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Macのメモアプリを機能強化するProNotes

ポッドキャスト「アシカガCAST」第763回の要約記事です。

ProNotesとは

ProNotesは、Macの標準メモアプリの機能を強化する拡張機能的なアプリです。メモアプリは英語では「Memo」ではなくて「Notes」という名称なので、それをPro版にするといった意味でProNotesなんですね。

ProNotesを使うことで、メモアプリの検索機能がより使いやすくなったり、テキストのフォーマットがしやすくなります。マークダウン形式やスラッシュコマンドも使えるようになります。

ProNotesによって強化されたMacのメモアプリで作成したメモも、iPhoneや iPadで問題なく同期・閲覧できるので、安心して利用できます。最終的に作られたメモに関しては、メモアプリが本来持っている機能以上の要素はないので、他のデバイスでメモを見るときに見た目が変わったり、見られない箇所が出たりすることはありません。

ProNotesのインストールと設定

ProNotesをMacにインストールして起動すると、メモアプリに自動的に機能が追加されます。各種設定はProNotesのアプリで行います。初回起動時には、Macの設定で「プライバシーとセキュリティー」のアクセシビリティに制御許可する必要があります。アプリ側の誘導の通りにやれば問題ないと思います。

ProNotesを起動して「Grant Accessibility Permission」ボタンを選びます
「システム設定を開く」を選びます
「ProNotes」をONにします

ProNotesの検索機能を使うためには、Macの設定で「フルディスクアクセス」にProNotesを追加する必要があります。そして、ProNotes側で検索機能にショートカットキーを割り当てられます。デフォルトはCommand+Pですが、これは印刷のショートカットと同じなので、わたしはCommand+Shift+Pに割り当てました。

「プライバシーとセキュリティ」の「フルディスクアクセス」の「+」ボタンを選びます
インストールしたProNotesを選び、トグルスイッチをONにします
言語設定を「日本語」にしておきましょう

ProNotesで強化されたメモアプリの検索機能

ProNotesの検索機能は、Notionの検索機能と似た感じのフローティングしたウィンドウ上に表示されます。検索結果に見出しと検索キーワードの前後の文脈が表示されるのはメモアプリの標準機能と同じですが、ポップアップとして独立して検索結果が表示されるので、見やすく使いやすいと思います。

検索結果の画面の例
右上のフィルタリングボタンで詳細設定が表示されます。
並び順の変更、タイトルのみの検索、特定のフォルダだけの検索などが設定できます。

また、これは環境によったり何か理由があるのかもしれませんが、標準の検索機能ではキーワードを含むメモを100%は表示してくれません。この、検索での取りこぼしは、ProNotesの方が少なかったです。

デスクトップからでもメモアプリを検索可能に

ProNotesのグローバルショートカット機能を設定すると、メモアプリがアクティブでない状態でも、ショートカットキーからメモアプリの検索ができるようになります。メモアプリが起動していなくても利用可能です。

例えば、Command+Option+Shift+Pなどのキーを割り当てておくと、どのアプリケーションを使用中でも、そのキーを押すだけでスポットライト検索のようにコマンドが開き、メモアプリの内容を検索できます。

なお、いつでもスポットライト検索のように検索できる機能は、ほかのツールでも力を入れている分野のようです。NotionもDropboxも同じようなことができる機能やツールを用意しています。Dropboxが提供するツール「Dropbox Dash」では、Dropbox以外にNotionやGmailなど外部サービスの内容もまとめて検索できるので、うまく使いこなせば便利だと思います。

Dropbox Dashの検索結果画面の例
Dropbox、Gmail、Notionからの検索結果が表示されています

テキストのフォーマットがやりやすく

ProNotesを使用すると、文字を選択したときに文字の上にツールバーが表示されるようになります。このツールバーから、太字にしたり、リスト表示にしたり、見出しにしたりすることが、ワンクリックでできるようになって便利です。

テキストを選ぶとツールバーが表示されます

また、マークダウン記法も使えるようになります。NotionやObsidianなど、エディタやメモツールには当然のようにマークダウン機能がついているので、慣れている人には便利になるはずです。さらに、メモの内容を丸ごとマークダウン形式でコピーできる機能もあります。

スラッシュコマンドが使えるように

ProNotesを使うと、メモアプリでスラッシュコマンドも使えるようになります。スラッシュを入力するとメニューが表示され、続けて文字を入力するとメニューが絞り込まれます。これも、NotionやObsidianでも使える機能です。

スラッシュコマンドで出てくるメニューの例
さらにスクロールでメニューは続きます

これらの機能強化の内容を見ていると、このProNotesはメモアプリをNotionやObsidianのようなイマドキのツールに近づけるための拡張機能と言ってもいいと感じます。

なお、ProNotesのスラッシュコマンドで呼び出せるのは、テキストのフォーマットに関する機能とAI機能のみです。メモアプリの他の機能、たとえば画像の挿入などをスラッシュコマンドで呼び出すことはできません。

AI機能は有料版のみ

ProNotesにはAI機能がありますが、これは有料版でのみ使用可能です。テキストの要約や校正、お題を与えて文章の続きを書いてもらうことなどができるようです。GPT-3.5とGPT-4.0を使用でき、月額7.99ドルまたは年額79.99ドルで利用できます。

スラッシュコマンドで表示されるAI関連のメニュー

なお、NotionのQ&Aという機能は、質問に対してNotion上のドキュメントを参照して答えてくれるんですが、それに相当するような機能はProNotesにはありません。

メモアプリのメモの内容を元にAIが質問に答えてくれたら便利だと思うんですが、これはいずれMacがOSレベルで対応するんじゃないかと期待しています。

テンプレート機能も

ProNotesには、Obsidianのテンプレート機能に似たテンプレート機能もあります。「テンプレート」フォルダを作成し、その中に作ったメモをテンプレートとして他のノートに簡単に挿入できます。

例えば、会議の議事録など、定型的な項目を含むメモを作成する際に便利です。日付や参加メンバーなどの項目をテンプレートとして用意しておけば、毎回入力したり他から探してコピーペーストする手間が省けます。

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