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「ついに!」と言うか、やっと下げてきた株式市場。資産配分の大切さを実感する良い時期になるかもしれません。
今まで疑問視されていた?資産配分の考え方。
株式相場が好調な中で、今まで、資産配分の大切さについて、マネー相談や投資講座で、くどくどと話してきました。
ここで言う資産配分とは、リスク資産と安全資産とを組み合わせた資産運用の方法なのですが、この方法は、株式市場が好調な時には、あまり賢いやり方とは言われません。
なぜなら、株式市場が好調な時に、現預金や国内債券のような、価格が上昇しない資産で保有していることは、『機会損失になる』と言われているからです。
株式資産100%で運用した方が良い。
オールカントリ―のような広く分散された株式の投資信託に、全額を賭ける方が、安全資産に分散投資するよりも、最終的リターンはずっと高くなる。
確かにその通りです。
反論の余地はありません。
でも果たして、今回のような大きな下落が来た時に、上昇していた時と同じ気持ちで、「決して手放さず、何年も持ち続ければいい」と思うことが出来るのだろうか?
もしそうすることが出来ないのなら、長期投資で儲かるという考えは、幻想で終わってしまうかもしれません。
根気よく持ち続けるには、持ち続けることに対して『安心できる』部分が必要になってくる思っています。
現預金などの『安全資産』に投資資金の一部を分けておくことは、その安心感につながってるのではないかと思っています。
さらに言うなら、「底値で買ってやる!」みたいな、意気込みで市場の下落を見ることもできるかもしれない。
悪い時期に、こういう前向きな気持ちでいられるというのは、株式投資にとって、もっと広い意味では投資全般にとって、大きな強みになると思っています。
「今持っている株式の損失は、たとえ元に戻らなくてもいい!」という心構え。
市場の暴落が始まる前までに、もし全力で株式資産のインデックスファンドなどを買ってしまっていたら、「もとの位置まで戻らなかったらどうしよう」という不安に襲われることと思います。
「過去の歴史では、必ず戻ってきた」といっても、いざ下がり始めると、どうしても不安な気持ちになるものです。
実際、過去と未来は別物であり、「長期的には、必ず戻る」という話にも、何の保障もありません。
本当に戻るかどうかは、未来になってみないとわからないものです。
そのことに気づいたとき、不思議なことに、株式市場が絶好調の時には、全く感じていなかった、「損をする」という不安に、急に襲われることがあります。
未来がどうなるのか、高値で買ってしまった株式資産が元本を取り戻せるかどうか、これはもう神のみぞ知るという感じになってきます。
しかし、相場というのは、きまって下がる時もあれば上がる時もあります。
「今が下がっているのなら、いつか上がる時がある。」
これだけは、間違いなく信用できる話だと言えます。
そしてもし最も安い底値で株式を買えたとしたら、たとえ元の位置に戻らなくても、相場が上がりさえすれば、損失は取り戻せる。
つまり、上昇基調の時は、『機会損失』と言われていた安全資産への資産配分は、こういう相場が大きく下がって株価が安くなった時に、一気にその安い株を買うための資金として利用することができます。
下がりきったところで買う事ができれば、すでに高値で買ってしまい損失が出ている株式資産の損失は、最悪元に戻らなくたっていい。
「相場が下落したことで安く買えた株式からの利益で、今の損失を取り返せれば、それでいい。」と考えられれば、十分だと思っています。
下がったところをあえて買う勇気
今まで資産配分が大切だと、いろんなところで言ってきましたが、そのことを真剣に受け止めてくれていた人とそうでない人は、少なからずいるのだろうと思います。
でも、今回の大きな相場の下落が来たことで、はじめて資産配分をしていてよかったと思ってくれている人もいるのではないかと期待しています。
そして、今度は今まで蓄えていた安全資産をつかって、攻めに転じるタイミングが来るのかもしれない。
予測することはできないけれど、もしかすると、今よりもっとも下がることもあるかもしれない。
リーマンショックの時は、日経平均やS&P500などは、半値以下になりました。
もしそういう時が来たら、その時こそ安全資産を確保していた人たちの出番です。
「皆が売っている時に、あえて買い向かう」。
というよりも、安全資産を確保していた人たちならば、おそらく買うことが出来ると思っています。
ただし、株式相場が下落している時に、その下がっている株式を買うというのは、本当に勇気がいる。
口で言うほど簡単なことじゃありません。
上昇相場の時には、そんなの簡単なことだと思うのかもしれないけれど、精神的に恐怖や不安を抱えている時に、さらに悪い流れに逆らっていくというのは、そうそうできることじゃない。
これは、リーマンショックを経験した時に肌で感じています。
でもそんな時には、『明確なルール』というのが役に立ちます。
この『明確なルール』の話も、今までマネー相談や投資講座で、何度も言ってきたことです。
ここまで下落したら買う。
このタイミングで買う。
人の話や、ニュース、投資の情報に右往左往するのではなく。
市場の動きや、相場が自ら発信してくるタイミングで買えばいい。
そうすることで、下げたところで買うのに必要な勇気は、少なくて済むようになります。
むしろ、「今買わなければ」という一種の使命感のようなものさえ感じられることがあるかもしれません。
株式投資で世界経済に貢献するということの意味は、暴落相場で買うことにあるのではないだろうか?
資金に余裕のある、安全資産に資産配分していた人が、暴落していく相場を買い支えようとしなければ、それこそ株式市場は、本当に大変なことになりかねません。
株式を買うことで、社会に貢献できるなんて格好いい話は、半分うさん臭いと思っているけれど。
実際、暴落する相場を止めることができる、安値で買う人が存在しなければ、株式市場はそのまま崩壊してしまい、株式市場に重きを置いている今の世界の経済は、より混乱することになるかもしれない。
暴落相場で買える人というのは、もしかすると本当に日本や世界を救うことに貢献しているのかもしれない。
だからこそ、株式市場では、そういう人たちに利益という形で還元をしてきたということなのかもしれない。
今まで機会損失だと言われても、じっと我慢してきた人たちだからこそ、暴落する相場で、一斉に動くことが出来る。
ネコ科の狩りのように、じっと茂みに身を潜め、チャンスと感じたときに、一気にとびかかる。
安全資産に資産配分をしている、守りのタイプと思われている人たちは、実は、そういった肉食系のハンターなのかもしれない。
そもそも株式投資で儲けるための原理原則は、いつの時代も一緒です。
『安く買って、高く売る。』
これだけはきっと、どんな世の中になっても、揺らぐことのない真実のだろうと思っています。