続 Lemonade〜サービスの詳細とAIの活用編〜
上記の投稿に続き、もう少しLemonadeのことを調べてみた。
<サービスの特色>
◯商品
家具・家電などの家財保険を取り扱っている。
◯保険料
自宅保有者向けの保険料 月25米ドル〜
賃貸人向け保険料 月5米ドル〜
*平均掛け金(賃貸)は月5.7ドル(米保険大手4社の平均17.8ドル)
◯保険料の使い方
25% Lemonadeの運営費(*)
35% 再保険の手配と自家再保険
40% Givebackプール(チャリティー)
*効率化や自動化に焦点を当てた独自のバックオフィス・システムを構築しており、平均的な大手保険会社に比べ、事業費を 90%以上削減することを目標としている。
◯加入者数
2016年 96人
2018年 250,000人
◯手続きのスピード
加入手続きは 90 秒、保険金支払は 3 分で完了するらしい
*保険金支払に関しては、請求から支払までわずか 3 秒で完了したというウワサもある。
◯エリア
2015年〜 全米27州でのサービス展開。
2019年〜 ドイツ
◯支払い
保険金支払は最新技術を使い、損害内容をチャットボットで入力、事情を説明する動画をアップロードすることにより、最短3分で支払の確定ができる特色は魅力的です。支払いが承認されなかった場合、人が介在する専門チームに回され、そこで保険金支払の可否につき改めて検討される。保険金支払がプールからの拠出で足りなくなる場合に備えて再保険を手配している。
◯AIの活用
契約から保険金の支払いまでの手続きはWEBもしくはアプリのみで完結する仕組みになっており、加入手続きはチャットボットの質問に対しYesやNoで答え保険料が算定される。クレーム処理や保険金の手続きもチャットボットが対応し保険代理人が自宅まで来て被害状況を検分することもない。その他、AIはリスク分析や保険プランの内容や価格設定にも用いられており徹底したコストダウンを実現させている。また、虚偽判定や保険金詐欺を阻止する試みとしてAIには18種類のアルゴリズムを導入している。
商品も複雑な保険商品ではなくわかりやすいシンプルな火災保険や盗難など家具・電気製品の損害保険を提供している。仕組みがわかりやすいため初めて保険に入る若年層に圧倒的に支持をされ、顧客のうち初めて保険を購入した人の割合は27.6%を占めている。
◯まとめ
AIの活用がここまで進んでいるのは、ちょっと驚きだった。しかし、やはり損保の「実損填補」という考え方があってこそのものだと感じている。生命保険では、現時点ではここまでの自動化&スピード感は難しいのではないかと思う。しかし、やはり大きな時代の流れとしては、AIやチャットボットによる自動化&低価格化、商品設計のシンプル化、そして契約や支払いの時間の短縮化、という方向へ向かうことは間違いなさそうだ。