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鹿島臨海鉄道の旅

ニ年前の春休み、私達家族4人と夫の母の計5人で大洗に一泊旅行に行った。

その頃の次男はサメが好きで、サメの飼育で日本トップクラスな水族館という「アクアワールド茨城県大洗水族館」に行くことが旅の目的だった。

母とどこで待ち合わせ、どうやって大洗に行くのがいいのかをネットで調べていくと「鹿島臨海鉄道」にたどり着いた。初めて聞く鉄道名。
電車好きの長男は
「鹿島臨海鉄道かぁー」
とすでに何か分かっているみたいな面持ち。
鹿島臨海鉄道って有名?私は初めて聞いたと言うと、
「うん、一部の人たちにはね、有名」と答えた長男。
後にそのことが判明する。

母とはJR山手線の某駅で待ち合わせ、5名が揃ったところで上野駅に向かった。
「特急ひたち」で上野駅から勝田駅、勝田から「ひたちなか海浜鉄道」で那珂湊(なかみなと)駅、そのあとはバスで水族館へ。

アクアワールドは想像以上に充実していて、半日たっぷり楽しめた。
サメ好きはもちろん(サメの水槽は圧巻)どのエリアも魅力的で「来てよかった」と思える水族館。
春休みだということもあって家族連れで混んではいたのだが、館内をめぐり、ショーを楽しみ、次男はお土産売り場でおばあちゃんにエイのぬいぐるみを買ってもらった。(サメはなかったので)

その日は水族館から出ているバスに乗り、大洗のホテルに宿泊。
美味しいお刺身やアンコウ鍋でおなかいっぱい。
翌朝はホテル目の前にある海辺を散歩。

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帰りは、「鹿島臨海鉄道大洗鹿島線」に乗るため大洗駅に向かう。

大洗駅で電車の到着を待っている間に、制服姿の女の子達のアニメキャラクターが目につく。
立て看板やポスター。
これ、宿泊したホテル内にもあったけれど、この街のマスコットキャラなのかしら?

「ガルパンだよ。ガールズ&パンツァー
長男が言う。

何それ?
「大洗が舞台になってるアニメ。街全体でこのアニメを盛り上げてるの。大洗はガルパンの聖地だから」

へえー、ぜんぜん知らなかった。そんなアニメがあるのね。
それにしてもよく知っていたね、長男は、と思っていたら、「大洗、鹿島臨海鉄道、ガルパン」は有名なのだと言う。
ホームに到着した電車がばっちりこのアニメのラッピング列車だった。

電車が到着したとたん、あれ?さっきまでどこにいらっしゃったの?というアニメファンらしき方々が集まってきて、無言で撮影し始めた。
うちの兄弟も負けじと参戦。
(この見出し画像は、私達が乗る帰り方向とは反対方面の電車です。この電車は「鹿島神宮」方面ですが、私達は「水戸」方面に乗りました)


夫のお母さんは、

「こんなのが今流行っているのねぇーーー」

と小さくため息まじりにつぶやいて、

「ねぇ、せっかく水戸まで行くんだから、偕楽園に寄りましょうよ」

と突然の提案。
あ、あの、水戸からの特急ひたちの特急券乗車券はもう買っちゃってあるんですけど……という言葉を飲み込んで、水戸駅で予約変更手続きをする嫁。

◇◇◇◇◇◇

予定外に立ち寄ることになった偕楽園内で、私達は新元号を知った。
私だけがその時スマホを持っていたので、みんなに伝える。

れいわ、ですって

令和。

どんな時代になるのかな。

新元号を知った2019年4月1日。 
その日私達は水戸の偕楽園にいた。

子ども達も大きくなった。
私たちだけだったら、偕楽園には寄らずに水戸からまっすぐ帰ってきたと思う。
令和と鹿島臨海鉄道とガルパン。
私の中ではこの3つがつよく結びついている4月1日。














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