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事業が伸び悩んだときに課題を解決に導く5つのステップ
おそらく全ての中小企業経営者は、「事業を飛躍させていきたい」または「事業をずっと継続していきたい」と考えていると思います。
それにもかかわらず、多くの中小企業が事業を浮上させられず、その夢の半ばで夢をあきらめてしまう。
その要因の1つが、課題や問題が山積みでどこから手を付けてのかわからなくなってしまうということだと思います。
・いろいろな課題の中のどの課題を解決できれば事業を飛躍させられるのかわからない
・どの課題から解決していくべきか優先順位がわからない
・課題は明確だが解決策がわからない
中小企業においては、まだ事業も組織も未成熟であるため、課題が社内に山積してしまうことがむしろ一般的です。
しかも、財務等が脆弱な中小企業においては、この課題が解決できない影響が事業の存続に直接的なダメージを与えてしまうため、事業を飛躍させられないのです。
今回は、このような状態から抜け出すときに、どのような手順で課題を解消し事業を飛躍させていくのか、5つのステップで説明していきます。
経営者の方々にぜひ覚えておいていただきたいのは、御社に課題が山積みなのは、課題が多すぎるからではなく、解決する課題の優先順位を間違っているからです。
ステップ1:課題をステージ分けする
多くの中小企業は、まだ事業も組織も未成熟であるが故、企業内に課題が山積してしまい、経営者としてはどうしていいかわからない状況に陥ることが少なくありません。
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ここでまず最初にやるべきなのは、いま事業がどのステージにいるのかを確認することです。
なぜなら事業のステージごとに優先的に解決すべき課題は類型化できるはずだからです。
例えば、創業期においてはやはりビジネスモデルの構築が最優先課題です。
「計画通りに売上が伸びてこない」
「自分の方向性が正しいのか不安でたまらない」
こういった課題は創業期に多く、またこれらの課題を解決しない限り事業は次のステップに上がっていけない。
この時期に、例えば社内の業務ををいくら効率化したからと言って事業が飛躍していくことはありません。
一方で、企業が成長期にさしかかると、事業が「成長」ではなく「膨張」していってしまう失敗を多くしてしまいます。
これを抑制するために業務管理の仕組みを第一優先に入れる必要があり、ビジネスモデルよりもいったん業務管理を優先していくことで、事業が崩壊してしまうのを防ぐといった方策をとります。
このように事業のステージにより優先すべき課題は変化してきますので、ここをきちんと理解するのが第一歩です。
ステップ2:課題を経営資源に区分けする
経営はヒト・モノ・カネの経営資源の管理だとよく言います。
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課題を整理していきたい時も同じように、課題をヒトの課題、モノの課題、カネの課題いずれの課題に起因するかを整理していきましょう。
ヒトの課題:人材不足や教育に関する課題
モノの課題:商品またはサービスに関する課題
カネの課題:事業資金に関する課題
ここで、それぞれの事業ステージごとに優先すべき経営資源を紹介します。
創業期: カネ◎ モノ◎ ヒト△
成長期: カネ◎ モノ○ ヒト○
成熟期: カネ◎ モノ△ ヒト◎
まず1点言えるのは、全ての事業ステージにおいて常に優先順位が一番高いのはカネです。
おカネが無ければ、ビジネスモデルを変革しようにも人材戦略を行うにしても、動くことができません。
そのため、カネは常に一番上位に上がります。
違う言い方をすれば、カネはあらゆるステージで常に他の課題とセットで考える必要があるということですね。
その上で、その他のモノとヒトについては、創業期から成熟期にかけて、モノを重視するステージからヒトを重視するステージに移行していくのは、なんとなくお分かりの方も多いと思います。
創業期にはビジネスモデルを中心に、成熟期になるとヒトの問題を組織戦略という視点で見直していくということですね。
ステップ3:目標を数値化する
現状の課題が整理出来たら、次は目標を定め直します。
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あなたが課題と感じているのは、あるべき姿が頭にあって、その姿と乖離している現状を「課題」と認識しているからですね。
ここで、あるべき姿を目標と言い換えてみるとどうでしょうか?
自然とあなたが目標としているものが見えてくるはずです。
あとはその目標を具体的な数値に置き換えていくことが重要です。
なぜ数値にする必要があるかというと「検証ができるようにするため」です。
検証できない目標は設定しても達成したか、近づいているのか不明確になります。
目標というものは、それを達成するための道しるべとなるべきものであり、ここが曖昧になっては道に迷います。
「成長というより膨張という気がする」のは、あなたがあなたの会社を「成長」という定義から乖離していると感じているからです。
ここで「成長」をあなたが定義づけるとして、利益率20%とか、クレーム率2%とか、離職率5%とか、成長という定義を数値化することで目標を作ることにつながっていきます。
ステップ4:課題に優先順位をつける
この第4ステップがとても重要です。
ステージごと、経営資源ごとに区分けされた課題を確認した上で、次に行うのは、課題に「重要度」と「緊急度」のランク付けをするということです。
残念ながら、課題が山積みな状態で「重要度」と「緊急度」など絶対にランク付けすることは不可能です。
ですが、課題をステージごとに区分け(ステップ1)して、その課題をさらに経営資源ごとに区分け(ステップ2)できているあなたには、実はこのランク付けはそこまで難しくありません。
概ね2つの項目を下記のルールに従って見てみるとどうでしょうか?
重要度:目標数値を達成するために、そのステージにおいて、その経営資源の課題を解決しないといけないものか
緊急度:重要度の高い上位3つの課題を解決するために優先的にやらなくてはならないものか
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まずは重要度を確認します。
上記の3ステップを参考にしながら、目標数値を達成するために、そのステージにおいて、その経営資源の課題を解決しないといけないものかという視点で重要度をランク付けします。
ここでは、比較的重要度が高いもの、比較的低いものに区分けする程度で構いません。
その上で、次に緊急度を確認します。
ここでテクニックなのですが、重要度の高い上位3つだけの課題を解決するために優先的にやる必要があるか否かで緊急度を判定します。
重要度第4位の課題を解決するために優先的にやらなくてはならない課題は、ここでは切り捨てます。
中小企業においては、それこそ経営資源が乏しい中で全ての課題を網羅的に解決していくなど不可能です。
そのため、上位3つと割り切って行うくらいのメリハリが必要なのです。
ここまでくると、重要度も緊急度も高い解決していくべき3つの課題に整理されてきます。
ステップ5:実行プランをスケジューリングする
そして最後に、絞り込まれた重要度も緊急度も高い課題について、スケジューリングしていくのです。
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ここでの順位付けでも、ステップ2で学んだ経営資源ごとの課題の優先順位付けが活きてきます。
カネの課題は常に他の課題と並行して検討しながら、他の課題解決に必要な資金が確保されているか確認しましょう。
その上で、3つの最重要課題をスケジューリングしていきます。
ここでも、きちんと○○年○○月までに○○をやるという具体的に検証できる行動レベルまでお越しこむことが重要です。
ここまで来て、「本当に3つの課題だけを解決していくの?」と心配になられているあなた。
ご安心ください。
最重要なものからスケジューリングするために、あえて3つに絞って考えてきましたが、この3つがスケジューリングできたら、あとは他の重要度が高いけれど緊急度が高くなかった課題も必要に応じて、このスケジュールに組み込んでいってください。
色々なものを見てしまうと、人間は優先順位を誤るため、そうさせないためのテクニックなのです。
いかがでしょうか?
このような5つのステップで事業を見つめ直してみると、課題解決のヒントが見えてくると思います。
成功している事業は、このロジックで事業を飛躍させているということをお教えしました。
経営お役立ちコンテンツ「となりのブレイン」
いかがでしたでしょうか?
今回は中小企業の事業が伸び悩んだ時に行うべき課題解決5ステップについてのお話をしました。
少しでもお役に立てた部分があれば幸いです。
今後も色々な角度から事業を飛躍させる仕組みについてお話していきますので、よろしけばフォローをお願いします!
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