厚木へ!相模里神楽~古き新しき伝統~ を観に。
時は2023/3/5、日の出前。ついにこの日が。
俺は今日、厚木へ行く事になっている。里神楽という未知の世界を観に行く。
出発
5:30に目覚しをかけたが4:30に目覚め。折角なので5時に家を出発!なんと日帰り!
新東名で、休憩も入れておよそ4時間。厚木に到着します。
朝食に入ったレストランの隣の建物が本日の目的地、厚木文化会館でビックリ‼️ちょうど朝9時。イベントスタッフの集合時間だったようでロビーには人集りが。
スタッフや出演者どうし挨拶していたのでそっと外へ。開演は14:00なので、あと5時間ある。予定通り寄り道する。厚木の美術館へ。
飯山野良の芸術美術館
「野良の」が気になる美術館。場所も野良作業場のど真中にあり、徹底している。
この土地は相模川、中津川、小鮎川の三川が一度に合流し、それがまさに厚木市街である。その中心部から車で10分、一番南を流れる小鮎川べりの畑の中に突然この看板があった。
やってるかな?????
やってました。
HPを事前に拝見したが、郷土資料館的なところ。オープンしたばかりらしい。これらの雛は地産のものだろうか。
子供の作品だそう。心の闇が垣間見れる良作
裏手の竹林の活用の一環として凧を作ったそう
中をぐるっと回ったが、まだ2部屋ほどしか展示がなく、うち1部屋もワークショップのためのフリースペースの趣である。その他のスペースの活用もこれからっぽかった。写真からも察しがつこう。
午後に子供たちと紙芝居制作のワークショップが予定されている様だった。午前の客は俺含め4人。その時は俺だけ。
館長さんにお話を色々聞かせて頂いた。簡単に言うと「農」の力をいかに教育に入れ込むかを追求されている方だった。他にも神話、伝記、芸能…など多岐に渡る。
農のスペックを引き出すための様々なご経験と知恵、土地勘、そしてツテをお持ちのようだった。教師を経て教育委員会にいたという。
アツい方だった。
俺自身、長久手市郷土資料館によく出入りしている。また棒の手などの土地の芸能にももちろん興味がある。それとの関わり方などの参考になりそうな、刺激的で具体的な話を頂いた。
厚木は大山の白龍伝説を模した出物の写真。2枚目の手前で金ボールの付いた棒を振っているのが先ほどの館主さん。写真の感じから、20年くらい前だろう。これもコロナ禍を経て今年復活らしい。その催しの中にも、アツい芸能企画をぶち込む予定だという。
昼食 寿司屋たつみ
小鮎川沿いの寿司屋「たつみ」
カウンターは清潔重厚。ランチの天丼を注文した。「直前に大勢みえて、時間かかりますが…」と言われたがOK。まだイベントの開場まで時間がある。
品のよい、透明感のある食感。ドレッシングがそれを殺さないのが嬉しい。
本品(茶碗蒸しが後で出てくる)
寿司屋の天ぷらは最高な事が多いがここも例に漏れない。1000円。漬物も透き通っていて、やはり水が綺麗なところは基本旨い。酸味の処理も素晴らしい。
追加のサーモンラヴ
茶碗蒸し専用のお卓
満足して今日の本題へ。厚木市文化会館に戻る。
古き新しき伝統
The OLD and NEW Tradition
ここで宣言するが、俺は瑞貴タソのファンである。危うく客席でペンライトを振りそうだったが、厚木市長の視界に入る席だったのでギリ遠慮した。
会主の垣澤瑞貴さんにお会いしたのは2年前の「長寿の会」リハーサルでだが、それより以前にTwitterをフォローしていた。「伝統芸能を広めたい」という俺の願いをはるか先行く人だったからだ。
観終わった感想、全部良かった。
演出も良かった、構成も良かった、瑞貴さんも良かった、出演者の、会主に対する気持ちが伝わってきた。
そして客が良かった。隙あらば拍手したいという気持ちが皆から伝わってきて、こんな暖かい客を見た事がない。「優しさは全てを凌駕する」この舞台はそれだった。
細かい事を書き出すとキリがないので、このステージの目的と位置付けからまずは褒める。
彼女の目標はとても明瞭だった。現代の里神楽をみんなで考えること。「考える」こと。それをフィナーレの場でキチッと宣言した。今後とも皆さんの力が要る、と。この舞台は「観る側に良い素材を提供する事」と宣言することを恐れていなかった。また彼女は、舞台上で懇切丁寧に説明することを全く怖れなかった。フォワードの突破力の成せる技である。垣瑞半端ないって!
スティーブ・ジョブズはプレゼンを芸術に持ち上げたが、垣澤瑞貴さんは芸能をプレゼンに持ち上げた。素晴らしい成果だ。
何?芸能は全部プレゼンだつて?
まさか。プレゼンは現場報告とは違う。
しかし俺は舞台に立つ側として、良い点だけで終わってはいけない。客に伝えるべきこともまた考えなければいけない。
まず、舞台を創り、継続するには人的リソースが必要だと観ていて感じた。センターに立てる人間が会主のみという状況は、いずれ限界が来るだろう。それには、彼女に追随する人が同種目にもう2〜3人いなければと思う。他にプレゼンに目覚めた里神楽師はいるだろうか(どこかにはいるだろうけど…)。しかし短時間では困難な為、近い種目の人のヘルプが必要な状況だ。里神楽は日本舞踊より人口が何倍も少ない。餅は餅屋、里神楽は里神楽師である。彼女は新しい事に多く挑戦して、また成功していたが、その諺にアンチテーゼを提示している訳ではない。
これらは、舞台人の反省ではない。客が知り、考える必要がある事柄である。上記のどの切り口からでも、客は支援できるからだ。
舞台人は客に支えてもらっているが、客は舞台人に救われているからだ。求めるならば支援が必要、という意識は客席に必要である。この公演ではもはや言うまでもないだろうが、日常の中で感じることはある。
今日の体験は、どれも厚木に直接足を運ばないと得られない話ばかり。
本当に楽しい一日だった‼️農、教、食、芸‼️
帰りの新東名は厚木〜掛川が豪雨だった。
11:30帰宅、意外とまだ元気。
★雑感★
俺は理系だから今ここでこうして芸能をやってるのには、どんな社会的、科学的な経緯があるのか。そこから紐解いてみたいなと思った。土の炭素含有率からも芸能について考えることはできるのだ。