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経営を成功させる方程式はあるのか
私たち税理士は中小企業の経営面や財務面でのご支援という仕事をさせていただいておりますが、毎日色々な中小企業を見させていただく中で、本当に事業を継続していく、または事業を成長させていくのは大変だと感じます。
特に中小零細企業、(大胆に売上で区分けすると売上規模5億円以下の企業)を想定すると、その企業の課題は企業により実に様々でパターン化できない。
企業の数だけ課題があり、そのため中小企業にとっての成功するための方程式というものは存在しえない。
逆に、それなりの規模の中小企業(ここでも大胆に売上で区分けすると売上規模5億円を越えてくるような企業)となると、ある程度ビジネスモデルも定まっており、このような企業の課題はと言うと、だいたい「事業を組織化できていない」というところが多く、このような形である程度課題がパターン化されていると、外部のコンサルティングを利用して効果が出る企業もそれなりにあるのだと思います。
では、売上規模5億円以下程度の中小零細企業は、事業を成長させる方程式が無いとすると、あとは運だけかというとそうでもない。
中小零細企業においても、飛躍する事業を作るための必要条件は、実はある。
飛躍する事業には、その飛躍のための「体制」と「環境」が必ず備わっている。
今回はこんな話をしようと思います。
中小企業の悩みは様々
中小企業の悩みは実に様々ですが、それでも事業のステージごとに区分けしていくとある程度類型化できる部分もあります。
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創業期、成長期、成熟期、または衰退期ごとにある程度の課題は類型化できるかもしれない。
ですが、ではその類型化された課題があるとしても、多くの中小企業はその課題にすら気づいていない、またはその課題に気づいていても、どのように課題を解決していいかわからないという企業がほとんどです。
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方程式はないが必要条件はある
「方程式」とは、まだわかっていない数(未知数)を表す文字を含む等式です。
中小企業の課題をすべて解決し、成功に導く方程式があるとしたら、きっと何億通りの複雑な方程式となり、私なら覚えきれない。
ですが、確かに成功の方程式は無いのですが、事業を飛躍させる企業が必ず備えている要素はあるのです。
それは、事業を飛躍させるための「体制」と「環境」です。
成功の方程式は無いけれど、必要条件はあるということです。
イコール、事業を飛躍させたいのであればこの必要条件は備えなくてはならないということ。
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中小企業が飛躍できないモデルケース
中小企業が飛躍できないその理由の多くが、上述の通り課題が様々すぎてパターン化できないため、正解を見つけるのが困難だということになります。
ここは変わりようのない真実なのですが、長年、中小企業の経営と財務のご支援をしてきた中で、どのような事業においてもパターンがあるのを発見しました。
中小企業が事業を飛躍させられないパターンの1つ目は、そもそも事業の方向性が定まっていないか、または誤った方向に定まってしまっているためどんなに努力しても飛躍していけないパターンです。
ビジネスには儲ける仕組みというものが存在し、その仕組みを理解しないでビジネスを組み立てても、どんなに努力してもどんなに忙しくなっても儲かっていけない、つまり事業として飛躍していけない沼にハマります。
2つ目のパターンは、事業の方向性はある程度定まっていて、儲かる事業としては成り立っているけれども、それを飛躍させる体制が社内に備わっていないパターンです。
例えば、わかりやすいのが商品サービス提供オペレーションが未整備で非効率または標準化されていないため、商品またはサービスを安定的に提供できない状態になっていたりするケースです。
あとは3つ目のパターンで、この両方とも備わっていない最悪のパターン。
これらいずれかだけではダメで、両方の課題を解決できないと事業は飛躍せず、いつまでたっても楽にビジネスできない。
そして楽でないから続いていけない。
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事業を飛躍させる「体制」と「環境」を作るには
では、この事業を飛躍させるための「体制」と「環境」をどのように作っていくかと言えば、私はこの3つの仕組みを構築することだと思います。
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①ビジネスモデル
②業務管理
③組織管理
これらの3つの仕組みを社内に醸成することで、事業はそう、自然に浮遊してくる。
また、さらに言えばこれらの仕組みは必ずしも同時並行的に作っていくものではなく順番があります。
導入期(創業期)は、まず社長が全力で走り抜ける時期です。
つべこべ言わずにワンマンでもいいのでその情熱を持ってがむしゃらに働くことが実は大事だったりする。
それで失敗して気づけるものも多い。
↓この辺は下記の記事にも書いていますのでご興味がある方はご覧ください。
ただし、走り方にも正しい走り方があるということは重要です。
正しい方向に正しいフォームで走らないと、向かい風を受けて全然前に進みません。
そう、このフォームがビジネスモデルです。
この正しいフォームを手に入れると、事業は次のステージとなる成長期に突入していきます。
売上が2ケタ成長を2期連続つづいたらそれは成長期に入った兆候。
ただこの時期に気を付けなくてはいけないのは、「膨張」なのか「成長」なのかの見極めです。
「膨張」のまま事業が膨らんでいくと、品質低下やクレームや事故が多発するようになり、一歩進んで二歩下がるタイミングがおきてきたり、最悪一発退場の失敗を起こしてしまう可能性が高いです。
そのため「膨張」ではなく、着実に「成長」していける体制に早急に移行していく必要があります。
ここで必要になるのが「業務管理」です。
サービスの提供を含めた事業を適切な力でコントロールできる仕組みが社内に必要になります。
ここがうまくいかないと、成長の急カーブを曲がり切れずに壁に激突してドボンです。
さあ、そしてその急カーブを曲がったその先にあるのは成長期の中でも後半期で一番利益率が高い時期です。
そして、その後にやってくるのは成熟期。
この頃になると急激に拡大していた事業が安定してきた部分もあれば、利益率も下がり経営者としては焦る時期です。
ビジネスモデルとしてはかなり形ができているため、再び成長させようと思って規模を拡大する戦略をとっても、組織が凝り固まってしまい動かないことに気づく。
成長期は高い利益率の中、猛スピードで動いているので、このような組織のゆがみに気づかないものです。
そうなると、この固まってしまった組織を再び動き出させるために組織管理が必要になってきます。
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となりのブレインnoteにてノウハウを公開していきます
いかがでしたでしょうか?
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最後にこのnoteで公開していこうと思うメソッド一覧を添付します。
3つの仕組みをそれぞれ専門家が深堀していきます。
きっとお役に立てると思います。
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