ZoomによるNotion対抗ツールZoom Docsの実力は?
ポッドキャスト「アシカガCAST」第773回の要約記事です。
Notionに似たドキュメント作成ツールZoom Docs
Zoomから発表されていたドキュメント作成ツールのZoom Docs(ドキュメント)がついにリリースされていました。Notionとよく似たツールで、Notionを意識していることは間違いないと思います。
Zoomは今、ビデオ会議だけでなくて、メールやカレンダー、ホワイトボード、ノートツールなどいろんなツールを用意した「Zoom Workplace」として展開しています。
このZoom Workplaceのかなり重要な位置づけとして、NotionのようなZoom Docsを用意したということでしょう。仕事で使うドキュメント類を、全部ここに集約しましょうという提案だと思います。
AIによる文書作成機能が売り
Zoom Docsが一番の売りにしているのはAI機能で、AIによる文書作成機能を盛んにPRしています。Zoomも最近はAIに力を入れていて、AI Companionという機能がビデオ会議を含めていろんなところで使えるようになっています。そしてこのAI Companionの一番の使いどころが、このZoom Docsということなんだと思います。
Zoom DocsのAI機能はNotionやnoteについているAIアシスタント的な機能と同じようなものです。文章を要約したり、続きを書いてもらったり、もっとカジュアルにしたりフォーマルにしたりブラッシュアップしたりできるわけですね。
Zoom Docsは日本語に対応していて、ユーザーインターフェースなども全部日本語化されているんですが、AI Companionに関しても日本語で指示することができます。
AIに参照させるために、テキストファイルなどを読み込ませることはできませんが、Zoomのミーティング要約を参照することは可能です。なので、あとで議事録などを作るときにZoom Docsを活用しようと思ったら、Zoomミーティングのときに「ミーティング要約を自動的に生成する」をオンにしておくのがおすすめです。
Zoom DocsのAI機能はZoomの無料ユーザーは使えないんですが、有料のユーザーならプランに関わらず制限なく使うことができます。NotionなどほかのツールではAI機能に別途料金が必要なことが多いので、追加料金が不要で無制限に使えるのは大きな利点と言えるでしょう。
Notionと同様に子ページが簡単に作れる
Zoom Docsの操作感ですが、特にストレスや不満はなく非常に良い操作感だと思いました。スラッシュコマンドで出てくるメニューもNotionとよく似てますし、Notionを真似してよくできてますねという印象です。
Notionと同様に、簡単に子ページ(サブページ)を作れるところが良いと思いました。
Notionとの違いとして、Zoom Docsでは子ページを作成すると左カラムに子ページのリストが表示されます。これはWeb共有時にも表示されて、閲覧者が簡単に子ページにアクセスできるようになっています。スマートフォンでの表示時には、上部のバーにアイコンが表示され、そこから子ページのリストにアクセスできます。
この仕様により、Notionとは違って親ページに必ず子ページへのリンクが入ってなくても大丈夫です。
Notionに似たデータベース機能
Notionといえばデータベース機能ですが、これもしっかりよく似た機能がZoom Docsにも搭載されています。
関数を使用して計算を行ったり、通貨表示や小数点以下の表示設定なども可能です。また、列の合計や平均値の計算、データが入っているセルの数を数えるなど、Notionと同様の機能が利用できます。ただし、現時点ではリレーション機能はまだ実装されていないようです。
ホワイトボードを埋め込めるけど
Zoom Docsでは、文書の中に図解を入れたいときに、ホワイトボードを埋め込めるのが面白いと思いました。ホワイトボードはZoom Workplaceのツールです。ドキュメント上で直接フローチャートや図解を作成することができ、Notionにはない独自の機能です。
ただし、ホワイトボードを埋め込んだドキュメントを共有する際に、共有設定に気をつける必要があるようです。わたしが試したところ、ドキュメントを誰でもみられるように共有しても、Zoomにログインしていない状態では、埋め込まれたホワイトボードの部分は表示されませんでした。
埋め込んだホワイトボードの共有設定で、誰でもみられるようにすれば解決できるはずですが、権限を変更できませんでした。わたしの使っているZoomのプロプランという一番安いプランではホワイトボード機能に制限があるので、そのせいじゃないかなという結論に至りました。
Web共有でスマホで見てもいい感じ
Zoom DocsのWeb共有機能は、スマートフォンで閲覧するときにもいい感じです。NotionでWeb共有したページは、iPhoneで見たときに画像を自由にピンチアウトして拡大表示できない点が不満です。Zoom DocsのWeb共有では、画像をタップすると全画面表示になり、ピンチアウトで拡大することができました。
また、この手のツールでWeb共有したときに、スマホで見るとアプリのインストールへの誘導が主張しすぎだったりすることも多いんですが、Zoom Docsではそういったこともありません。Notionと同様に、アプリのインストールやログイン/ユーザー登録への誘導が控えめなところも良いと思いました。
なお、ZoomDocsは作ったドキュメントをPDFなどに書き出す機能はないようです。あくまでもWeb上で共有するだけなんですね。
もちろん、Zoom会議中にZoomDocsの画面をみんなで見ながら話を進めるとか、みんなでドキュメントを編集する用途で便利なツールなんだと思いますが、まだ私はそういう用途で使ったことはないです。
Zoomにはもともとノートというツールもあって、ノートとDocs(ドキュメント)の2種類の似たようなツールがあるのはちょっと紛らわしいと思います。
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