【執筆活動報告】とあるアマチュア作家の自作品小説まとめ
阿瀬ままれと申します。
僕が書いた小説をnoteの記事にもまとめてみようかなあと思い、投稿してみました。
noteですので、作品ごとに今振り返っての感想を綴っていけたらなあとも思います。
拙い作品ばかりではありますが、僕なりに誠意を持って書いたつもりですので、よろしくお願いします。
1.Walk Hand in Hand
https://ncode.syosetu.com/n5734cp/
ジャンル:ハイファンタジー
文字数:約55万字
あらすじ:
十五年前、戦争に巻き込まれて故郷と母を失った主人公ラースは、流れ着いた街で住人達の世話を焼きながら宿屋の仕事をする日々を送っていました。
ある日のこと、ラースは街の宿屋にて、独特な雰囲気を漂わせた剣士と出会います。その後、街で騒動が起こったときに剣士が加勢に来てくれますが、その剣士は人を容赦なく斬り伏せる冷酷な心の持ち主でした。
人殺しを躊躇わない剣士を見て、剣は人を殺すためだけの道具に過ぎないのか、人を殺さずして守れないものとは何なのか、これまで深く考えずに剣を振っていたラースは悩むことになります。そして、立ち止まって考えに耽っていても答えは見出せないという思いが、ラースを世界への旅に駆り立てます。
旅の中で救いようのない悪と対峙したとき、ラースはどのように考え、どのように答えを導き出すのか。人殺しについて考える冒険ファンタジーです。
*
高校生の頃から書き始め、マイペースながら10年ほどかけて書き上げたやつ。
正直言って出来が悪い。昔ながらのファイナルファンタジー作品を意識して、自分の過ちを自覚し、葛藤し、更生するという話の流れを組み立てたかったが、半ば強引な展開にできあがってしまった。
意気込んで中盤までに結構な量の伏線を張り巡らせたものの、実力不足のせいで伏線回収がいまいちにもなってしまった。
読み返すたびに、「耳をすませば」の主人公みたいに「書きたいことがまとまってません! 後半なんてめちゃくちゃ! 自分でもわかってるんです!」と身悶えてしまう。
それでいて、当時若かった自分は誰彼構わず「絶対に面白くなるから読んで!」と言いまわっていたので、非常にたちが悪い。
しかしながら、登場人物同士の掛け合いだったり、戦闘シーンの描写だったり、所々に今読み返しても良いなと思える部分があったりする。
この小説は「悪人は死んでも構わないのか?」というテーマが根幹にあったが、長年悩まされたそのテーマに対する答えを、終盤ではちゃんと形にできたと満足している。
何より、怠けがちではあったが、長年書き続けたものを形にできたというだけでも、個人的にかなり思い入れのある作品。
出来は悪いが、間違いなく自分の糧になった青春の小説である。
2.画面の向こう側
https://ncode.syosetu.com/n3019hq/
ジャンル:ローファンタジー
文字数:約2万字
あらすじ:
この世界には、白の世界と黒の世界、二つの世界がありました。白の世界には人間達が、黒の世界には魔物達が暮らしていました。
白の世界を統治しているのは、ホワイト王国のお姫様。黒の世界を統治しているのが、ブラック王国の魔王様。
お姫様は能天気……いや、平和主義者で特に他人を襲うことはしないのですが、魔王の方は曲者で、独裁主義者の彼はよくホワイト王国に侵攻しては、お姫様をさらってしまいます。
そんな時に、毎回現れてくれるのが、伝説の勇者様。勇者にのみ与えられる赤い布地の服を身にまとい、伝説の剣エクスカリバーを片手に、魔王を退治してくれます。
そしてお姫様を救出し、このお話はめでたくハッピーエンド。
……というのは、あくまでゲームの表向きの話。
プレイヤーが見ていない画面の向こう側では、主人公も悪役も関係なく平和に過ごしているのです。
このお話は、そんなゲームの裏側の世界に触れていきます。
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前項の「Walk Hand in Hand」を執筆している間に、こういう小説書きたいなあと思い、完結後に形にしてみた小説その1。
「Walk Hand in Hand」は全体的に暗い展開が多かったので、それを書き終えたあとの毒抜きがてら書いたもの。
キャラクター設定はスーパーマリオのオマージュだし、ストーリーもゆるい内容に終始しているし、この作品だけはこれといったこだわりがない。
フェチみたいなものを書きたいように書いただけなので、完結までに3日しかかかっていない。
なので、個人的に評価するようなものでもない印象。一つだけ言うなら、魔王のキャラクター像は気に入っている。元のクッパさまがかっこいいだけ。
3.黒猫ニャン太郎
https://ncode.syosetu.com/n6220je/
ジャンル:恋愛・ローファンタジー
文字数:約8万字
あらすじ:
東町の野良猫達を占めるボス猫のクロは、しばらく餌にありつけず、空腹になりながら住宅街を徘徊していました。
そんな中、クロは高校生の一樹と出会い、おにぎりを食べさせてもらって飢えを凌ぐことができます。恩を感じたクロは、一樹に恩返しをするために、一樹の飼い猫になる決心をします。
飼い猫のニャン太郎として一樹について行ってみると、学校でクラスメートにいじめられていたり、女の子に片想いをしていたりと、何だか問題だらけなようで。そんな一樹を幸せにすべく、ニャン太郎が猫なりに奮闘します。
果たしてニャン太郎は一樹に恩返しをすることができるのでしょうか?
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前項の「Walk Hand in Hand」を執筆している間に、こういう小説書きたいなあと思い、完結後に形にしてみた小説その2。
また、文学賞で初めて選考通過(二次までだが)した思い入れのある作品でもある。
「Walk Hand in Hand」で暗い話ばかり書いていた反動で、ゆるいストーリーを気の向くままに書いたという点は「画面の向こう側」と一緒。
なので、実はこの小説にプロットが存在しない。
特に捻りが必要なストーリーでもなかったので問題はないと考えている。
ニャン太郎のモデルはBUMP OF CHICKENの「ガラスのブルース」に登場する猫。
僕の思うかっこいいやつを書くことができたので、キャラクター像は満足。
一樹たちも僕の思う良いやつらで固めたので、今まで書いたキャラクターの中でも結構気に入っている寄り。
ほかだと、ラストシーンの締め括りかたもかなりのお気に入り。
ニャン太郎を引き立てようとするあまり、ほかのキャラクターたちの言動を普遍的にした結果、ストーリー自体がかなりベタになってしまった点はいまいちだったと思っている。
正直、これだけベタな内容で二次選考まで通るのかと自分でもびっくりしているほどにはベタ。
また、西町のボス野良猫シロがなぜクロを好きになったのかという経緯を書けていないのも残念ポイント。
読み手に納得させうるだけの深堀りができていれば良かったと思うが、当時の自分にはどこにそのエピソードを組み込めばいいかが思いつかなかった。
ちょっとシリアスなシーンもあるが、全体的にコミカルな内容にまとめられたので、わりと人にも紹介しやすいライトな付き合いができる作品。
4.僕は妹を捜しに行きます
https://novel18.syosetu.com/n3008ih/
ジャンル:青春・シリアス
文字数:約2万字
あらすじ:
僕は、未成年の女を三人殺しました。そのほか、実の妹を強姦し、心を壊して自殺に追いやったとされています。
裁判では、僕を死刑にするか否かで、今も審議が行われています。ですが、僕は死刑を受けようと、世間からどんなに非難されようと、もはやどうでもいいのです。腐りきった世の中から何と言われようと知ったことではないのです。
ただただ、妹が不憫でなりません。
僕の犯行が世間に知れ渡り、裁判で詳細が公になってもなお、妹の無念は闇に葬られたままでした。妹が受けた仕打ちについて知る者は多くとも、それを打ち明けようとする者はこの世で僕しかいないでしょう。
利己心しかない連中にいいように振り回された妹を、僕は守り抜くことができなかった。これから書く手記は、見殺しにしてしまった妹に対する贖罪でもあります。
妹の無念がたった一人にでも届いてくれたら、虫けらのように扱われた妹の魂も少しは浮かばれるかもしれません。それで妹に笑顔が戻ってくれたなら、これ以上の喜びはありません。
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「画面の向こう側」「黒猫ニャン太郎」と執筆している中で、「ただ自分の楽しい世界を作るだけでいいのかな? 現実的に物事を見据えていってもいいんじゃないかな?」という考えが芽生え、自分の経験に基づいた世間の不条理を怒りとともに書き殴った作品。
あらすじを読んだらわかるとおり、殺人や近親相姦のシーンがあるので閲覧注意。もちろんR18。
作品を書いた意図については、リンク先の後書きにおおよそつづったので、ここでは省略する。
今では友人の助言もあり、他人の心の弱さなどに対し、自戒しつつ受け入れるようになったので、作中の主人公ほど怒り狂ってはいない。
何なら主人公の決断や物事の捉えかたは間違っていたと断言できる。
とはいえ、どれだけ考えが間違っていたとしても、形にできれば小説の出来としては十分なものなので、そういう意味ではおおむね満足している。
作中に入れた近親相姦のシーンは、正直いじめのテーマに無関係ではあるが、「目先の印象で物事を語るな」「本当にそれが否定されるべきものなのかと、一度立ち止まって考えてから否定しろ」という考えのもと組み込んだ。
大谷翔平の二刀流とか、ニューハーフとか、ユーチューバーとかを世間が最初に否定したことに対してのメッセージ。
共感を思いのほか得られているのか、自作品の中では「黒猫ニャン太郎」を差し置いて一番反応が多い。正直微妙な気持ち。
いじめがテーマに含まれるので、文学賞への投函は罪悪感が芽生えるので考えていない。
5.魔女アグラオニケの気ままな魔法
https://ncode.syosetu.com/n3394iv/
ジャンル:恋愛・ローファンタジー
文字数:約8万字
あらすじ:
魔女として生を享けたアグラオニケは、神命に従い、人々の安寧と発展のために魔法を使い続けました。しかし、ある日人間たちから魔女狩りを受けたのをきっかけに、人目を避けて生きるようになりました。
時は紀元後二十一世紀。場所は日本。アグラオニケは都会で働くキャリアウーマン荒尾仁希(あらおにけ)として、魔女の素性を隠し、密かに細やかな幸せを人々に贈るために、今日も魔法を振る舞い続けます。
そんな彼女の、時に愉快で、時に恐ろしく、時に悲しく、時に幸せな日々を綴ります。
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数か月ほどのスランプを経て、文学賞を意識して書き上げた小説。
書き上げたはいいものの、目星をつけていた文学賞の文字数下限に届いていなかったので、結局投函できずじまいに終わっている。
内容については、正直「黒猫ニャン太郎」と似ているところがある。つまりこちらもベタ寄りである。
異なる点を挙げると、本作では二回ほど叙述トリックを意識的に組み込んでみている。
叙述トリックの出来がどれほどのものか、人様からまだ感想を頂けていないので、まだ判断できずにいる。
ハリーポッターと比べてだが、本作は魔女が主人公ではあるものの、向こうほど日常的な魔法の描写があまりない。
なので、読んでいていまいちわくわくしないというか、個人的に物足りなさを感じる。
ほかにも、「アグラオニケは魅力的に描けたかな?」「シリアスシーンは読み手に納得させられる出来だったかな?」と疑心暗鬼が止まらない。
自信がないから文学賞に投函する気が失せているが、評価してもらう意味で投函するぶんにはいいかもしれない。
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作品の紹介は以上です。
ほかにも小説を書き上げたら、本記事にも都度更新していきます。
では、ここまでお読みくださりありがとうございました。
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