僕の宇宙爆誕BIG BANG
彼女が瞬きをするたび青のアイシャドウの粒子が宙を舞って、その一瞬だけそこには宇宙銀河が現れる。ビッグバン。確かに僕はそれを確認したのだ。その瞬間世界が六〇〇万度に沸騰。安藤は椅子から崩れ落ち一瞬で蒸発。安藤のクラッシュ、カナちゃんも一瞬で蒸発。僕は一瞬目に写ったカナちゃんの裸体を見逃さなかった。クラスの奴らみんな蒸発。彼女と僕だけの世界がそこにある。脳内で峯田和伸が彼女への愛を爆音で代弁。彼女のボーイフレンドも〇.二秒前、大学で蒸発。あれ?彼女が僕に近づいてくる。なんだろう。彼女の真っ赤でつややかな爪が近づいてくる。いいよね。校則違反の真っ赤なネイル。その尖った先端が僕の胸を貫いた。あ、ぼく死んだんだ。彼女をみながら。かのじょに殺されて、死んだんだ。のうが、とけていく。CRUSH !!! BIGBANG !!!!! さようなら地球。さようなら彼女。さようなら。ガガーリン、地球が青かったけど宇宙も青かったよ。最高の最後じゃないか。さようなら、彼女が僕にお別れのキスをする。そのあたりで安藤が教科書で僕を叩いた。教室を出ていく彼女が二回瞬きをしたのを、僕は見逃さなかった。
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