【21】小人の引越し
「?なぜ?小人たち、なんで?もう行けるの?」
と聞くと
「あれじゃない?あの家。ナッツとママこないだ行ったじゃん。」
引越し先の県には、私の1番上の姉が住んでいる。
姉のおかげで、私たちは引越し先が早めに決まり…
ナッツの編入試験の日。
その家に1泊、2人で泊ったのだ。
「ママが行ったし。ママ、最近あっちの家の間取りとかを
頭に思い浮かべながら、引越し準備してるでしょ?
ママのイメージは、小人にはとてもわかりやすいんだ。
そのエネルギーをたよりに、あっちに行くなんて簡単だよ。」
と、笑いながらケイが言った。
「なんかね、うちのコンセントに入っていって…
あっちの家のコンセントからでてるらしいよ。」だって!
そういうのを想像すると、わくわくするの私だけ?
「で。小人たち安全だって?あっちの家。
『ちゃん』が行っても大丈夫?」と聞く私に
「大丈夫なんじゃな~い?」と、どーでもいい感じのケイ。
ケイは、自分が、まだ知らない新しい場所に引っ越すことが楽しみで、
『ちゃん』なんて、出てきてもこなくてもいい感じだった。
だから、私は『ちゃん』が来た時に聞いた。
(すごく忙しいのに、気になってしかたがない私)
「ちゃん。家小人に、あっちの家のエネルギーは大丈夫か聞いて」
『ちゃん』は、じゅうたんの上の小人(もちろん私には見えない)を
にこにこ笑って見ながら
「大丈夫だって~♪」
「あ。できたら、ベランダにある古い壺、どっかにやってだって。」
!!!
あった!ベランダに!
多分、高価なお酒が入っていたんだろうな。
それを、ベランダに飾ってたんだろうな。
っていう壺が!!
「怖!その壺、やばいの?」と聞くと
「いや。古いの。すごーく重たいエネルギーが入ってるから
そういうの、無いほうがいいねって言ってるだけ」
小人なりに、エネルギー的な引越し準備してくれてるんだ。
そして、『ちゃん』は嬉しそうに笑いながら
「小人たちねぇ、今度の家では、ちゃんが少し散歩ができるように
まわりを探検して調べてくれてるって。」
と言った。
私は、ただでさえ山のようにやることあるのに、
『ちゃん』の引越しの心配までしてる自分が、
急にバカらしくなってきて
「そっちの引越し準備は、小人にまかせようね。」
と『ちゃん』と一緒に笑った。