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『鳴潮』リナシータ雑記

明けまして、おめでとうございます。
本年度もどうぞ、よろしくお願いいたします。

鳴潮のVer.2.0のアップデートが三が日に直撃しました。
今回、私にしては珍しく正月ということもあり時間も余っていることですから、当該シナリオを楽しく読ませていただきました。
しかしそれにしても、新実装のホロ強いですね。
いまのところ、歯が立ちません。クリア見込みなしです。

それはさておき、早速ゲームの話になるのですが、
新大陸の名は「リナシータ」というそうです。
位置的には今州瑝瓏の東南、黒海岸の東にあたるのでしょうか。
スタート地点である瑝瓏という国は「一庭六州」と謳われていましたから、個人的にはその範囲内で話がすすむのだろうかと想像していましたのですが、私が思っていたより鳴潮の世界――ソラリスはとても大きいようです。

以前の関連記事にて「歳首鳴式は六体しか存在しない」論調で書きましたが、今回のアップデートでその範囲外も存在するのはほぼ確定的です。
示されてみれば明らかに、神やそれに付随する信仰宗教は国々によって様々でありますのは自明、一概念だけでは無論広がりに欠けますし、企業が展開する世界観が閉鎖的であるはずがないということは、少し想像すればわかろうものですが恥ずかしながら、想到しないものでした。

さて、リナシータの雑感です。
私はあまり西洋史に詳しくなく、半可通以下な知識で恐縮ですから、
今回はあえて考察ではなく、雑感としました。以下、個人的な取っ掛かりを覚えたワードから、お話していこうと思います。

今シナリオに「月桂冠」という言葉が出てきました。
勿論これは、伏見の酒のことではありません。
リナシータ国(島?)内で行われるお祭りにおいて、優秀な成績を残した者におくられる栄誉ある称号、といった風な語りであったと記憶しています。
因みに、中国の書「山海経」には、"呉剛伐桂"という月桂樹に関する逸話がありますが、今回のシナリオにはあまり関連するところがないように思えました。ですので、今回のシナリオはやはり、瑝瓏のことではないのでしょう。

ほぼ自明のことでしょうが、リナシータはイタリアがモチーフになっていると思われます。
ご飯が美味しく、酒がよく飲まれ、お祭り好き。
なにより、リナシータの語源はもとより、仮面舞踏会の起源は、ベネチアです。水都といっても過言ではないリナシータは、イタリアないしベネチアからインスピレーションを得ていることは疑う余地がありません。

さて、その月桂冠について少し調べてみると、面白いことがわかりました。
「古代ギリシアにはピューティア大祭というものが嘗てあり、その祭りにおける優秀者に月桂冠が授けられる。月桂冠は、詩歌や音楽などの芸能・芸術の神として名高い"アポロン"を讃えるものである」

アポロンについて、wikipediaの文章を以下にそのまま引用します。


詩歌や音楽などの芸能・芸術の神として名高いが、羊飼いの守護神にして光明の神でもあり、イーリアスにおいてはギリシア兵を次々と倒した「遠矢の神」であり、疫病の矢を放ち男を頓死させる神であるとともに病を払う治療神でもあり、神託を授ける予言の神としての側面も持つなど、付与された性格は多岐に亘る。


また、あわせてピューティア大祭についての記述も引用します。


ピューティア大祭は古代ギリシアの大祭で、デルポイの聖地に全ギリシアから市民が訪れて開催されたアポローン神の祭儀である。大祭は8年に一度開催される音楽競技を奉納していたが、後に隣接し、重税を課す都市クリッサとの戦争に勝利してからは体育競技を加え4年に一度の大祭に変更される。アポローンを称えるために、芸術分野の競技や、後にはオリュンピア大祭と似て、全ギリシア的に祝われた4つの古代競技祭典中の一つでもあった。


フラクトシデスのフローヴァが召喚したボスの名「ヘカテー」は、
ヘカトス(遠矢射る君)と同意であるという説、
また同組織の新キャラクター「クリストフォロ」が吟遊詩人であることなど、共通項は多いように思えます。だからなんだ、という話なのですが、
今回は雑感でありますのでご容赦ください。

また、ギリシャとイタリアが密接な関係性があることは、古代ギリシア文化やヘレニズム文化が同古代ローマ文化に影響を与えたこと、南伊におけるギリシア語を話す共同体が今日まで残っていることなどから、これもわざわざ明記する必要はないと思いますが、というかそもそも隣国ですし、そう考えるとリナシータの神の名である「インペラトル」という呼称も、同様に頷きを得られるかと思います。

インペラトルは、日本語で一般に皇帝と訳されている英語のエンペラー(emperor)の語源である——という説があるらしいですが、
その真偽はさておき、この先の鳴潮に関する国を敢えて予想するのであれば、ともすれば「帝」が過去に存在した国、或いは今尚——なのかも、
しれません。

最後に、鳴式である別称「レビアタン」の文章を同様に引用しておきます。


その名前は「結合させる」「編み込む」を意味するヘブライ語 לוה‎ lwh に由来するとされ、「ねじれた」「渦を巻いた」を意味すると考えられている。この語は海中にいる大きな生き物全般を指す言葉としても使われたが、現代ヘブライ語ではクジラの意味である。


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千秋@AseeK
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