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父と息子のコロコロ

小学3年の次男が、『別冊コロコロスペシャル』を買った。

付録の「にゃんこ貯金箱」が欲しかったそうだ。にゃんこ、かわいいよね。にゃんこ大戦争の漫画も載ってる。ゲームがあるのは知っていたけど、漫画もあるんだね。


付録が欲しくて買うってこと、私もしたことがある。小学生のころ毎月買っていた『りぼん』は、漫画も付録も最高なお楽しみだった。全プレ(全員プレゼント)って申し込めば必ず全員がもらえるんだ!と感激した。


お父さんのコロコロ

別コロ、『デンジャラスじーさん』も載ってる。じーさん、カラーの表紙からすでに飛ばしてるな。ケシカスくんって、聞いたことある、へぇー、こういう漫画なんだ。コロコロは相変わらず男子が好きそうなものがいっぱいと懐かしくページをめくっていたら、

「ほら、お父さんが読んでたコロコロだよ」

夫が出してきた昭和58年の号。38年前のだよ、すごいね、お父さん、捨てないでまだ持っていたんだ!と兄弟と私が興奮。

「お父さんもコロコロ読んでたんだね」
「小学生の時ね」
「お父さんの?」
「そうだよー!お父さんにだって小学生のころはあったよーーー(笑)」

二人のなかで、お父さんは最初からお父さん。
その感じ、私にもわかる。

「お父さんはこのなかで何が好きだったの?」  

「えーっと、『ドラえもん』とか『超人キンタマン』とか……」

「え?きんたま?ひぃー、何それキモっ(笑)」

「知らないの?超人キンタマン、お母さんも読んでたよ、キンタマン!」と食い気味に会話に乱入する私。コロコロは弟が買っていたのだ。

「ひぃー、お母さんがきんたまとか言ってるー、エロ~!」

「あのね、ふざけないでちゃんと聞いてくれる?キンタマンっているウルトラマンみたいなのがいてね、ほら見て、これがキンタマンね。あと仲間に女の子と、仮面ライダーみたいなのと、あともう一人いたような……」

「女の子はヒヨコ。お面ライダーマンと、オガンダム。オガンダムはいろいろあって、バカラスに改名された」すかさず特撮アニメオタクの夫の解説が入る。

兄弟はキャラの名前だけですでに爆笑。作者の立石先生は偉大だ。

私と夫は38年前のコロコロが懐かしすぎて、ああ、これ、これも…懐かしい、懐かしい、と二人で感慨に浸ってしまった。


「お父さんやお母さんもコロコロ読んでたんだね」
子ども達には私たちが小学生だったときは想像しづらいだろうな。
でもあったんだよ、小学生の時が。そして実は、キンタマン読んでた時と全く変わってない部分が今もいっぱいなんだよ、お母さんは。

「出来たっ!」

次男が組み立てた、付録のにゃんこ貯金箱。
自分ひとりで組み立ててみると宣言して頑張って、ほんのちょっとだけお父さんの手も借りたけれど、無事完成。
さっそく彼のお気に入りである本棚のにゃんこコーナーに飾る。

さあ、じゃあ漫画読むかとコロコロを手に取って、ソファーにごろんと寝っ転がった次男を見て、きっと小さいころの夫もこんな感じだったのだろうな、と想像した。

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