ダック1

Rune Quest Glorantha 獣人族―ダック

※ この記述は、Rune Quest Glorantha Bestiary p31~p32に基づき作成しています。

アナタンスロポス・ハバルダス(Anatanthropos havardus)
神話と歴史:ジェナーテラにおけるダックの起源は、部外者にとっては大いなる謎である。ダック達は、かつて、自らの罪と過ちにより、彼らよりも卑小な種族(エルフ、トロール等)、さらに後には人間にさえ従属せざるを得なくなるまでは、この世界の支配者であったと主張している。他の者は、ダックとは、オーランスに従うためにイェルムへの忠誠を破約し、その罰として天空に拒絶された鳥類の民だと言う。ほとんどのダックは、オーランスや彼の近親者であるフマクト、ヘラー、アーナールダなどの神々を崇拝している。
 彼らが、もともとは人間であり、それが羽毛が生え水かきのある足になったのか、もともとはアヒルであり、それが呪いにより飛べなくなり知性を持つようになったのかは不明である。

概 説:この小型(身長約1m、体重約35Kg)で羽毛を持つヒューマノイドは、アヒルそっくりの頭部、くちばし、そして水かきのある脚を有する。彼らの羽毛の色は、個体毎に様々である。主にダックポイント(サーター)に居住しており、サーターの部族の一つとされている。彼らは、時としてドゥエルズ、人アヒルと呼ばれたりするが、ほとんどの場合は、ただ単にダックと呼称される。
 その他に、ダックの特徴といえるものは、それは一説には呪いの結果であるともされているが、彼らが卵胎生であるという事実である。イェルムは、天空からダックの居場所を奪い、子を宿す苦しみを負わせたと言われている。ダックは、卵を産んで自由に空を飛び回るのではなく、卵が雛に孵るまで、その身体の内に抱いていなくてはならない。
 ダックの子供は、人間の子供と同様、幼年のうちは無力であり、仲間のダック達の中で、完全な社会的地位を占めるには、何年もかかる。その結果、おそらくイェルムは意図していなかっただろうが、ダックの寿命は、鳥類としての祖先が持つ短い寿命ではなく、人間と同程度の長さである。

文 化:ダックの文化は、時の始まり以来、彼らの周辺のオーランシーの文化に近似している。
他の種族との関係:その小柄さと弱小さにも関わらず、ダックは、その鋭い知性と敏捷さで、長く一目置かれており、何世紀もの間、ドラゴン・パスの名誉ある一員とされてきた。彼らは、クリーク川沿いの高床式の家に居住し、サーターそしてその子孫の下で繁栄した。
 ルナー帝国の征服の後も、スターブロウの反乱までは、ダックは征服された他の部族等と同様の名誉を認められ、対等に扱われていた。
 ルナーの支配を覆し、野心に満ちたスターブロウをサーターの女王に就けるという浅慮で分裂した試みの結果は、サーターのダックを犠牲にするという、事実上、屈辱的な条約の締結に終わった。ダックは、帝国全土において非合法化され、氏族全体が、サーター人とルナー帝国の双方から虐殺されるという憂き目を見た。多くの者は、聖王国の近親者を頼りにしたり、プラックスのような荒涼の地に逃げ出すことができた。
宗 教:ダックは、特定の風又は死のルーンのカルト(オーランスやフマクトなど)に入信する傾向があるが、これは、その他のカルトは、彼らに対して猜疑の目をもって遇しがちだからである。
原産地:ダックの中には、自分たちの起源は、太古に滅びたとされる神話の中の帝国、雄ガチョウ国であると主張する者がいることが知られている。その帝国の痕跡は、現在、主にマリニアの海岸沿いとクリークストリーム河の各所から見つかっている。

ダックと泳ぎ:ダックは、水中では人間よりも早く泳ぐことができ、1戦闘ラウンド毎の移動速度は8である。どんなダックも、6分間は難なく水中にとどまることができ、その後の息継ぎについては1フルターン毎にCON×5の判定に成功するだけですむ。ロールに失敗すると、ダックは、引き続く各戦闘ラウンドにおいて、腹部に1D4ポイントのダメージを受ける。
 ダックは、生来、水中においてしなやかで器用である。ダックと人間のよう本来は乾いた陸地で暮らす生物との間の戦闘が水中で発生した場合、ゲームマスターは、ダックにはペナルティを課さず、相手のストライクランクを上げ、攻撃の命中率を低下させてもよい。

ダックの冒険者の作成
ルーン:ダックは、最も結びつきの強いルーンアフィニティを風のルーンにするにしなくてはならない。ダックの冒険者は、通常、死のルーンの初期値は少なくとも75%である。
基本技能:操船(25)、登攀(15)、言いくるめ(25)、騎乗(00)、歌唱(00)、泳ぎ(80)、それ以外はサーター人と同様
職 業:サーターをホームランドとする標準的な冒険者の職業を使用する。
ダックは騎乗することはできない。<騎乗>の使用の代わりに<操船>又は<泳ぎ>を使用する。

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