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CanvaでIllustrator/Photoshopファイルが読み込み可能に
ポッドキャスト「アシカガCAST」第765回の要約記事です。
Canvaの新機能に危機感を持つデザイナーも
Canvaが新たにAdobe IllustratorのaiファイルとAdobe Photoshopのpsdファイルを読み込める機能を追加しました。
イラストレーター・フォトショップのデータをCanvaで編集できるようになりました👏👏👏
— mikimiki @「Canva使い方入門」2万部突破📚 (@Mikimiki10211) August 15, 2024
イラストレーターやフォトショップのデータをCanvaにインポートするだけで編集も出来るようになりました❗️
この機能は現在、デスクトップのブラウザからhttps://t.co/ZIQiizMUrrでのみ利用できます。… pic.twitter.com/in7sHXB1Qt
🌟CanvaがIllustrator・Photoshopデータに対応🌟
— ミヤマ|営業部にいるデザイナー (@mmmiyama_D) August 16, 2024
デザイナーに脅威の新機能とは!?👀
🎉 使い方は簡単!でも注意点も…
この新機能は、Illustrator (.ai)やPhotoshop (.psd)ファイルをそのままCanvaで選択→インポートするだけ!… pic.twitter.com/Yy9NZvMtVW
便利になったなとわたしは思ったのですが、危機感を持っているデザイナーの人がいました。その理由は、クライアントがCanvaを使ってaiファイルを直接編集できるようになることで、デザインの変更作業などの仕事が減少する可能性があるためです。
細かいことを言うと、編集用のデータと印刷用の納品データとはちょっと違います。文字をアウトライン化するなど印刷用に調整しているので、そのデータをもとに何でもうまく編集できるとは限りません。
それでも、無料でも使えるCanvaでAdobe Illustratorのファイルを開いて編集できるようになったことは、aiファイルを人に渡すことに対して今までと考え方を変えないといけないのかなとも思うようになりました。
CanvaがAdobeに対抗する強力な一手かも
この新機能は、CanvaがAdobeに対抗する強力な一手となるかもしれません。これまでは、Adobe製品やプロ向けフォントを所有していることがプロのデザイナーの特権のようなものでしたが、Canvaはこの壁を取り払おうとしているとも考えられます。
ちょっと前にCanvaが画像生成AIのLeonardo AIを買収したことで、Adobeへ対抗する体制を整えているのかなという話をしましたが、今回のIllustratorファイルとPhotoshopファイルへの対応は、地味ながらさらにその姿勢を強めるものとなっています。
また、Canvaがプロ向けデザインツールのAffinityを買収したことも、この新機能に繋がってるのかもしれません。Affinity DesignerはIllustratorのaiファイルを直接読み込める、たぶん唯一と言えるデザインツールでした。
デザイナー&クライアントに良い使い方のシナリオ
デザイナーとクライアント双方にとって良いシナリオとしては、デザイナーがIllustratorでデザインを作成し、最終的にCanvaに読み込ませて、クライアント企業がそれをテンプレート的に利用するというものです。
デザイナーは慣れ親しんだIllustratorで高度なデザインを行うことができます。また、これまでIllustratorで作成した素材をCanvaに直接読み込めることだけでも、デザイナーの効率化と時間短縮につながるはずです。
イラストのアウトラインデータは大事
Illustratorのレイアウトファイルがデザイナーにとって重要なものなのはもちろんですが、イラストのアウトラインデータ(ベクターデータ)は、安易に他人に渡してはいけない重要なものです。
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アウトラインデータは拡大縮小しても品質が落ちず、再利用や加工が容易です。例えば、キャラクターのアウトラインデータがあれば、高品質な印刷データとして使用できたり、グッズ制作に流用されたりする可能性があります。
Illustratorファイルの中にアウトラインデータのイラストが含まれている場合、そのファイルをクライアントがCanvaで開き、イラストを簡単に再利用できてしまいます。このことは、デザイナー側が注意を払う必要があると思います。
PDFのインポートは以前からできていた
実は、CanvaはすでにPDFファイルの読み込みをサポートしていました。PDFもアウトラインデータ(ベクターデータ)を扱えます。なので、IllustratorでレイアウトしたファイルをPDFとしてクライアントに渡した場合、CanvaでそのPDFを開いて中のイラストを素材として取り出し、他のデザインに流用できてしまう可能性があります。
そのため、デザイナーはPDFを他人に渡す際には、再編集されないような形式で保存するなどの対策をしておく必要があります。無料ツールのCanvaで、デザインデータやイラストが再編集、再利用される可能性があるとわかっていれば、この対策の重要性も理解できるでしょう。
Illustratorからコピー&ペーストした場合
IllustratorからアウトラインデータをコピーしてCanvaにペーストしてみたところ、ビットマップ画像としてペーストされました。
FigmaではIllustratorからアウトラインデータとしてペーストできるので便利です。なお、わたしはFigmaでaiファイルを直接読み込めるようになることを期待していましたが、AdobeによるFigmaの買収が中止されたため、今後どうなるかはわかりません。
AdobeはCanvaに対抗するツールとしてAdobe Expressを提供しています。Adobe ExpressはIllustratorファイルを読み込めることをアピールしていたのですが、その部分においてはCanvaでもできるようになってしまいました。
Adobe Express での Adobe Photoshop や Illustrator のファイルに関する概要
CanvaとAdobeの競争が、ますます興味深く、面白くなってきたなと思います。
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Canvaが買収したツール/サービスを時系列でまとめました。
— アシカガコウジ/デジタル活用Podcast (@ashikagacast) August 9, 2024
Zeetings
プレゼンテーションツール/オーストラリア/2018年買収
Pexels
画像素材サービス/ドイツ/2019年買収
Pixabay
画像素材サービス/ドイツ/2019年買収
Kaleido
AIを使った背景除去ツール/オーストリア/2021年買収
Smartmockups… pic.twitter.com/6QmaKZqi5u
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