
文化を遺してくれた人々
2025年1月13日
二重橋前 静嘉堂美術館にて「平安文学いとをかし」展鑑賞
今日が最終日だと気づいて慌てて出かけた。
タイトル画像は「源氏物語蒔絵源氏箪笥」という源氏物語全54冊を納めた嫁入り道具らしい。今で言えば「ベルサイユのばら豪華愛蔵版」という感じか。
初恋女性を忘れられず女人と恋を重ね、そのたびに「最愛の紫の上を傷つけてしまった」と反省するもそれを繰り返す光源氏の物語。
嫁入り道具にふさわしいのか??
こんな豪華な箪笥と54帖を贈られるのは、気楽に外出もできないような姫様だろうから書物は喜ばれたのかな?
源氏物語以外にも平安文学の写しがたくさん展示されていた。
写経もそうだが、こういう写しを見るたびに感動するのが、間違えずに写していく精神力だ。字を間違えて黒塗りしたり取消線をしてその横に正しく書き添えたという物を見たことがない。私は天声人語くらいのボリュームのものでも一字一句間違えずに書く自信がない。
どのくらいの時間をかけたのだろう。
書いた人の職業はなんだったのだろう。
途中で子供がいたずらしたり、墨のついた筆が転がってこれまで書いたものがだめになったりしなかったのだろうか。
気の遠くなるような作業に没頭してくれた人
大切に遺して後世に伝えてくれた人
タイムスリップしたらそういう人の横で作業を見つめていたい。
京都の6畳くらいの、文机しかないような部屋で
木々を渡る風、せせらぎ、蝉の声などを聞きながら
冷やし胡瓜やわらび餅なんかを食べながら。
今回一番感動したのがこちら↓
現代の技術で表現した源氏物語。
空蝉が残した着物、見た途端に「うんうん、空蝉のイメージだ〜」と嬉しくなった。

今回は「空蝉」と「橋姫」の2つの作品が展示されていた。
これまたどうやって作るのか制作過程を最初から最後まで見たい。
興味をもたれたかた、ぜひ、山本茜さんのHPで他の作品を見てみて!
私は全部を直に見たいと思いました。