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【読書と連想ゲーム1】

読書記録はじめます

トップ画像、読書とまったく関係ないような写真だが、昨年の私は、旅行 = ビーチ = 読書だったのだ。 
旅行の時は必ず本を持って行く。電子書籍じゃない。紙の本。
おかしなもので、普段は電子書籍一択なのに、旅行になると本を買い込む。
スーツケースの何分の1かが本に取られる。
馬鹿なことだとわかっているのにやめられない。旅と本はセットなのだ。
それもふだん読まない作家の本だ。ふだんなら手に取らない作家の本を、ふだんとは違う環境で読む。日常から脱するために。

昨年は18年ぶりにハワイに行けた。
パラソルとビーチベッドを借りて(1日80ドル😨)、最初に少し水に入ったあとはひたすら本を読む。同類はけっこういるもので、10本ずつくらいかたまったパラソル群の中に、常に3人くらいは仲間がいる。全員もちろん紙の本だ。
外国には文庫本はあまりないのかな?私以外の外国人はみんな日本で言う単行本サイズの本を読んでいる。スーツケース、どれだけ本が占めてるんだろなんて思う。
本を読んでバーに行って少し飲み、またビーチで本を読む。
「わざわざハワイまで行って何をしているんだか」と自分でも思うが、贅沢な時間の使い方だと心底満足して帰ってきた。お金を貯めてまた楽しむため、読書の習慣を続けていこうと思う。
読んだ本を覚え書きにしていきますが、感想は特別書いていくつもりはないです。その本から連想したこと、考えたことを書いていこうと思っています。

伊集院静「大人の流儀」

ときどき美容院とかクリニックとかでエッセイを見かけたときに読んだことしかない。ダンディなおじさん、おもしろい生き方をしている一匹狼のような人というイメージがあった。が、時々出てくる「家人」にしっかり手綱を握られて叱られている様子がなんともかわいらしい。篠ひろ子さんのお茶目な、フレンドリーなお顔を想像する。お亡くなりになったことを聞いたとき、まずは篠ひろ子さんの悲しみを思った。でも、前夫人の夏目雅子さんを見送られた伊集院静さんが、2度も妻を見送ることにならずによかった。

連想ゲーム 伊集院静 → 松本清張

「大人の流儀10」より引用
本は(特に小説は)いったん出版すると、あとは読者と、その時の社会、時代の流れにまかせるしかない。

この一文を読んだ時に思い出したのが松本清張さんだ。
40年前、渋谷の書店でバイトをしていた。
大きな書店の、小説を扱うフロアで。
ある日、ジャケットを羽織ったムスッとした(失礼)顔のおじさんが、新潮文庫の棚の前に立っていた。当時、松本清張さんの推理小説を軒並み読み倒していた私、すぐにわかった。清張さんは、棚の前の平置き(売れ筋の本を書棚ではなく棚前に平積みにする)をじっと見ていた。清張さんが時々書店巡りをして、ご自分の本がどのように売られているかを見て行くというのは聞いていた。何も購入はされず、文庫コーナーの平置きをひととおり見て帰られた。清張さんの作品がちゃんと平置きになっていて、私は「よ、よかったー」と全身から力が抜けたのを覚えている。
その頃のテレビはサスペンス全盛期だったと思う。いくつかの局が、2時間ドラマを毎週放送し、その中でも松本清張、森村誠一、横溝正史、の三方が原作のものは扱いが格別だった。
もう生活の不安などないだろうに売れ行きが気になるのかな、と当時は思ったが、大御所中の大御所でもやっぱり自分の作品の行方が気になってたんじゃないかなあと今は思う。とてもほんわかした思い出だ。
その後引っ越した先で美味しい中華そばの店を発見し、私の家族は月に数回通ったのだが、ずいぶん経ってからその店が松本清張さんもお気に入りだったと聞いた。中華そばをすする清張さんを見たかったな。
2025年1月18日(土)




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