詠みにくいテーマについて ~はしぼう歌会(10月~11月)ふりかえり~
あさげです。
歌会のふりかえりをしていきましょう。
『未練とかじゃなく』(お題【後】)
初めてをあげるときみが言ったとき最後をくれと頼んでおけば
後ろからする日は競技 ルールとかは無いけど一度も勝てなかったな
後悔っていうか、やり足りないだけだ 脳がバグるまで言い聞かせるよ
『平和の国で冬を迎える』(お題【家】)
ええ、まさにアットホームな職場です ママ アニキ 犬 床下の蟻
山岡家のサービス券で食う餃子だけが〝約束された幸福〟
僕たちも100万のうち1ドルの窓灯り 夜は平等主義者
直近の二回は、自分にとって難易度の高いテーマにあえて挑んでいく機会になりました。
『未練…』は性愛、『平和の…』は貧困ですね。
昔から文学作品の題材になっているような、そういう意味で〝文学的〟なテーマを扱うことは、アマチュアの作り手にとって常に難しさを伴うことではないかと思います。
実際に取り組んでみて感じたのは、自然体で詠むことのむずかしさ。
『未練…』は順位としては同率1位になりましたが、仮装された「軽薄な若者らしさ」が言葉の密度を奪っているし、2位に落ちた『平和の…』はただ短歌主体の現在地を説明しているだけで、詩情が溢れてこない。
自分が得意な詠み方を考えていくと、やっぱりこういう〝舞台台詞〟的なユーモアを狙うよりも、実生活の一瞬を切り取る写実的なスタイルの方が良さが出るのかなーという気がします。
あと、短歌を詠んでいると、無理に「いい人」を演じてしまうクセがあるような気がしていて、その辺も打開したいポイントですね。究極言うと、「いい人・わるい人」という価値基準で測れない、どうしようもなく抗い難い〝人間らしさ〟を描けるようになるのが目標なのですが。
とりあえずは、1つでも順位を上げられるように精進します。
次回も実りある歌会になりますように。