西野亮廣 エンタメ研究所にみるLemonadeの生き残り戦略
今や誰もが知っている日本最大級のオンラインサロン「西野亮廣
エンタメ研究所」のキンコン西野さんが、先日のVoicyで面白いことを言っていた。
現在では6万7000人の会員をかかえる西野さんのオンラインサロンだが、このコロナ禍の中2ヶ月で2万人の会員が増えたそうだ。その理由を上記Voicyの中で話しているのだが、簡単にいうと
会員を増やすことよりも、現会員を大切にすることに注力した
とのこと。なるほど。。
実際に、今回の熊本・鹿児島地区を襲った豪雨災害についてもすぐにクラウドファウンディングを立ち上げ、あっという間に約600万円もの支援をかき集めた。ひとり500円の支援金で約11,000人から賛同を得たのだ。そしてそのお金でケルヒャーを被災地へ贈ったり、被災した商店の商品を買取り、その商品(例.長靴など)をまた被災地へおくったりした。
◯アウトプットのコンテンツ化
シンプルに考えて、すごいパワーだなと思った。数はチカラ。何かひとつでも同じ興味や関心をもった人間が集まり、集団で何かを成す時、すごいチカラを発揮する。この集団心理は、集団のアウトプットがコンテンツ化することにより、より求心力が高まっていく。その集団への所属によるプライドが、自己肯定感につながる。簡単にいうと、その集団に所属している自分が気持ちいいのだ。テレビやラジオ、SNSで話題になればなるほど、自分が認められ、讃えられた気持ちになるのだ。そのコンテンツに大義があれば、なおさらである。
◯人はコンテンツを作りたい
西野さんが以下のように言った。
「あらゆるサービスは、『プロが作った料理をお客さんにお出しするレストラン型』から『お客さんが食べるものをお客さんと一緒につくるBBQ型』になる」
「サクラダファミリア見にいきました!」よりも、
「サクラダファミリア作ってきました!」の方が、たくさん いいね!を貰える。
つまり、お客さんが参加できる余白の設計度合いこそが、BBQ型サービスの強みであり、人間の本質的な欲求であるコンテンツ制作欲求を満たすものなのだ。
◯Lemonadeへの示唆
米P2P保険のLemonadeは、余剰保険料を契約者が選択したチャリティ団体へ寄付するというサービスを行なっている。詳細は以下の投稿を確認して欲しい。
すでに、これだけでも面白い戦略であるが、このままでは他社に模倣されるのも時間の問題だ。そして、何か物足りない。ここにひと工夫。
そう、BBQ型である。
保険料を払いながらも、チャリティ団体へ自ら参加するのだ。もしくは、自らチャリティ団体を作ってしまう。保険料の余剰金をつかって、豪雨被災した地域にケルヒャーを送るのだ。
もっと言えば、その保険グループの中で被災した人がいれば、その人のために余剰金を使う。これこそ、相互扶助という保険の機能である。病気の時や死亡時だけでなく、他のチャリティへ寄付するくらいなら、同じ保険グループの誰かにお金を使うのもありだろう。
そして、この活動をメディアは、こぞって報道し、SNSではいいね!がつきまくる。そして加入者の、この保険グループへのロイヤリティはさらに高まり、継続率は高止まりするだろう。
ただ、保険に加入していることを忘れそうだ。。