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ドコモ「優良誤認の恐れ」とau、ソフトバンクをさらにけん制

以前のnoteでも紹介した通り、NTTドコモがau、ソフトバンクの『なんちゃって5G』を非難している。

そして、8月25日、再度以下のようにコメントし、けん制した。
「周波数の幅は変わらないため速度は4Gと同様であるほか、既存4Gユーザーの通信速度が低下する可能性がある」

○なぜそんな事するの?
 4Gの周波数帯を5Gに転用することで4Gの基地局設備が使え、5Gの対応エリアを早期に大幅拡充するというのが、auとソフトバンクの戦略だ。しかし、エリアは拡大するものの、5Gの特徴である高速通信や低遅延などのメリットが享受できないので意味がないとドコモが主張しているわけだ。

○ドコモはなぜ非難してるの?
 一言で言えば、「ドコモの5G設備の整備が、他2社に比べて先行している」からだろう。ドコモは、既に20年6月末、全都道府県に1局以上の5G基地局を整備したほか、21年3月末に全政令指定都市を含む500都市に広げ、同年6月末には1万局、22年3月末には2万局を整備する予定だ。10キロメートル四方のメッシュ単位で、5G基地局が存在するメッシュ数を数える「基盤展開率」については、23年度中に97%を実現するとのこと。

このため、auとソフトバンクは先行するドコモを何とかとらえようと計画しているのが、「4G周波数の5G転用」だ。

◯エリアマップなんて誰がみるの?
「5Gスマホを買って5Gエリアに入っても体感速度が向上せず、優良誤認になる恐れがある。消費者向けに公開しているエリアマップにおいて、5G向けの周波数帯によるサービスエリアと4Gから転用した周波数帯のサービスエリアを塗り分け、周知すべきだ」とドコモ陣営は主張する。

 スマホを使っていて、今は5Gのエリアか?それともなんちゃって5Gのエリアか?を、いちいちエリアマップを見ている人なんていないでしょ⁉︎と僕は思ってしまう。よっぽどの通信キャリアマニアでもない限り、そこまでして調べないと思う。ということは、やっぱり優良誤認が巷にあふれる可能性大だ。『5Gも大したことないね』の出来上がりである。

○ドコモの対応
 では、ドコモは4G周波数帯の5Gへの転用をしないのか?彼らの方針は、「5Gのスタンドアロン(SA)サービスを展開する21年度以降、4Gから5Gへの移行により空いた4G周波数帯の空き状況を見ながら順次実施していく」と表明している。上記の『SAサービス』は5G専用の基地局で行い、5Gの特徴を確実に提供できる。そして、みんなが5Gへ乗換え、既存の4G基地局が空いてきたら、転用も順次行うという事だ。

auやソフトバンクが、このドコモのけん制にどう切り返すのか?注目したい。

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