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【企画参加】『私の好きなピリカ文庫をあなたへ~マイピリ~』

チョコレートは好きですか?と問われたら、
「チョコによります」
と答えるだろう。
たとえ嫌な感じと思われようとも。

「ねえ、今日の夜空はどんな味がすると思う?」

 嫌なことがあった日、お母さんは夜の散歩に連れて行ってくれる。そして、こんなことをいつも聞く。僕は空を眺めながら一生懸命考える。そうしているうちに嫌な気持ちはどこかに溶けて、今日の夜空の味だけが僕の中に広がるんだ。

『夜空』より引用

もしこの小説から好きなところをあげるように言われたら、迷いに迷って、この冒頭部分にする。
「夜空の味」にときめいている。

チョコレートの好みはあるけれど、この作品に出てくるチョコは全て食べてみたくなる。

いちごのチョコレートも、ミルクチョコレートも、オランジェットも。

現実の私は、いちごのチョコレートとオランジェットには苦手なものもある。苦手と言っても、食べられないほどでない。

物語の中に入ってみたくなる。

私は「僕」と「お母さん」の後ろにくっついて歩き、ふたりの会話に耳をそばだてて、チョコレートをかじるのだ。

「僕」が開いたお店『夜空』にも行きたい。

『夜空』のオランジェット、きっと好きだと思うから。


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この noteは、『私の好きなピリカ文庫をあなたへ~マイピリ~』企画に参加しています。