![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142286229/rectangle_large_type_2_f63dfeba95fc294fb1f7349c0383a026.png?width=1200)
日本はなぜITが弱いのかの理由を考えてみる
ポッドキャスト「アシカガCAST」第733回の要約記事です。YouTubeでけっこう聴かれているので、タイトル的に引きが強いのかなと思い文字起こし記事にもしてみました。
日本はデジタル化・IT化が遅れている?
日本は科学技術のレベルは高いものの、デジタル化やIT化に関しては他国に比べて遅れをとっている印象があります。この認識は多くの日本人が共有しているのではないでしょうか。
そこでわたしなりに、なぜ日本のITが弱いのかを考えてみました。客観的なデータとして、DataReportalというサイトが発表している「Digital 2024 Global Overview Report」を参照しながら、分析していきたいと思います。
世界のデジタルトレンドに関する調査結果
データリポータルの2024年版レポートから、私が注目した4つのポイントを紹介します。
日本のインターネット利用時間は世界平均よりもかなり少ない
音声アシスタントやオンライン翻訳など新しい技術の使用率も日本は低い
EC(ネット通販)は世界の中でも利用率が高い側にいるが上位レベルではない
デジタルコンテンツへの課金額(サブスクやダウンロード販売)は世界的に見て多い
これらの詳細を見ていきましょう。
インターネットを使う時間は50カ国中最下位
16歳から64歳のインターネットユーザーを対象とした調査によると、日本の1日あたりのインターネット利用時間は3時間56分で、50カ国中ダントツで最下位でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1716988127626-Aya49MUAQ5.png?width=1200)
世界平均は6時間40分で、日本は49位のデンマークよりも1時間以上短いという結果です。モバイル経由のインターネット利用時間も日本は1時間54分で最下位。世界平均の3時間50分の約半分しかありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1716988382533-YQfNzmGfaR.png?width=1200)
一方で、コンピューター(タブレットを含む)からのインターネットアクセス率は、日本が60.4%で世界平均の61.8%とほぼ同じでした。日本は自宅でパソコンを使う人が少なくモバイルでネットを利用している人ばかりかと思っていたのでちょっと意外でした。タブレットも含まれてるのも関係しているかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1716988406555-QB8qwnDtMQ.png?width=1200)
インターネット利用時間が短い理由としては、日本の労働時間の長さや、高齢者の割合が多いことも影響していると推測されます。
オンライン翻訳ツールもあまり使われていない
1週間に1回以上オンライン翻訳ツールを使う人の割合は、日本では12.2%で50カ国中49位でした。英語が苦手と言われる日本人としては意外に低い数字です。世界平均は28.1%となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1716988564024-AmtOAVrgdd.png?width=1200)
日本では日本語のコンテンツだけで十分に情報収集や娯楽を満たせるのが理由かもしれません。ちなみに、ネット上のコンテンツで最も多いのは英語で52.1%、次いでスペイン語、ドイツ語、ロシア語と続き、日本語は5位の4.3%でした。英語以外はすべて1桁台でそんなに差はありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1716988698613-RtIegTFKoO.png?width=1200)
日本ではポケトークのような翻訳専用の端末があり、それなりに人気があります。そういった機能が特化した家電的なものがガラパゴス的に進化しているのも、日本でオンラインツールが普及しない=IT化を阻んでいる理由のひとつではないでしょうか?
日本語入力の難しさと音声入力
音声アシスタント(SiriやAlexaなど)の週1回以上の利用率も、日本は10.5%で47位と低調です。世界平均の29.8%の約3分の1程度でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1716989125218-Nc1B3MxNQ3.png?width=1200)
日本語のカナ漢字変換の難しさ、キーボードへの不慣れ、携帯とPCでの入力方式の違いなども、日本でITが浸透しきれない理由の一つではないでしょうか。
音声入力への期待は大きいものの、恥ずかしさや住宅事情から利用が進んでいないのかもしれません。同音異義語の多さも音声入力の障壁となっている可能性があります。
最近の音声入力はかなりクオリティが上がっていますし、音声入力が日本語入力の難しさを解決してくれるんじゃないかと期待しています。
X(Twitter)を使う時間は日本が1位
SNSの利用時間も日本は世界最下位ですが、Xのモバイルアプリの月間利用時間は8時間19分で世界1位でした。2位のサウジアラビアの8時間1分と大差ありませんが、日本ではXが突出して人気であることがわかります。
![](https://assets.st-note.com/img/1716989421821-DEuzQmsHgL.png?width=1200)
ポッドキャストに関しては、聴取率が日本は5.0%で最下位。世界平均の20.6%を大きく下回っています。1日あたりの聴取時間も日本は13分で最下位。世界平均の49分と比べるとかなり短いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1716989472261-vFTt4ompjV.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716989459839-DMQf0bSYcv.png?width=1200)
しかし、2023年の4.1%から5.0%に増えていることに注目したいと思います。世界平均はちょっとだけ減っているのに対し、日本は増えていることを希望と考えたいです。
DataReportalの561ページにおよぶレポートには、他にも興味深いデータが満載です。興味のある人はぜひチェックしてください。
X(Twitter)でも情報発信しています
X(Twitter)でもデジタルツールやWebサービスを中心に情報発信しています。
勉強会のためにソーシャルメディアについてまとめています。
— アシカガコウジ/デジタル活用Podcast (@ashikagacast) March 21, 2024
総務省の調査による【令和4年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率と、DataReportalによるアクティブユーザー数によるソーシャルメディアのランキング。 pic.twitter.com/Z3CWyozusm
ポッドキャスト「アシカガCAST」
「アシカガCAST」では、デジタル活用のヒントをスキマ時間で聴けるポッドキャストを月〜水の朝8時に配信しています。
https://typebot.io/ashikagacast
↑アシカガCASTを聴く方法、エピソードリストなどを教えてくれるチャットボットです。
Apple Podcasts、YouTube Music、Amazon Music、Spotify、Google Podcastsなどで聴けますので、耳が空いているときにチェックしていただけるとうれしいです。
Audiobook.jpの聴き放題、YouTubeでもお聴きいただけます。
いいなと思ったら応援しよう!
![アシカガコウジ | デジタル活用ポッドキャスト](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/10501160/profile_8632d699386197bb56c62c3156e4a6e9.png?width=600&crop=1:1,smart)