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携帯デビューはソニーだけど…日本製の影は薄かった2004年
前年度は携帯電話を持たずに生活していましたが、留学を延長することになり、ついに購入することにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1725964698-vHwCMiW0Dy4JOrNufjLEIkl5.jpg)
ソニーエリクソンは、2001年に日本のソニーとスウェーデンのエリクソンの
合併会社が設立したもので、本社はロンドンにあります。
私が購入したモデルは、白黒の液晶ディスプレイで、バックライトは青。カメラ機能はなく、通話と短信(SMS)だけができるというシンプルなものでした。価格は500元で、ノキアやモトローラ、LG、サムスンなどの主要メーカーと比べて廉価で、デザインも好みでした。
日本メーカーの存在感
中国に来て驚いたのは、日本メーカーの存在感がほとんど感じられなかったことです。技術大国である日本は、携帯電話においてメールやカメラ、デザイン性で世界をリードしていると勝手に思い込んでいました。しかし、13億人の巨大市場で日本製の携帯電話はほとんど見かけず、店内に展示されているのはNECのみで、それもわずかに一種類程度。
日本の大学生活では、シャープ、富士通等、どの国産メーカーのどのモデルの携帯を持つか?が大きな関心事でした。ここではその感覚が一切通用しないとは。欧米の学生に聞くと、グローバル市場ではノキアやモトローラのシェアが圧倒的だと知り、衝撃でした。
中国の携帯電話事情
中国では携帯端末メーカーとキャリアが独立して営業しており、端末とキャリアを自分で選んで購入します。主な携帯キャリアは、中国移动(China Mobile)と中国联通(China Unicom)の2社。加えて、固定電話回線を提供する中国电信(China Telecom)もあります。私は中国联通を選びましたが、中国移动は市場シェアが圧倒的で、中国全土で広く利用されています。
SIMカードの購入
SIMカードの購入は非常に簡単でした。雑貨店や街角の飲み物スタンドでも100元ほどで手に入ります。中国では地域ごとにキャリアの管轄が異なり、異なる省に行くと通話料が割高になったり、通信が不安定になったりします。そんな時は、その土地で新しいSIMカードを購入し差し替えることで対応できました。番号は変わってしまうけど、柔軟ですごく便利なシステムです。
プリペイド方式の料金システム
料金体系はプリペイド方式で、加入費や月額基本料金は不要。チャージカード(充值卡)を購入し、携帯に番号を入力するだけで簡単に利用できます。街角やコンビニで気軽に充值卡を購入でき、使いやすさが際立っていました。通話料金は驚くほど安いので、昨年の2003年末には携帯電話の加入者数がついに固定電話を上回り、急激な普及が進んでいます。
通話とSMSの普及
中国では通話の利用が主流ですが、SMS(ショートメッセージサービス)もよく使われています。中国ではGSM(Global System for Mobile Communications)が採用されており、キャリア間でもSMSの送受信が可能です。これに対し、日本ではキャリアごとに独自のシステムがあり、キャリアが異なるとSMSが送れないという制約があります。そのため、キャリア間のメッセージングにはインターネットメールアドレスを使ったEメールが必要なのです。
メルアド交換の必要がなく、番号のみでやり取りできる中国式SMSは、日本人の私にはすごく便利に感じられます。(凝りまくったメルアドで記載ミスがあり、その後二度と連絡が取れない、みたいなハプニングが起こり辛いので。)
技術の「飛び越え現象」
中国では、固定電話の普及が進む前に携帯電話が急速に普及する「リープフロッグ現象」が起こっています。広大な国土やインフラ整備の遅れから、固定電話網が整備される前に携帯電話が急速に普及し、中国の携帯市場は世界最大規模の成長市場となり、多くのビジネスチャンスや技術革新を生んでいるのです。
今回、あまりに安価で不安になり購入に至らなかったけれど、店頭には数多くの中華系メーカーが並んでいました。
夏新、波导、天语、科健、熊猫、TCL通力、飞利浦、明基、大唐移动、大金、康佳、宇龙、中兴、金立、亿通、海尔、酷派、爱国者、台电、佳沃、鸿海…
本当に山ほどあって驚きます。
常に新しいブランドが台頭し、古いブランドが淘汰される激しい市場競争の中で、研究開発と革新が続いています。正直なところ、日本で見ている景色とはあまりにも違いすぎて…少し怖いなと感じました。
どのメーカーも永遠に勝ち続けることはできず、絶えず進歩し改善することで激しい競争の中を生き残ることができます。こんなエネルギッシュな状況に、日本メーカーがどのように参入していくのかが気になります。
2004年2月16日
補足
この文章は2004年の日記です。
2024年現在、過去の記事をそのまま転載することに不安を感じたので、事情があまりにも変わった点について補足を加えます。
現在、中国の通信環境はさらに進化し、4Gや5Gの普及に伴い、通信インフラも全国で統一されました。かつてのような国内ローミングの問題や地域ごとの通話料金の差は解消され、全国一律の料金システムが導入されています。
一方、日本においても、現在ではどの携帯キャリアを利用していてもSMSの送受信が可能となり、キャリアの壁は取り払われました。また、SIMフリー端末が普及し、市場は多様化。キャリア依存の携帯電話利用は過去のものとなり、端末と通信プランを自由に選べる時代になっています。
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