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第2回三服文学賞で大賞を受賞しました

こんにちは。葦田不見(あしだみず)です。この度、佐賀県嬉野市にある温泉旅館・和多屋別荘が主宰する文学賞、三服文学賞にて、大賞を受賞しました。光栄です。ありがとうございます。

このnoteでは、受賞にまつわる思いを書きたいと思います。


受賞の5日前

ところで、話は今から1週間前に遡ります。東京で惰眠を貪っていたら、スマートフォンが鳴りました。知らない電話番号です。いつもは知らない番号からの着信は、電話番号を検索してからかけ直すのですが、このときはすぐに出た方がいいという直感があって、寝ぼけ眼のまま、応答ボタンを押しました。

「もしもし〜(力の抜けた声)」
「葦田様の電話番号でしょうか、和多屋別荘、三服文学賞実行委員会です」

飛び起きました。聞くと、応募した作品が最終選考に残った旨と、結果発表が金曜日の12時に控えているから見てほしいという内容の連絡でした。背筋が伸びました。二日酔いも眠気も覚めました。

謝意を伝え、電話を切ってから結果発表までは、そわそわしながら日々を送ることになります。

三服文学賞ってどんな賞?

三服文学賞は、先ほども書いた通り、和多屋別荘という温泉旅館が開催している文学賞です。去年、第1回が行われ、平出奔さんの掌篇「笑っているのがわかる」が大賞を受賞しました。今回は2回目となります。

応募規定は2,000字以内で、ジャンルは問われません。昨年の受賞作を見ても、詩、短歌、エッセイ、小説、と、さまざまなジャンルの作品が受賞していました。応募する内容としては、以下の7つからいずれかのテーマ、もしくは複数のテーマを選ぶことになっています。

  1. 温泉

  2. お茶

  3. うつわ

  4. 日本酒

  5. 読むこと

  6. 書くこと

今回は1,241作品の応募があったようです。わたしが応募したのは「水のからだ」というエッセイで、「うつわ」を大きなテーマとしながらも、「お茶」や「日本酒」のような液体や、「読むこと」「書くこと」といった本をめぐる経験も重ね合わせたような作品となっています。

受賞作はこちらのページから全文を読むことができます。是非ともご一読ください。授賞式は今年の夏に予定されていて、そこでインタビューが行われる予定です。

今回受賞できたのは、普段から応援してくださっている方や、執筆過程で意見や感想をくださった方のおかげだと思っています。家族や友人たちは忌憚のない意見をぶつけてくれました。改めてありがとうございます。

大賞の賞品は、1年間和多屋別荘に滞在して執筆するライターインレジデンス権「三服作家」と、受賞作品をもとにした書籍制作のふたつです。まるで往年の文豪たちのよう。これは大きなモチベーションでした。今は、嬉野という地でみっちりと執筆できるのが楽しみです。

受賞作「水のからだ」について

受賞作について、多くを語ろうとは思いません。2,000字という制約の中に最大限の余白とともに、書けることを詰め込みました。読んでくださったらよくわかると思います。

ただ、このエッセイは、わたしのベストアルバムといっても過言ではないということは書いておきたいと思います。随所に今までわたしが書いてきたテーマを織り込んでいます。気になる方は読んでくださればうれしいです。



大賞を受賞しましたが、これもスタート地点に過ぎません。読んでは書くという文藝の営みを続けていくことに変わりはありません。引き続き精進していきたいと思います。見守ってやってください。よろしくお願いいたします。

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