Rune Quest Glorantha キャラクターメイキング その4 能力値等

ステップ4:能力値

 冒険者(そして他のほとんどの生物)は、7つの基本能力値をもっている。

・筋力(STR)
・体力(CON)
・大きさ(SIZ)
・敏捷力(DEX)
・知性(INT)
・精神力(POW)
・魅力(CHA)


 これらの基本能力値は、あらゆる冒険者の中心的な要素であり、属性値と技能を決定する際の基礎となる(後半で詳述)。

筋力(STR):冒険者のSTRは、生身の筋肉の力の強さの度合いを表す。ダメージボーナス、身に着けていても正常に動ける品物(鎧等)の量、装備可能な武器などを判断するのに役立ち、運動分野技能の初期値に影響する。又、STRは体力のテストに使用される。
 STRは、訓練と研究により増加する可能性があるが、最大値は21になる。

体力(CON):冒険者のCONは健康を示す尺度であり、HPとその回復率を決定する要素となる。重傷を負った場合に意識を保ち、病気や毒に抵抗するために使われたり、身に着けていても正常に動ける品物(鎧等)の量を決めるのに使われる。
 CONは、訓練と研究により増加する可能性があるが、最大値は21になる。

大きさ(SIZ):SIZは、冒険者の大きさ・体重を示す。冒険者がダメージを吸収し、またダメージを与える能力に影響を与え、HP及びダメージボーナスを決定する要素になる。それは、体の大きさ・体重は打撃力を高めるからである。SIZは、戦闘におけるストライクランクの決定に役立つ。
 SIZは、訓練によって増加することはないが、他の手段によって増加する可能性はある。SIZの増加は、必ずしも身長が高くなることを示している訳でなく、筋肉量や体重の増加として現れる場合もある。

敏捷力(DEX):これは、冒険者が戦闘、回避及びその他の運動を必要とする活動等をどれだけ早く正確に実行できるかを示す尺度である。DEXは、戦闘におけるストライクランクの決定に役立つ。
 DEXは訓練と研究により増加させることが可能だが、冒険者の最初のDEX×1.5、又はその生物種の最大値(人間の場合は21)のどちらか低い方が限界となる。

知性(INT):INTは、冒険者が抽象的なことを考えたり、物事を暗記する能力の尺度である。それは知識技能分野の重要な修正値である。それは、冒険者がいくつ妖術呪文を暗記できるかを決定する。
 INTは、訓練や研究によって増加させることはできない。

精神力(POW):POWは、冒険者が、魔術を使役する能力を表している。また、冒険者の根源的な生命力の尺度でもある。POWの数値が高いということは、神の寵愛と外界との結びつきの強さを表しており、数値が低ければ、それが弱いことを示している。呪文の投射の際には、投射した者のPOWとされた者のPOWの対抗を行い、呪文が望む効果を発揮するかどうかを確認する。
 POWは、いくつかの方法で増加させることが可能である。POWの値はその時々で変動するが、通常、ダイスロールによる最小値と最大値の合計(通常の人間の場合、21)を超えることはできない。

魅力(CHA):CHAは、リーダーシップ及び個性の強さを表す尺度である。これは、「我に従え!」と叫んで、皆を率いていくような能力を指す。それは、単なる見た目の問題以上の話であり、冒険者の美醜を表しているというのは間違いである。CHAは、交渉分野の技能の初期ボーナスにもなる。また、冒険者がいくつのルーン呪文を投射できるか、そしていくつの精霊呪文を保持できるかを決める。
 CHAは様々なやり方で成長されられるが、人間の場合は21が最大である。

能力値の決定
 各能力値は、その優劣が数字で表されている。人間の冒険者は、STR、CON、DEX、POW及びCHAについては3~18、SIZ及びINTは8~18の値になる。冒険者を作成するときに、ダイスロールによって各能力値を決定する。これらの値は、冒険者が持つルーンのうち、ルーン・アフィニティが最も高いものとその次に高いものによって修正が加えられる。
 STR、CON、DEX、POW及びCHAについては3D6、SIZ及びINTについては2D6+6をロールする。能力値の合計が92以下の場合は、冒険者の能力値に3ポイントまで自由に配分することができる。人間の冒険者について、これらの追加のポイントを配分する際に、18を超える値にすることはできない。

能力値に対するルーンの修正
ルーンは、冒険者の行動、物理的現象、知性、精神活動、そして社会性にも影響を与え、能力値にも変化を与える。このため、冒険者は、ルーン・アフィニティが最も高いルーンとその次に高いルーンによって、そのルーンと対応する能力値に修正のボーナスを得る。

・闇のルーン    SIZ又はCHA
・水のルーン    DEX又はCHA
・大地のルーン   CON又はCHA
・嵐のルーン    STR又はCHA
・炎/天空のルーン INT又はCHA
・月のルーン    POW又はCHA

最もルーン・アフィニティが高いルーン:対応する能力値に+2
次にルーン・アフィニティが高いルーン:対応する能力値に+1
魅力のボーナスを選択できるのは、どちらか片方のルーンの分だけである。

 ルーン・アフィニティの値が変化し、最も高いあるいは次に高いルーン・アフィニティのルーンが変わると、影響を受ける能力値も変わる。最も高いルーン・アフィニティの値を持つルーンが2つある場合、どちらかのルーンを最もルーン・アフィニティが高いルーンとして扱い、もう一つは次にルーン・アフィニティが高いルーンとして扱う。また、2番目にルーン・アフィニティが高いルーンと3番目にルーン・アフィニティが高いルーンのルーン・アフィニティの値が同じなら、どちらか片方を次にルーン・アフィニティが高いルーンとして扱い、もう片方のルーンによる能力値へのボーナス修正は適用されない。
 このルーンによって与えられるボーナス修正によって、能力値が18を超える場合もある。このルーンによる能力値へのボーナス修正は、冒険者の作成時にのみ適用され、プレイ開始以降のルーン・アフィニティの変化により、最もルーン・アフィニティが高いルーンや次にルーン・アフィニティが高いルーンが変わっても能力値へのボーナス修正は変化しません。

ホームランドによる能力値への修正
 ホームランドによっては、冒険者の能力値に修正がある場合がある。生まれ故郷による能力値修正表を参照すること。ルーンによるボーナス修正と同様に、この修正により能力値が18を超える場合がある。

属性値
 属性値は、特定の能力値を計算することで導かれるいくつかの数値である。属性値には、魔力ポイント、ヒットポイント、回復率、ダメージボーナス、最大ENC、技能分野修正等がある。移動は属性値だが、人間についてはすべて同じ値(1ラウンドあたり歩行なら8m、走った場合24m)であり、計算する必要はない。

魔力ポイント(MP:Magic Points)
 冒険者の魔力ポイントは、現在のPOWと同値である。状況によっては、当初の値よりも高い、もしくは低い魔力ポイントになる場合もある。魔力ポイントは呪文を使用するために消費される。冒険者が呪文を投射するために魔力ポイントを消費しても、それによりPOWが下がることはない。
 魔力ポイントが0になった冒険者は意識を失い、少なくとも1魔力ポイントを回復するまでは目覚めない。
 あらゆる冒険者は、6時間毎に現在のPOWの1/4を回復させる。24時間経てば失った魔力ポイントは完全に回復する。魔力ポイントの回復を細かい時間間隔で判断したい場合は、1時間毎に現在のPOWの1/24の魔力ポイントを回復させるようにしてもよい。瞑想技能は、魔力ポイントをより早く回復するのに役立つ。

耐久力ポイント(HP:Hit Point)
 耐久力ポイントは、冒険者が無意識あるいは死に至るまで、どれほどのダメージを受けることができるかを表している。この用語は、冒険者の持つ耐久力ポイントの合計(トータル耐久力ポイント)を指す場合と、身体の部位別耐久力ポイントを指す場合がある。広い範囲の火傷、毒、その他の怪我のような部位が特定できないようなダメージを受けるとトータル耐久力ポイントを失われる。
 冒険者の耐久力ポイントは、当初のCONにSIZとPOWによる修正値を加算あるいは減算した値になる。SIZが耐久力ポイントの修正になる理由は明白である。冒険者の体格がよければよいほど、致命傷に至るまでより多くのダメージに耐えることができる。したがって、SIZの増大は、耐久力ポイントを増大させる。また、POWは、多くの点で、特に死を避けるために有用な神々の恩恵を表している。
 身体部位別耐久力ポイントは、身体部位別耐久力ポイント表を用いて計算し、キャラクターシートに記入する必要がある。これは、他の人間型生物の身体部位別耐久力ポイントも同様に配分される。
 冒険者がダメージを受けるたびに、トータル耐久力ポイントと身体部位別耐久力ポイントの両方から差し引いていく。トータル耐久力ポイントがすべて失われると冒険者は死ぬ。また、特定部位の身体部位別耐久力ポイントが0になると、その部位は通常、使用不能になる。また、身体部位別耐久力ポイントはマイナスになることもある―マイナスの度合いにあまりに大きいと、その部位は不具になったり、切断されることもある。
 それぞれの身体部位別耐久力ポイントを合計すると、トータル耐久力ポイントより大きくなることがある。しかし、冒険者がトータル耐久力ポイントを超過するダメージを受けた場合、その戦闘ラウンドの終了までにトータル耐久力ポイントを1以上に回復させないと、冒険者は戦闘ラウンドの終了時に死亡する。これは、身体の各部位に深刻なダメージを受けていなくても、出血やショックで死に至る場合があるというころである。
 身体部位別耐久力ポイントが回復すると、トータル耐久力ポイント同じ数値が回復する。

回復率
 負傷の自然治癒については冒険者の回復率に基づいて回復する。負傷の重篤度によるが、週の終わり毎に各身体部位の耐久力ポイントがどの程度回復するのかは、回復率によって決定される。
 冒険者が、同じ身体部位に複数の負傷を受けている場合は、回復率により回復した耐久力ポイントは、それぞれの負傷に均等に割り振り、余りのポイントは、最も軽度の負傷に適用する。

ダメージボーナス
 物理的な打撃等の際に、冒険者が加えることができる修正値がダメージボーナスである。これは通常のダメージ決定のダイスロールとは別に行うロールであり、武器あるいは爪、噛みつき、蹴り等のダメージにそのロールの結果を追加するか、あるいは差し引く。ダメージボーナスのロールを差し引いて、武器等のダメージが0以下になると、その打撃によるダメージはない。

精霊戦闘ダメージ
冒険者が精霊戦闘において与えることのできる精神的ダメージが精霊戦闘ダメージである。このダメージに使用するダイスロールはPOW+CHAの値によって決定される。

最大ENC
冒険者が持ち運んだり、装着したりして、支障なく行動できる重量ポイント(ENC:Encumbrance)の総量(それには武器や鎧なども含まれる。)は、STRとCONの平均の値か、STRのどちらか低い方の値である。

ストライクランク
 ストライクランクは、戦闘ラウンドでだれが最初に行動するのかを決定する。ストライクランクの値が小さいほど、冒険者は各ラウンドの戦闘において早い順番で行動することができる。
 冒険者の近接戦闘のストライクランクは、DEX及びSIZから求められるストライクランクと使用している武器のストライクランクを合計したものである。投射武器や呪文を使用する際のストライクランクは、DEXから求められるストライクランクと武器や呪文のストライクの合計だけである。キャラクター作成の段階では、DEX及びSIZによるストライクランクを記録しておく。
 冒険者の作成の後、プレイヤーが冒険者の使用する武器を決めたなら、その武器のストライクランクを記録して、、DEX及びSIZによるストライクランクの値と合計して、最終的な近接戦闘のストライクランクを記録する。
 SIZのストライクランクは、投射武器による攻撃には適用されない。冒険者の体格は、矢を放ったり、武器を投擲する速度に影響を及ぼさない。

技能分野修正値
 冒険者の技能は、すべての人間に共通する基本成功率に対し、技能分野修正値によって増減する場合がある。この修正値は、関連する技能の分野に対する生来の能力や適性の反映を表したものである。技能分野修正値を技能の値に加えたり減らしたりすることができる―あるいは変更しないことも可能である。
 技能分野修正値は、それの元となっている基本能力値が変化すると、増減することがある。
 技能分野修正値は、経験ロールにも影響を与え、技能を向上させようとする際の生来の能力による影響を表している。これは、ゲームシステムの章で説明される。
各技能分野修正値の決定には、表の左の列にある該当する基本能力値について、その値から適用される修正値(ボーナスあるいはペナルティ)を確認し、その値を合計する。その合計結果が、最終的な技能分野修正値である。
 技能分野修正値が決定したなら、基本成功率が1%以上の技能について、技能分野修正値を基本成功率に加える。いくつかの技能については、キャラクターメイキングの過程で、更に増加することもある。
 技能の最低値は0%であり、これは成功の可能性が全くないことを表している。技能はマイナスの値になることはない。もし、技能分野修正値により、基本成功率が0%以下になる場合は、0%とする。基本成功率0%の技能は、文化修正、職業修正、カルトによるボーナス、スキルポイントの配分あるいは訓練によって基本成功率が1%以上になるまでは、技能分野修正値は適用されない。

運動分野技能修正
 運動分野技能は、一般的な身体の活動に関する技能である。〈操船〉、〈登攀〉、〈回避〉、〈チャリオット操縦〉、〈ジャンプ〉、〈騎乗〉そして〈水泳〉がある。

修正に関係する能力値  :STR、SIZ、DEX、POW
修正の幅(能力値1~20) :-25%~+25%

交渉分野技能修正
 交渉技能は、ある者から別の物に意思や感情を伝えるものである。〈演技〉、〈芸術〉、〈取引〉、〈魅了〉、〈踊り〉、〈変装〉、〈言いくるめ〉、〈威嚇〉、〈詐謀〉、〈雄弁〉、〈歌唱〉、〈自国語会話〉そして〈他の言語会話〉がある。

修正に関係する能力値  :INT、POW、CHA
修正の幅(能力値1~20) :-20%~+20%

知識分野技能修正
 この知的活動に関する分野には、学習による正しい知識と個人の判断力の両方を必要とする。すべての〈知識〉、〈錬金術〉、〈合戦〉、〈行政〉、〈作法〉、〈鑑定〉、〈農業〉、〈応急手当〉、〈遊戯〉、〈牧畜〉、〈図書館〉、〈家産管理〉、〈穏やかな死〉、〈読み書き(言語)〉、〈造船〉、〈生存〉、〈病の治癒〉、〈毒の治癒〉がある。

修正に関係する能力値  :INT、POW
修正の幅(能力値1~20) :-15%~+15%

魔術技能分野修正値
 この分野の技能は、使用者が世界を変化しうる魔法の力を操作することを可能にする。〈瞑想〉、〈死体準備〉、〈暗殺者感知〉、〈混沌感知〉、〈精霊戦闘〉、〈霊感の踊り〉、〈精霊知識〉、〈精霊界での旅〉、〈群獣との交感〉、〈礼拝〉がある。
以下の技能は妖術/魔道で使用されており、一般には知られていない。〈結合/分離〉、〈解除〉、〈命令〉、〈召喚〉、そして〈切開〉である。

修正に関係する能力値  :POW、CHA
修正の幅(能力値1~20) :-15%~+15%

操作技能分野修正
 操作技能分野は、手先と目を巧みに使うことが必要である。これらの技能には、〈隠す〉、〈製作〉、〈仕掛け〉、〈楽器演奏〉、〈早業〉そして盾、投射武器、身体を使った攻撃を含む全ての武器技能がある。

修正に関係する能力値  :STR、DEX、INT、POW
修正の幅(能力値1~20) :-30%~+30%


知覚技能分野修正
 知覚技能により、冒険者は自分の外部の情報を受け取り理解する。〈洞察〉、〈聞き耳〉、〈視力〉、〈捜索〉、〈追跡〉がある。

修正に関係する能力値  :INT、POW
修正の幅(能力値1~20) :-15%~+15%

隠密技能分野修正
 隠密技能を活用すれば、他者から存在を気付かれずにすむ。〈隠れる〉、〈忍び歩き〉がある。多くの技能分野修正と異なり、SIZとPOWが高いと、隠密技能に不利な影響がある。身体が大きければ、容易に気付かれやすいし、高い精神力の持ち主は、大勢の中で際立って目立ちがちである。

修正に関係する能力値  :SIZ、DEX、INT、POW
修正の幅(能力値1~20) :-35%~+35%

技能の基本成功率
 ある技能の基本成功率は、(05)や(00)のように括弧つきの値として表される。基本成功率は、あらゆる人間がその技能を初めて使用したときに成功する確率を示している。ほとんどの技能には基本成功率がある。
 いくつかの技能には、(DEX×3)のような、基本能力値から導出される基本成功率がある。
 基本成功率に、該当する技能分野修正値及び文化による技能ボーナスを加算する。そのあと、職業及びカルトによる技能ボーナス及び配分した個人の技能ボーナスを加算し、その合計が冒険者の現在の技能成功率となる。
 いくつかの技能、特に知識及び魔術技能、は、基本成功率が0%である。技能分野修正値は、基本成功率が0%の技能については、それが文化、職業あるいはカルトのボーナス、あるいは訓練によって1%以上になるまでは適用されない。
 例えば、交渉分野に+10%の技能修正を持っている冒険者は、全ての未知の言語について10%の成功率があるわけではない。技能の成功率が1%かそれ以上になれば、技能分野修正値が適用されるが、そうでなければ0%のままである。
 冒険者シートにチェックボックスが付記されている技能は、冒険中の経験、訓練、又は研究を通じて成功率を向上させることができる。それ以外のスキルは、訓練か研究によるか、超自然的な方法によってのみ、成功率が向上する。

ホームランド文化的技能ボーナス
 それぞれのホームランドは、冒険者の基本成功率にすぐに適用できる文化技能ボーナスを持つ。
・+10%などのボーナスがある場合は、この値は既存の基本成功率に加算される。
・(25)のような括弧内の値は、技能の基本成功率であり、当初の基本成功率と置き換えて使用する。

 列挙された技能が、武器の広いカテゴリー(1Hアックスなど)の場合、そのカテゴリーにあてはまる武器を一つ(例えばバトルアックスなど)選ぶべきである。
文化別武器:それぞれの文化には、冒険者が選択することができる多様な武器がある。複数の武器が列挙されている場合は、1つだけ選択する。

プラックス人の部族
 全てのプラックス人は、自国語会話(プラックス語)(50)及び多国語会話(交易語)+10%で始める。また、生存に+10%のボーナスがある。
 プラックス人は、部族に応じて追加の技能を取得する。

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