這い上がる負け犬の青ーーFE風花雪月蒼月ルート感想
ノーマルクラシックの紅花ルートでは50時間、
ハードクラシックの蒼月ルートでは70時間。
だいぶ時間食われたの、ちょっと自制してこのゲームはしばらくやらないようにします…
と言いつつ、楽しかったです!
セテス目当てでこのゲームやっててよかったと思います。
初めて戦略系ゲームにドハマりしてしまいました。
やはりSLGこそ伝わる重厚で多彩なストーリーがたまんない!!
ストーリー
今回の蒼月ルートでようやく王道主人公ポジのディミトリに会えた。
紅花ルートでは度々意味深こと言ってくるから、どういうことだと思ったけど、ストーリーが割と全体的に重い。
元々は青獅子の学級の全員が文武両道、頭脳明晰な陽キャしかいないと思ったのに、他の学級に比べてだいぶ闇が深くて面白かった。
騎士道の定義や種族差別や、割とディープな話題に突っ込んでるし、また新たな陰謀「ダスカーの悲劇」に触れることができ、盛沢山のルートだと思いました。
ストーリー自体は「闇落ちしたディミトリが立ち直り邪悪な帝国と立ち向かう」感じで、王国は完全に「敗れた負け犬が這い上がる」的なポジで正直びっくりしました。
ディミトリの五年前と五年後の姿も、変わりすぎてびっくり。声優さんがマジで上手いとしか言えない。
あの好青年があんなに暴れだすとは!?というギャップが面白くて人気キャラの理由はわかった。
個人的にやっぱりストーリー上では、ディミトリとめちゃくちゃ絡むから他のキャラの存在が薄くて、逆にディミトリ以外の人と結婚するのはちょっとありえないと思っちゃう。
そしてやっぱり、ギルベルトの存在が大きい。紅花ルートではほぼ見かけない、ちょっと気になったおじさんですけど。
ちゃんとディミトリと対照になって、お互いは「過去に囚われ前へ進めない」感覚でいい味出してくれるし、アネットとの会話でほっこりするわたくしがいる。
あと、途中で出てくるロドリグがチームに入れないのが残念だった。おじさんだらけのチームで無双したかったのに、あっけなく居なくなるとは…
最後に出てくる覇骸エーデルちゃんにビックリしました…
なぜ紅花ルートに出なかった…その姿の裏話とか欲しかった…
紅花ルートとの差
長かった!
紅花ルートが一番短いのもあるんですけど、今回はハードクラシックモードでチャレンジしてみた結果、面白かったし色々と濃厚だった。
FEシリーズ初心者のわたくしにとって、ちょうどいい難易度だと思う。
同じバトルを6回もやり直さないとクリアできなかったけど、その難しさのおかげでいい感じの緊張感が出ました!
特に最後の戦いに、遠距離の敵ユニットでだいぶ苦戦してて天刻の拍動をなんと全部使い切ってたのに、シルヴァンを死なせたことも…
でも今回の育成具合が良かった!
紅花ルートが短すぎたせいか分からないけど、全員のユニットが最上級職にならなかったり、育成が中途半端でクリアしてしまったけど、今回は割と満足した!
特に後半で、ディミトリが完全に力こそパワーみたいなゴリラだったり、イングリッドが一人で無双したり、フェリクスが剣と弓で切り込んだり。
個々のユニットの持ち味をいい感じに引き出せて大満足です。
システムのことも詳しく知ることができよかったと思いました。(もちろん攻略サイトもめちゃ見ました)
結局一番難しかったのは、最初の共通ルートをやり直さなければいけないということです。正直戦略系ゲームでの周回はきつい。ここで問題点。
最大の問題点「かけた労力と見返りが釣り合わない」
そもそも戦略ゲーに周回要素の適正があるかどうかという議題はさておき。このゲームのデザインがちょっと理不尽だと思う。
周回要素はもともと、同じゲームをやり直すことによって、新しい情報や物語のバリエーションが見れることで、普通に一直線で進めていく物語に深みを持たせることで人気。ビジュアルノベル(美少女ゲーム)では定番のシステム。
例えば普通の美少女ゲームだと、選択肢まで高速スキップしてまた別のルートのストーリーを見るし。
アクションゲームのニーアオートマタだと、周回ごとに操作キャラが違うので、違う視点が楽しめるのもある。
周回ゲームをだいぶやり込んできたわたくしはもう慣れた、が。
このゲームの共通ルートだと、同じことを同じ速度でほぼ同じ感じでやり直さなければならない。
その時間が長すぎる。低く見積もっても半分ぐらいの時間はかかる。
(今回の蒼月ルートでは30時間ぐらいかな)
もちろん違った学級を選ぶと、イベントごとに差分があったり、以前知らなかった情報が入ったりするけど。
でも周回を前提として考えると、第一部は長すぎる。
今回の蒼月ルートをやってる時も、遊んでるよりも作業に近い。
と、言われそうですが、違うんですね!
わたくし、最初は紅花ルートを引いてしまったプレイヤーです!
ディミトリとエーデルガルトの関係性や主人公自身の出生の謎や、なーんにもわからなかった!
と、言われそうですが、違うんですね!
そもそも裏ルートとしてならまだしも、
この三つの学級のどれを選んでもいいですよって感じを醸し出すのがよくない。
この壮絶な戦争もので人間性を犠牲にしてまでも、フォドラ統一を目指す皇帝エーデルガルトの傍に戦う。
紅花ルートの絶望的なところも、意思の強いエーデルちゃんも、モラルギリギリなところも好きだったけど。
そこからのカタルシスがないんです。
エーデルガルトがそこまでしなきゃいけない裏付けが足りないし、最悪なのは50時間も溶かしたのに闇に蠢くものの実態すら掴めてない。
ゲームデザインはそもそも、プレイヤーの期待に応えたり裏切ったりするようなもの。
紅花ルートでは、「なんとこのゲームのラスボスを仲間にすることができてその覇道をサポートすること」ができる、という点で期待だけ膨れ上げさせておいて、結局伏線は張るだけ張って、回収はないんです。
なんの捻りも何もなく終わる。
それがあまりにも満足できなかったわたくしが、
蒼月ルートをクリアした結果、謎は増えていく一方、解決はない…
まあそんなこんなで、キャラクターたちの魅力についても語りましょう。
キャラ総評
他の学級よりダントツに闇深いの青獅子はマジで興味深い支援会話が多い。
ちょっと男多めの青獅子の学級ですが、正直割とこのクラスの女子たちも好き。
しっかり自分の意見を持って頑張ってるような女の子キャラが好きなので、イングリッドもアネットも良き。
メルセデスは、もう紅花ルートをやらないだろうと思ってYouTubeでイエリッツァとの支援会話を見て泣いた。マジで見た方がいいです。
今回あまりにいいペアエンド貰えなかったので、そこは割愛させていただきます。その代わりに腐女子のわたくしのいくつかのおすすめのカップを紹介いたしましょう!
腐女子目線のおすすめカップ
ディミトリxドゥドゥー
あのA支援会話はやばいすぎ。
あの赤面具合からすると、ドゥドゥーはやっぱり受け。
体格差カップだと、ガタイのいい方が受けなのが定石。
主従関係もマジで最高…ちょっとピクシブに行ってきます。
シルヴァンxフェリクス
赤x青は史前から定められたカップ厨の世界の規律。
そして女好き=攻め、ツンデレ=受け。
それもまた必然に起こること、言わば自然界の秩序。
赤面のフェリクスは良きですし。
シルヴァンの飄々とする表の中に隠された健気さもまた一興。
ディミトリxフェリクス
これはかなり意外ですね。ようやく豚と呼ばれてる理由がわかったし。
フェリクスはめちゃくちゃ尖ってるやつじゃなくて、ただ物の本質を見てそのままを言う常識人だということがよくわかる。
でもやっぱ個人的にはシルフェリかな…
支援会話Sはディミトリでした!
ディミトリの描写への手厚さは半端ない。フレンとのA会話で発覚された味覚障害や普段から見てる幻覚とか…
これは傍にいないとダメじゃない!と叫ぶほど母性がくすぐられた。
最初はフェリクスと結婚と思ったけど、最後は母性とストーリーに負けて素直にディミトリと一緒になりました。あの色恋に対する鈍感さはハーレム主人公並みでおもろい。(まあ実質ハーレム主人公ではあるか…)
そして今回も見たかったけど見れなかったリスト!
支援会話S見たかったリスト
フェリクス
ツンデレ具合がよくて、S会話の第一候補だった。
やっぱりそのツンツンが溶けていって、素直にデレるのが定石。
YouTubeでS会話見ましたけど、やっぱり良きですし、ベレスもベレスなりに強気になっててワロタ。
ギルベルト
蒼月ルートでようやく会えたし、アネットとの関係性も知ることができてよかった。
というか普通に名簿に「嫌いなもの」を「自分」と書かれて、戦場にいるなら「指示を」、褒められると「新鮮ですね」…
自己肯定低いおじさんに萌えを見出してしまったわたくしがいる。
というかもうドM確定じゃん…
(密かに「殺人鬼ドSディミトリ」x「自己嫌悪贖罪ドMおじさんギルベルト」を推してることを他人に言わないでください)
セテス
イングリッドとの支援会話で、意外と常識人でビックリ。
ひたすらレア様を崇拝してる狂信者だと勝手に思ったのに。
フェリクスとの会話もそうですし、教団の中での一番常識人でまとも。
好感度爆上げです。
これは大司教になってセテスとイチャイチャする他にないでしょう。
全体の結論
ストーリーがあまり捻りも何もなく、ドストレートな話だった。
ディミトリの継母は謎のままですし、肝心な「ダスカーの悲劇」の犯人も、「闇に蠢くもの」も、結局分からずじまいでした。
ゲーム性は申し分なく面白いし、キャラクターたちの支援会話も面白くて裏設定や色々がちゃんと考えられてて考察する分には楽しいけど。
ルートごとの扱いが違いすぎてちょっとプレイヤーには不親切です。
そもそも紅花ルート(黒鷲の学級)の出来が完成とは言い難い。
ファンサやおまけルートにしか思えないのに、それが一つの正規ルートとして売り出されてるのがおかしいし。
調べたら黒鷲の学級のルートよりも金鹿の方が「闇に蠢くもの」について触れるのがどうしても納得がいかないと思う。
蒼月ルートもストーリーの所々が不十分で、終わった時の虚しさとスッキリしない感じが個人的にダメです。
ストーリーの補完のために、DLCも含めて5ルートの周回を求められてるというシステムは不満です。
色んなウィキを漁ったんですが、そもそも裏設定とか考察がめちゃくちゃ面白いのに、このゲームではその面白さを出せなかったです。
というわけ、戯言や辛辣なコメントもたくさんしましたが、いかがだったでしょうか。
このゲームのこと嫌いなわけではないです。むしろ大好きです。
ただ、世界観やキャラクターの設定がめちゃくちゃ面白いのに、ストーリーがそのポテンシャルを発揮できなかったのが残念すぎる。
伏線を張りまくってたのに、回収しないとあまり意味がないと個人的に思いました。
だんだん週一にゲームの感想を出せたらいいなーとなんとなく思いましたので、もっとこういうネタバレありやストーリー重視の感想を見たい方ぜひフォローやいいねをしてくれると嬉しいです。
次のゲーム感想をお楽しみに!