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株式投資の必勝法は、「安く買って、高く売る」だとわかっていても・・・。
安く買って、高く売れば、必ず儲かる!
安く買って、高く売ることが出来れば、必ず儲けることが出来る。
もちろんそんなことは、考えるまでもないことです。
しかもこれは、なにも株式投資に限った話ではなく、物品を販売する商売や、ビジネスなどでも同じはずです。
売買取引で稼ぐというのは、極論から言うととても単純な話だったりします。
なのに、株式投資では、「安く買って、高く売る」ということをあまり意識しなくなる。
株式投資で株を買う理由は、個別銘柄投資に限らず、投資信託やインデックスファンドであっても、「安いから」という理由で買うことはあまりない。
本質的な価値と比較して安いという事よりも、「もっと価格が上がりそうだから」という意識で買われることの方が多いと感じてます。
安いか高いかの判断から言えば、とても買えなさそうな株式やファンドも、「上がりそうだから」という理由でどんどん買われる。
そうやって買う人がたくさん市場にいることで、価格が上がるようになる。
そして、そんな感じで価格が上がっていくのを見ているうちに、「もっと価格が上がりそうだ」という思惑が増えてくることによって、さらに買う人が出てくる。
結果、より価格が上昇するようになる。
買いかが買いを誘う、「正のフィードバック」という現象が株式などのマーケットにはあると感じている。
効率的市場仮説では説明できない、現実のマーケット?
金融市場の多くは、効率的市場仮説で説明できるという話をよく聞く。
株価を形成する情報は、すべて株価に反映されていて、株価はその時点で常に正しい価格を形成しているという話だそうですが。
「本当のそうなのか?」と、とても疑わしくも感じている。
買いが買いを誘う「正のフィードバック」という現象が、株式市場などの金融のマーケットにあるのだとしたら、株価を形成する情報の一つに、「ただ株価が上がっているから」という情報も含まれていることになる。
この「ただ株価があがっているから」という情報は、適正な株価を形成するために本当に必要な情報なのだろうか?
こういう適正な株価の形成にとって、本来必要ないと思われる情報が、株価に織り込まれることによって、「バブル」が発生する。
そしてその「バブル」は、いつかを予測することはできないけれど、ある時突然市場が冷静を取り戻すことによって、はじけることになる。
いわゆる平均回帰ともいわれる現象が起こるのだと考えられます。
もし株価が常に適正な価格を形成しているのだとしたら、バブルが発生したり、またそのバブルがはじけたりすることが起こるというのは、ちょっと不自然じゃないかと思う。
中にはバブルが起こっても、「市場は、平均回帰によって、適正な価格に修正されることになるから市場は効率的だと言える」という説明もあるのかもしれないけれど、個人的には、その説明はちょっと強引すぎじゃないかと思っている。
私たちは「バブルの発生」と「バブルがはじける」ところを、これまで何度も目撃しています。
金融市場がどういうものかを理解するのに、「効率的市場仮説」という言葉で、すべてかたずけてしまっていいものなのだろうか?
安いものは、いつまでたっても安いまま。それがバリュー投資を難しくしている。
金融市場は、常に適正な価格を示しているという意味では、決して効率的なんかじゃないのだとすれば、市場には適正な価格から逸脱しているものがあるという事になる。
だからこそ、本質的価値よりも安いものを探す「バリュー投資」にも意味が出てくる。
しかし、本質的価値よりも安い株式を買うというのは、現実問題として意外と難しい。
人間は、本能的に将来の利益よりも、目の前の損失に対しての方がストレスを強く感じるようになっている。
そのため、「これは安い」と感じていても、目先では下落する要素の方が強いとなると、なかなか「買いたい」という気持ちにはなれない。
「安く買って、高く売る」、株式投資において、またビジネスにおいても、これほどはっきりとした儲ける方法は、他にないと言えるほどの強力な理屈です。
しかし、株式市場では安く買うことはできても、それを高く売れるかどうかはわかりません。
そのため、どれだけ安いと感じていても、なかなか買うことができないので、安い銘柄は、いつまでたっても安いまま。
いわゆるバリュートラップと呼ばれる現象が起こる。
バリュー投資は、本質的価値よりも安いものを買うというとてもシンプルなコンセプトではあるけれど、実際にそれを実行することが難しいのには、「将来の利益より、目先の損する可能性の方が気になる」という人の本能があるからだと感じています。
本質的価値よりも安い銘柄は、「平均回帰」と呼ばれる現象によって、いずれ是正されることになるという話は、おそらく間違っていないと思っています。
ただ問題なのは、その「平均回帰」の現象がいつ起こるのかが、さっぱりわからないことです。
明日から起こるのか、1年後なのか、それとも10年後なのか。
それまでただただ待つ、何年何十年でだろうと、適正な価格になるまで徹底して待つ、バリュー投資家に長期投資のスタイルが多くなるのは、ある意味当然なのかもしれません。
バリュー投資家そして長期投資家として有名な著名投資家のウォーレン・バフェットも、株式投資においては「忍耐力」がとても重要になると語っていました。
株式投資はともかく、少なくともバリュー投資においては、「忍耐力」がとても大切になるということは、自分でもよくわかっているつもりです。
でも、いつ起こるかわからない「平均回帰」という自然現象が起こるまで、とにかく待つというのは、なかなか辛いものです。
もちろん、自分が生きている間に何も起こらないまま終わってしまうかもしれないというリスクもある。
これは、人の感情からしたら、なかなか受け入れられないものだとも感じている。
でもだからこそ、「バリュー投資」には、価値がある。
誰にでも簡単に出来ることじゃないからこそ、そこに「価値」が生まれるのではなでしょうか。
バリュー投資の優位性は、どんなに時代が変わっても、変わることはないと言っている投資家もいました。
それは本当なのかもしれない。
なぜなら、バリュー投資という投資スタイルは、人間の本能的な感情と真逆の投資スタイルであり、尚且つ、ひたすら我慢を要求される行為だからです。
だからバリュー投資が出来る人には、それが出来ない他の投資家よりも優位性があるのかもしれない。
バフェットは、それを「グレアム・トッド村」という言葉で表現しています。
バリュー投資を学び実行しようする中で、その心理的な難しさと、株式投資の価値を、より感じられるようになった気がしています。