【オト書き】迷える羊(米津玄師)
オト書きはシングルやアルバムなどの曲を聴いた感想。
音楽の専門知識はなく、表面の部分が多いですが、少しでも共感する部分などあれば良いなと思います。
迷える羊
米津玄師さんの3年ぶりのアルバム「STRAY SHEEP」が8/5にリリースされました。
STRAY SHEEP、意味は「迷える羊」。
誰もが悩みながら生きる、そして2020年はいつも以上に世界の混沌色が強い。
彼はそんな中でどのような音楽を大衆に見せてくれるのだろうか聴いてみようではないか。
「STRAY SHEEP」の感想
01 カムパネルラ
宮沢賢治さんといえばの有名な作品「銀河鉄道の夜」、この曲のタイトルは主人公・ジョバンニの同級生で親友・カムパネルラの事を指している。
大正時代にできたとは思えないぐらいオシャレで独特な世界観ですが、物語はキラキラした旅ではなくとても切ない。
歌詞からは作品を想像できますし、時を刻むかのようなリズムが作品にすごく合っている。
心の中の傷すらも受け入れて生きていきたい、クリスタルの輝きのように。
02 Flamingo
「幸運の鳥フラミンゴ」、それが米津さんの場合は曲からも分かり、男性の彼女がフラフラフラミンゴしているという内容で幸運の鳥とは違う。
フラフラフラミンゴが何かというのは察してくださいw
そんな歌詞とは違い、曲の入りからサビまでの面白いリズムが耳に残ります。
ポップソングではあるが、このアルバムにおいて演歌感が一番強いなと感じた。
03 感電
警視庁機動捜査隊のドラマの主題歌、米津玄師版「犬のおまわりさん」。
W主演のドラマとの事で2個1が歌詞からも強調されていて、曲も含めとてもカッコいい、これに尽きます!
私的には「稲妻の様に生きていたいだけ お前はどうしたい? 返事はいらない」の歌詞が気に入ってます。
04 PLACEBO
君の笑顔は他の人にとってはただの笑顔かもしれないが、「恋」となっている自分にはプラシーボ効果かのように効果絶大!
オシャレさもありながらも、幻想的なメロディでコラボしている感情の表現を曲にするのが上手なRADWIMPS・野田洋次郎さんの歌声と合っている。
05 パプリカ
自然が豊かさ表現しているかのようなメロディが美しく、田舎のような懐かしさを感じます。
そう思うのも和楽器も使われていたり、聞けば聞く程演歌に近いようなテイストを感じたからであろう。
壮大なような曲かと思いきや、日本の文化に寄り添ったかのような身近さもあるなと思った。
06 馬と鹿
歌詞を読むと、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」での選手たちの思いもありながらも、ラグビーの日本代表にも当てはまる曲でもあるなと感じた。
人は馬鹿と呼ぶかもしれないが、体験したものにしか分からない、辛さ、挫折がありながらも自分が好きなことに対して前に進む姿はまさに「愛」なのだと。
ゆっくりと歩みを進め、そこからの一面が光ったかのような圧巻のサビ、曲で歌われている選手たちの魂、思いが心に響き胸が熱くなる。
サビへ入る瞬間にギュンとくる感じがたまらん。
「呼べよ 花の名前をただ一つだけ」、昨年日本で行われたラグビーW杯を見ていれば何かは分かる。
07 優しい人
「あの子は優しい、そう思えるあなたこそ優しい心を持っているんだよ」と言われているかのようであった。
いじめられている子を見ていることしかできない自分を叱ってくれ思う気持ちに関しては分かるなと思った。
止めに入ったら自分に牙が向くのではないかという恐怖…
そんなもどかしさもうまく表現されている。
歌詞は聴く人によっては重くも感じるが、米津さんの優しい歌声に温かさ、心地よさを感じます。
08 Lemon
レモンの花言葉=誠実な愛
大切な人を亡くた悲しみ、その悲しみがあるのはあなたの事を愛していたから。
「弔い」ではあるが、曲はポップな感じであるからこそ光を感じれる。
曲中で「ウェッ」と不思議な音が聞こえるが、目障りどころかいいアクセントになっていて、これも耳に残る曲の1つの要素でもあると思った。
09 まちがいさがし
あなたを想う気持ちを探る姿はまちがいさがしのようで、正解の方だったらあなたとは出会えてなかった、真っ直ぐな気持ちが出たラブソング。
ピアノ調の菅田将暉Verとクラップの効いた米津さんVerでは全く別物になるのだなと思った。
自然の中で歌っているかのような曲のリズムからも幻想的に感じます。
10 ひまわり
ひまわりの花言葉を調べると、色によって違うらしく、この曲の場合は歌詞からも、「悲哀」と「憧れ」。
そんな思いをロックに乗せ攻撃的に歌う姿が印象的です。
曲を聴いていて思ったのだが、雰囲気がハチ名義で出している「砂の惑星」にも近い気がする。
11 迷える羊
闇がある中でも光に向かう姿が描かれた曲であり、「STRAY SHEEP」の言葉の意味が詰まった曲でもある。
光、混沌の中でも生きていこうというオシャレな応援歌のようだ。
12 Décolleté
デコルテ、意味を見てみるとフランス語らしく、曲調もヨーロッパで流れてそうなタンゴの様でオシャレさを感じます。
13 TEENAGE RIOT
10代の情動、若き頃の葛藤からの、自分の道を信じ進み、革命を起こすかのように駆け抜けていく疾走感がとてもカッコいい!
14 海の幽霊
「海獣の子供」、圧倒的な映像美、「見るのではなく感じる」を体現した作品の主題歌。
唐突に始まる歌い出しから衝撃的で、幻想的な海の中が頭に浮かんでくるような壮大な世界観、曲も作品と同様に「聴くのではなく感じる」を体現していると思う。
孤独や寂しさを感じさせるような歌詞と歌声から、美しくもありながらも力強さを感じるサビまでの流れが素晴らしい。
そんな芸術品のように感じる曲、導かれたかのように聴き入ってしまうので、このアルバムの中で1番好きな曲です。
15 カナリア
「いいよ あなただから いいよ」と何もなくてもあなたがいてくれることが全てなのだと、とても深い「愛」を感じましたので、アルバムの最後に相応しいピアノバラード。
全てを包み込むかのような暖かさがあり、美しい歌声が心に響いてきます。
この曲に関する思いは米津さんのインタビュー記事が書かれたサイト等を見る事をオススメします。
人の感情や思いであったりの表現がとても深く、人間として生きているありがたさを感じれるアルバムだったなと思います。
米津玄師版「愛とはなんぞや?」という答えのないものに対しての物語を聴いているかのようであった。
コラボというところでは、言葉にする事は難しい感情を表現するのが上手いRADWIMPSの野田洋次郎さんということで個人的には嬉しいコラボではありました。
米津さんは11曲目「迷える羊」の様に混沌の世界でも光を見せてくれる存在、だから大衆は導かれるのだと思いました。
こちらこそ素敵な曲を作ってくれてありがとうです。