雌のブルーについて

 ブルーは、本来、その命の形質すべてが、本質的に魔術的であり、異常な様相を持つ。その、最も明白な様相は、ブルーのほとんどが雄であることである。これまでの研究によると、ブルーの雌はわずかに10~15%であり、共通の変異として半陰陽(5%)がある。
 セッドは、嫉妬深い女神と言われており、だから崇拝者は雄のみを求めるとされているが、真実ははるかにおぞましい。セッドは、神々の戦の間、冷酷な嵐の神によって犯され、彼女は、苦痛と怒りの内に、全世界への復讐を願った。この目論見を成就させるために、彼女は、ラグナグラーに利用されることも是とし、世界に悪魔ワクボスを呼び込んだ。彼女は、自らわが子を悪行に供することを厭わず、混沌は宇宙に満ちた。しかし、セッドはそれでも復讐を渇望し、ブルーはまさにその復讐の道具であった。
 ブルーは、あらゆる種、性別の生物と交尾して、落とし子を作り出すことができ、ブルーの幼生は、宿主の腹を食い破り、外に這いだす。かように、ブルーは、セッドに加えられた犯罪への報復を、セッドがしようとしたように世界に強いているのだ。この苦痛の強要という行為は、彼女の最大の喜びであり、だから、彼女は、まさに強姦の女神として知られている。セッドの復讐について、雌のブルーは無用な存在であり、セッドの成すことに抗する力もない。このことから、雌のブルーは、群れから追われる。半陰陽なら、仲間として受け入れられるが、全くの雄としては扱われず、虐待される。
 ほとんどの雌のブルーは、はるかに友好的な女神である疫病の母マリアのカルトの力にすがり、彼女たち自身の復讐の機会を得ようとする。雌のブルーとの交尾は、(どのような種類の生き物でも)、ブルーの落とし子を生み出すので、雌のブルーは、どのような性的接触も避けようとする。雌のブルーによるあらゆる交尾は、雄の種類に関わらず、明らかに母体に対して致命的であることが分かっている。
 雄のブルーの内、特に力のある祈祷師や司祭は、雌のブルーとの交尾を好む。いくつかの部族には、そのような交尾から悪魔ワクボスが復活するという伝説が伝わっており、また一方では、そのような組み合わせによる子供は、獣から生まれるブルーよりも強く、狡猾で、魔力に満ちた存在になるとも言われている。そのような交尾にどんな論理的根拠がにあるとしても、そのような野合がもたらす致命的な結果は、雌のブルーがいかなる時もその運命を可能な限り避けようとする結果をもたらしている。

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