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ウズ作家インタビュー 第1回

中国から2019年に本格的に日本に上陸した『マーダーミステリー(以下、マダミス)』。
上陸当初は、『殺人事件が起こり、プレイヤーはその場に居合わせた登場人物になり切って、登場人物の中に紛れている犯人を探す』という、人狼ゲームにストーリー性が加わったコミュニケーションゲームと定義されていた。
謎解き要素、登場人物を演じる事の楽しさ、高いストーリー性等、その魅力は多岐に渡り、マダミスが普及するにつれて定義も変わって来ている。
深化と多様性を模索中のマダミス。
その変革期だからこそ、今活躍している作家がどのような考えで作品作りに取り組んでいるか、残したくなったのが本インタビューのきっかけである。
ここは歴史の真ん中だ。

マダミスの普及において、マーダーミステリー専用アプリ『ウズ』の存在は欠かせないと筆者は考える。
アプリが進行役を担い、いつでもどこでも全国のプレイヤーとGMレスのシナリオを楽しめる―――その手軽さはプレイヤーはもちろん、シナリオ作成のハードルも大幅に下げ、多種多様なシナリオが日々生まれている。
その中でも著名な作家3名に、それぞれテーマの違うインタビューをおこなった。
インタビューは単独でおこなったにも関わらず、共通の話題が自然に出て来る等、興味深いものとなった。
                           取材/星アッシュ

「マダミスの新参者が偉そうに、と思われるかもしれませんが…」

と謙遜しつつ、お話をさせて下さった黄鱗きいろさん(以下、黄鱗さん)。
『ウズ』編集部と推理作家陣がタッグを組むレーベル『Postknox(ポストノックス)』の公式作家として<Who Loved REDRUM?>をリリースしている。また、誰でも簡単にマダミスが作れる『ウズスタジオ』より、個人で<うちの信者は犯ってません!>をリリース。公式作家という立場ながら、筆者のインタビュー打診を快く引き受けて下さった。

「ウズのランキングを有料・無料に分けて欲しい」

――本日はありがとうございます。本業は小説家でいらっしゃると存じておりますが、マダミスを知ったきっかけや、ウズで作品をリリースするきっかけは何だったのでしょう?

私はクリエイター系の学校で小説を学んだのですが、先生から「マダミスが来るぞ」と教えて貰いました。マダミスについてはアンテナを張っていたのですが、『ウズ』さんの方から声をかけて頂き、<Who Loced REDRUM?>を製作する事になりました。

――遊ばせて頂きました。個人的にマダミスに求めている物が揃っており、キャラも濃く、とても面白かったです!

プレイ頂きありがとうございます。ただ、一度ランキングから外れてしまうと、もう卓が立たないんですよね。

――確かに、要望募集企画(注:取材者が『ウズ』のディスコードサーバーでおこなった、運営への要望を募集した企画。2023年3月21日開催。)でも「いかにランキングに入るか」を大事にしている作家さんからの意見が多く、個人的には意外でした。自身はランキングにこだわりがあまり無いので…。その中でも黄鱗さんのご意見を深掘りしたかったのは、「有料・無料の分け方だけでいいのか?」という疑問が沸いたからです。現在の『ウズ』では、有料化の基準が作家側にあります。あけすけな言い方をすれば、公式作家である黄鱗さんのシナリオと、非公式作家のシナリオが同列にあるため、”有料シナリオ”というランキングでひとくくりにしてもよいものか、ご意見を伺いたいというのがお声かけのきっかけでした。

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