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タイの友人の声で「タイの今」を感じ取りたい

最近はコロナ以前よりも、タイの友人に連絡することが増えた。

タイ関連のニュースを見たら、リアルタイムの状況を伝えてくれる。でも事実だけの受け取りはやっぱり少し、それを遥か遠くの出来事に感じさせてしまう。

だからそういう時は、友人にダイレクトに「最近どう?バンコクは大丈夫?」と聞いてしまうのだ。このまえ聞いたばかりなのに、と自分でもわかりながら。

友人はこう答える。
「タイはもう少しだよ。バンコクはまだロックダウンしてるけど、前と比べたらだいぶよくなった。今170人くらい入院してるけど、感染者の数もかなり減少してる」

僕はよかった、と思う。ニュースで言っていたことは本当だった。友人から直接聞かないと、なぜか落ち着かなかったのだ。

僕は、
「お酒が飲めない期間が続いたけど、大丈夫だった?」
と聞く。友人は、
「それは大丈夫。でもお酒が買えるようになってから、飲酒運転の交通事故が増えてね。死亡者も出てる。なんとも言えないね」
と嘆く。

経済活動について聞くと、
「デパートは5月17日からオープンするらしいよ。レストランはやってるところもあるけど、店に入れる人数が限られてる」と話す。僕はそれを聞いて、大変な状況下でも、がんばって働いているタイ人が目に浮かぶ。

僕は、
「家族や友達は大丈夫?」
と尋ねる。友人は、
「大丈夫だよ。僕は3カ月も母に会ってない」
と言う。
「家族に会えないのはさみしいでしょ?」
と聞くと、
「でも毎日ラインで電話やメッセージをしてるから大丈夫だよ」
と気丈に笑顔のスタンプを送ってくる。

僕はそれを聞いて、タイ人の家族に対する愛の深さを思い出す。タイ人は離れて暮らす家族に、本当によく電話をする。毎晩と言っても過言ではない。

もしかしたら、タイのコロナ収束のスピードはこの愛の深さに比例しているのかも、とすら思える。

僕はこういうふうにタイ人が、家族を思い、我慢や努力をしていることで、今、良い方向に向かっているのだと信じたい。

そして、タイの友人の声で「タイの今」を感じ取れたことで、前よりももっと、僕もがんばろうと思えた気がした。

2020年5月9日

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