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映画のために国を越える奴

人生ベストと自信を持って言える映画に出会ってしまいました。
映画の名前は九龍城寨之圍城(英:Twilight of the Warriors: Walled in)、香港では5月1日に公開されて今でもまだ上映が続いているようです。私が住むバンコクでは8月中旬に公開され、ルイス・クーが大好きな私は公開後すぐ観に行きました。
観る前は「ルイス・クーとサモ・ハンが出るのか、アツいな」ぐらいにしか思ってなかったのですが、もうこれが本当に良かった。なんだこれは、むちゃくちゃ面白すぎる。世界観、ストーリー、アクションの全てが魅力的ですぐさま虜になりました。

ここで問題がひとつ。タイで外国の映画(英語・タイ語以外)を観るとなると、原語音声&タイ語字幕かタイ語吹き替え(字幕なし)の2択になります。タイ語字幕に加えて英語字幕がつくこともあるのですが、数は圧倒的に少ないです。
タイに来てからまだ日が浅く、このことがすっかり頭から抜けていました。公開直後に観たときはタイ語吹き替えで、しまったと思いつつなかなか2回目を観に行けず、やっと行けたときにはタイ語字幕のみになっていました。あちゃー。

それでも面白い。細かいストーリーはわからないけどすごく面白い。登場人物たちのバックグラウンドとか、主人公たち4人が交わす軽口の内容がわかったらもっと絶対面白いだろうなと思いつつ、ひたすら映画館に通いました。

9月に入り上映館も上映回数も減りそろそろ見納めかと覚悟した頃、武替道(英:Stuntman)という映画が香港で公開間近であるということを知ります。「テレンス・ラウ主演でフィリップ・ンも出るのか、しかもスタントマンの話なんだ…これは観に行くっきゃなくないか?」
9月下旬、習っている空手で昇級試験に合格するというちょうどいいきっかけがあったので、合格祝いということにして試験を受けたその足でスワンナプーム空港に向かいました。

土曜の夜に出国し月曜の夜に帰ってくる弾丸旅行。しかも香港に着いたのが日を跨いでからなのでほぼ1泊2日です。
いま思い出してもニヤニヤしてしまうぐらい幸せな2日間でした。朝はアヴェニュー・オブ・スターズ(星光大道)で数々のスターたちの手形やサインを眺め、時々手を重ねてみたり。

ルイス・クーの手形。見つけた瞬間ニッコニコ。

昼から夜にかけては3本映画を観ました。
1本目は九龍城寨之圍城。場所はFestival Grand Cinema。タイの鑑賞料金に慣れすぎている&香港での通常料金の倍ぐらいするということで、初めは220HKDという値段にビビってましたが、着いて納得。サービスがあまりにも手厚すぎる。Festival Suiteというスクリーンで座席はふっかふか。加えてリクライニング機能もついているのでもう存分にリラックスして映画を鑑賞することができます。しかもポップコーン・ホットドッグ・飲み物までついてくる。もう、本当にすごい。
映画自体ももちろん最高でした。やっと英語字幕付きで観ることができて、「あそこそう言ってたのね!」のオンパレード。龍捲風(ルイス・クー)とジム(アーロン・クォック)のシーンがもうむちゃくちゃグッときました。エンドロール後に次回作の龍頭に繋がるであろう映像も見れて大満足。

2本目は武替道。場所はGALA CINEMA。むちゃくちゃ最高でした。アツい。テレンス・ラウはもちろん、フィリップ・ンがもうマジでかっこいい。「あの頃のスタントマンは絶対にノーと言わなかった」
かっこいいアクションや笑えるシーンを挟みつつ、香港のアクション映画に対する熱量や愛を感じるストーリーになっていました。観終わった後、観客それぞれが自分の好きだった作品のことを思い出して胸が熱くなる、そんな作品です。

これはただの感想ですが、衰退の一途をたどるスタント業界をなんとか盛り返そう、自分たちが愛し熱狂した「あの頃」をいまもう一度、というのが武替道のストーリーラインだったからこそ、2024年現在に九龍城寨之圍城が香港を、世界を熱狂させているという状況にとても胸が熱くなるのです。

日本で観れるの楽しみ。タイでも観れたらいいな。

3本目は紮職3(英:The Unwavering Brotherhood)。場所はiSQUAREのEmperor Cinemas。
九龍寨城圍城でAV(四仔)役を演じたジャーマン・チャンがアクション監督をやっているということで急遽観に行くことにしました。なので事前情報は一切なし、予告編すら見ずに行きました。でもすっごい面白かった。
日本でいう映倫みたいなやつで一番重いカテゴリーⅢ(18歳以上のみ鑑賞可能)なので、本編の上映前に注意喚起の映像が流れました。日本よりも厳しい印象。
ギャングに属する若い3人の男たちの友情を描いた作品で、18禁ということもあり結構グロい描写もありました。アクション満載で思いがけない展開もあり、すごく楽しめました。オープニングとエンディングそれぞれでジャーマン・チャンの名前を見つけられたのもかなり嬉しい。

あった!とニッコニコで撮影。

こんな感じで1日目はずっと映画を観てました。途中で九龍寨城圍城の原作を買いに走ったり、ビクトリアハーバーに夜景を見に行ったりと忙しないですが満足度の高い1日でした。

帰りの便が16時ごろ発ということもあり、2日目は映画を観ずにひたすらいろんなところを歩き回りました。できれば武替道をもう一度見たかったのですが、時間が合わないということで断念しました。残念。
この日も最初はアヴェニュー・オブ・スターズから。ちょっと足を伸ばしてブルース・リーの像も見に行きました。

武替道の劇中にこの場所が出てきてたのでちょっとしたロケ地巡りに。

アヴェニュー・オブ・スターズに行く際に前日と違う道を通ったら迷いに迷い、最終的にレイジング・ファイアに出てくる地下道に辿り着きました。行きたいけど場所わからんな〜次来るときまでに調べとこ、と思っていたのですっごいラッキー。

他にもこの配色の地下道がいっぱいあるのでなければここであってるはず。

アヴェニュー・オブ・スターズを堪能したあとは北上して九龍寨城公園へ。ここでは写真やキャプション、ARのブースなどを通じて九龍寨城が存在した当時の様子を窺い知ることができます。来れて本当によかったです。

九龍寨城にまつわる展示があるのは公園内の一部のみで、それ以外は至って普通の公園に見えました。

元々の予定ではここから空港に行く予定でしたが、思ったより時間に余裕があったため南下してクオーリーベイにあるモンスターマンションへ行ってみることにしました。

写真や映像ではよく見るけど生で見るとやはり圧巻でした。

この場所が1つのビルではなく5つのビルで構成されている建物である、ということは帰国後に知りました。やはり下調べは必要ですね。もう一度行きたい。

そんなこんなで気づいたら時間ギリギリになり、慌てて空港に行ったら帰りの便の日付を間違えて撮っていたことが判明し、それだったら急ぐ必要もなかったし映画も観に行けたやんと涙を流しながら航空券を取り直しました。

映画祭のチケットが取れれば(最重要)11月の頭に九龍城寨之圍城と武替道を観に日本へ帰る予定なので、そのときに香港乗り継ぎにしてちょっと観光出来ればなあと思ったり。空港にあるセットの展示も見たいし。

チケット取れるかな……。(遠い目)

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