとっても、自らの考えや行動を見つめなおして発信する機会であると同時に、若者たちが今、気候変動についてどんなことを考えているのかをうかがい知れることでしょう。
(初出:認定NPO法人太陽光発電所ネットワーク 2020年4月22日)