姉とか妹とか弟とか
わたしには兄がいる。
でも小さなころからお姉ちゃんがほしかった。
やさしいお姉ちゃんがいたらまいにちたのしいだろうなぁと漠然とした甘い夢を描いていたのだ。
しかし生まれてくる順番でお姉ちゃんはもう望めない。
ならば同姓の妹はどうだろうと考えてみたのだけれど…
私は末っ子の妹で父や兄からたっぷり甘やかされわがままに育っていた。さらにはひとりで裏山へ冒険しにいったり男の子とばかり遊ぶようなおてんば娘だった。血は争えない。私みたいなのが産まれてくるにちがいない。いや、私以上の妹が産まれてきたら大惨事だ!それに、なんとも心地好いこの座を安易に譲る訳にはいかない!というなんとも妹らしい理由で即脚下。
お姉ちゃんはダメ、妹もダメ。
こうなったら意地でも誰かメンバー入りして欲しくなった私は『三人兄妹弟』ならどうなのか?と当初の願いから大きく舵を切り「弟」が産まれたパターンを考えてみることに。
親友のAちゃんには歳の離れた弟がいて
すごくすごくかわいいし、なんだか異性の弟は無条件で可愛がれる気がする。
弟がほしい!
というわけであっさり採用。
ある日おもいきって「弟がほしいなぁ」と母に聞こえるようにしれっとつぶやいてみた
すると
「子どもはもういらない!
あんたたち2人でじゅうぶん幸せ!
もうぜったいいらない!ないない!」
といつも大人しめな母が大迫力で弟案件を脚下し、三人兄妹弟の夢はあっさりお蔵入りとなったのだった。
時が経ち時代は昭和から平成へ。
私は25歳の大人になり元夫と出逢い結婚。
彼はなんと男四兄弟の長男だったため
ある日突然念願の弟が3人も出来ちゃったのだ。
思わぬ形で夢が叶ったわぁ〜
というネタになったしまぁいいかと思っていたのも束の間、一年後に長男を出産。その三年後、そのまた二年後に男の子を出産。
気づけばでっかい三人の弟たちと三人の息子たちの中心に立っていた。
お姉ちゃんにも妹にも娘にも縁が無かったけれど、男運(?)は強く引き寄せるらしい私の引力。
そうなるとますます無いものねだりで『姉妹』への憧れが強くなるわけだけど、『姉妹』の人たちが集合した場(という言い方がもうすでによそよそしい)に行くと自分でもよくわからないけどちょっとモジモジしてしまう。
華があってまぶしいのだ。
そしてその姉妹の会話をじっと聞いたり観察してしまう癖がある。
まるで変態である。
私は同じ女性という属性だし
男性が好きだし
息子たちのことも世界一愛している。
だけどやはり憧れてしまう
未知で不思議な存在『姉妹』
持ってるものがいちいちかわいい『姉妹』
ケラケラ笑って華やかな『姉妹』
見ているだけでふわふわしてくる『姉妹』
今世はまわりのステキな姉妹にまじって末っ子とか次女とかのポジションを勝手に設定し楽しませてもらいつつ
『神様
来世はどうかお姉ちゃん、私、弟の三人姉弟のパターンでひとつお願いしますっ!!』
と欲張りで独りよがりでやっぱりわがままな念をバンバン飛ばし、マスターしつつある「引き寄せの法則」なるものの記憶を来世に持ち越せたらいいなと願う妹なのだった
(兄よ、タイトルにもあげず薄情な妹でごめん。いつもありがとう!)