![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165580403/rectangle_large_type_2_3dd8416117323fa248389663f1af31f2.jpeg?width=1200)
「インデックスファンドは、資産運用の正解!」だとは思うんだけど・・・。
インデックスファンドは、基本的に正しい選択だと思う。
資産運用をするなら、インデックスファンドを使うのが正しい。
投資信託には、インデックスファンドの他にも、ファンドマネージャーと呼ばれる資産運用のプロが運用して、インデックスファンド以上のパフォーマンスをあげることを目的にしたアクティブファンドというものがあります。
ただ、現実的にはそのプロの運用する投資信託の成績が、意外とお粗末なもので、インデックスファンドに勝てているアクティブファンドはほとんどないという話です。
インデックスファンドを上回るパフォーマンスを上げる投資信託の数は、運用年数を重ねるごとに減っていき、その運用年数が10年以上ともなると、アクティブの投資信託の80%以上がインデックスファンドに負けていると言われています。
中にはインデックスファンドを上回るパフォーマンスを上げている投資信託もあるらしいけれど、現実的にその投資信託を選択することはとてつもなく難しい。
自分の選んだ投資信託が、10年後にインデックスファンドに勝っている可能性は20%以下。
いろいろ調査して、考えて、「この投資信託なら」と思って投資して、さらに10年という時間を費やして、結果インデックスファンドに負けたという事になるぐらいなら、最初からインデックスファンドにしてしまった方が良い。
つまりは、「投資信託に投資をするなら、インデックスファンドを選ぶべし!」という事になるのも十分わかります。
投資のプロと呼ばれる人は、インデックスファンドに勝てない?
インデックスファンドに勝てないアクティブファンドのパフォーマンスの実態を知ったことで。
「投資のプロであるファンドマネージャーでさえ、インデックスファンドに勝つことが出来ないのなら、投資の素人である個人投資家がインデックスファンドに勝てるはずがない。」
というのが、インデックスファンド推奨派の意見のようです。
投資のスキルや情報収集能力、データの分析力といった面で、プロの方が、素人投資家などの市場参加者の平均的な能力を上回っているはずなのに、それでもインデックスファンドに勝つことが出来ないという。
でも、本当に投資のプロたちはインデックスファンドに勝つことができないものなのだろうか?
投資信託の運用をするには、いろいろと制約があるという話も聞きます。
たとえば、運用資金の規模が大きいことや、5%ルール、短期的なパフォーマンスの追求や、ファンドマネージャー一人の意見で運用することはできないこと、また投資を休むことが許されないために常に投資し続けなければいけないことや、高めに設定された運用コストなど。
仮にもしそれらの制約がなくなったとしたら、それでもやはりプロは市場の平均値に負けてしまうのだろうか?
投資信託の運用を仕事としていないプロの投資家たちの中には、市場平均を上回るパフォーマンスを上げているという人も、決して少なくない。
「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない=プロは素人(平均値)と同等のパフォーマンスしか上げられない。」
というこじつけた意見は、ちょっと短絡的過ぎるんじゃないかと思ったりする。
とはいえ、アクティブファンドがインデックスファンドに勝てないという事実に変わりはないので、結局、「投資信託に投資をするなら、インデックスファンドが正解」という話に変わりはありませんが。
平均値を超えるために?
資産運用では、インデックスファンドを買うだけでいいという。
でも本当にそれでいいのだろうか?
インデックスファンドを上回っているアクティブファンドを調べてみると、そのファンドの特徴には、「集中投資」や「回転率が低い」といった傾向がみられるというデータがあるそうです。
これを聞いて思い出したのが、ウォーレン・バフェットの投資法です。
ウォーレン・バフェットが経営している投資会社のバークシャー・ハサウェイの投資って、まさにそんな感じの投資をしているイメージがあります。
多くのインデックスファンドのように、たくさんの銘柄に分散投資をすることなく、少数の銘柄に集中して投資をしている。
また、売買する頻度も、一年で保有銘柄が総入れ替わりするような売買はせず、どちらかといえば長期的に保有しているイメージです。
つまりは、インデックスファンドを超える運用を行いたないなら、「集中投資」や「回転率を下げる」という意識を持つといいのかもしれない。
そもそもインデックスファンドの運用法には、無駄が多いと思っています。
分散投資の銘柄数は、20から30銘柄程度に効率的に分散投資すれば、個別銘柄の固有リスクはほとんどなくなり、市場リスクだけが残るようになっていくと言います。
つまり、多くのインデックスファンドで採用されているような、何百も何千もの分散投資は、本来であれば必要ないことが考えられるという事です。
個人的にもリーマンショックの時の経験から、幅広く分散投資するインデックスファンドには、本来なら投資したいと思わないような銘柄もたくさん含まれているという事を、損失を経験したことで学ぶこととなりました。
また時価総額加重平均という、これまた多くのインデックスファンドで使われている運用法は、分散しているようで意外とポートフォリオに偏りを発生させることがあるという説明を聞いたことがあります。
時価総額加重平均型には、ポートフォリオの回転率を低くできる効果があり、運用コストを下げられるメリットがあります。
しかし、その背景には割高な銘柄に多くの資金が投資され、割安な銘柄には少ない資金しか投資されないという、割高銘柄中心の投資配分になりやすいという意見もあります。
バリュー投資家でもなければ、株価の割高や割安を気にする必要がないのかもしれないけれど、無駄に高いものをそのままの金額で買っているというのは、個人的にはどうかと思ってしまう所です。
いろいろ考えるとインデックスファンドには、無駄なところが多いのかもしれない。ただ結果だけを見れば、その無駄は気にしなくてもいいものなのかもしれない。
でももし、「その無駄をなくすように、自分で運用してみたらどうなるんだろう」と考えたのが、今の自分の基本的な運用スタイルになっています。
インデックスファンドじゃなくなって、パッシブ運用はできる。
有名な経済学者のジョン・メイナード・ケインズ。
経済学者でありながら、投資家でもあったという異質の経歴を持つ人でもあります。
「株式投資は『美人投票』のようなものだ」といった有名な株式投資の格言も残しています。
そのケインズの投資法は、ケインズが投資を始めた初期のころは投機的なアクティブ運用を行っていたという話でした。
そのころのケインズは、自身のもつ深い経済への洞察力をもってしても、なかなか攻略できない市場に、大変苦戦していたと言われています。
しかし、ケインズの投資の後半では、アクティブ運用から『パッシブ運用』に切り替えたことによって、素晴らしいパフォーマンスを上げていたと言われています。
インデックスファンドは、よく『パッシブ運用』だと言われます。
中には、インデックスファンド=パッシブ運用と考えている人もいるようです。
しかし、ケインズがパッシブ運用で投資をしていたころは、インデックスファンドなんてありません。
ケインズは、市場に勝とうとするのではなく、市場に身をゆだねるような運用法に切り替えた、それが『パッシブ運用』という事のようです。
このことは、市場に身をゆだねるような運用法というだけなら、なにもインデックスファンドでなくても実行することができるという事を教えてくれました。
結局自分の心にあっている投資法が一番いい、というのが正解のようです。
いろいろと理屈を捏ねたところで、最終的には『自分に合っている方法』を探すというのが、投資や資産運用では、これが一番だと感じています。
自分で運用するパッシブ運用でも、そのままインデックスファンドを買うのでも、どっちでもいい。
極端なことを言えば、最終的にインデックスファンドに負けることになったとしても、積極的にプラスを狙いに効くアクティブ運用の投資信託を買うのも悪くない。
最も大切なことは、長く続けられる、自分に合った方法が見つかるかどうかなのではないかと思っています。
投資をしたことがない、資産運用が初めてだという人には、まずはインデックスファンド。
教科書的な話ですが、これは当然のアドバイスだと思っています。
でも、インデックスファンドに慣れてきたら、自分が投資をしていく中で、心の安定感を保ちながら運用できる方法を探してみるのが良いと思っています。
自分自身の経験でも、インデックスファンドから、自分流のパッシブ運用に切り替えた今の方が性に合っているし、投資という行為を楽しみながら続けられているとも感じています。
もちろん運用のパフォーマンスだってそんなに悪くないと思っているし、その結果にも納得している。
だからこそ、もし「個別銘柄に投資をして、株式投資を楽しみたい」、という話がでたらなら、ぜひ取り組んでみてほしいと思っている。
お金や資産運用のアドバイザーとしては、もちろん相談者が極端に道を外れないようにアドバイスすることは当然ではあるけれど。
それ以上に、投資を続ける中で感じる、不安や恐怖感といった負の感情を、少しずつ取っていってあげられるような、メンタル的なアドバイスが大切なんだと思っています。
後は、その人に合った投資や運用のスタイルというものを、一緒に考えていってあげられたらと思っています。