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あせっとびるだーず 今月の投資レポート(2024.11.30)

米国では、トランプが大統領に!
そして株価も好調、NYダウは最高値。

《経済の話はトランプ大統領で持ち切り?》

 ドナルド・トランプが米国の大統領選で勝利したことで、世界経済に『関税引き上げ』の影響が懸念されています。中国やメキシコが主な標的となりそうではありますが、日本にもその影響が危惧されています。 
 米国経済への好影響を意識しているのか、NYダウが最高値となっている中、日経平均はいまだに40,000円の回復もできていません。

 また、トランプ大統領は選挙戦で、ビットコインの戦略的準備金としての活用を示唆しました。それによってビットコイン価格が上昇しています。 

 トランプの言う正直戦略的準備金というのがどういうものなのかさっぱりわかりませんが、通貨政策の準備金制度を連想させるところもあり、今後ビットコインの価値は上がっていきそうだという雰囲気を感じさせます。

 それに、今まで米国の暗号資産普及の足手まといとなっていた、米国SECのゲンスラー委員長も1月で退任することが決まり、暗号資産ビジネスを取り巻く環境が良くなりそうな雰囲気も出てきています。

 他にも、トランプが大統領選で勝った後から、金利の上昇という相場の流れもありました。

 FRBが金利の引き下げに動いてきたことから、今後米国の金利は下がることになるのではと思っていましたが、実際にはその反対の動きとなり、債券価格は下落することとなりました。

 この11月の相場は、そのほとんどがトランプ大統領誕生の影響を受けているように感じています。

《最近のJ-リートが気になる》

 11月は、一言で言うならトランプトレード状態だったという印象です。
 米国株は上昇し、他国の株式市場はあまり芳しくなく、ビットコインなどの仮想通貨が上昇し、債券価格が下落する。
 当社では最近、債券への投資割合が増えていたこともあって、11月の相場環境は、まさに逆風状態でした。

 そんななかで、J-リートの価格が異常とも思えるほどに下落していることが気になっています。 

 J-リート銘柄全部の分配金利回りの平均が5%近いという、新型コロナショックの時以上のような価格水準にまで下落してきています。
 これまで10年以上J-リートの相場を見てきた中でも、ほとんど見かけたことのないような価格水準です。

 いくら不動産投資にとって逆風となる日本の金利上昇の影響があったとしても、その影響だけでは説明できない水準だと考えています。

 J-リートの各運営会社は、リーマンショックの時に痛い思いを経験していることもあり、負債の水準を一定程度に定めた運用していることが多く、借入の仕方についても金利上昇の影響が少なくなるように工夫するなどしていて、多少金利が上がったぐらいでは、ほとんど問題ないように運営されていると感じていて、金利上昇によるリスクはそんなに多くないのではないかと考えています。

 もしくは、そもそもJ-リートが保有している不動産価格がバブル気味に高くなっていて、その不動産価格が割高だと投資家が判断しているためにJ-リートの価格が下落しているという可能性も考えられなくもありません。

 しかし、不動産実物の価格とJ-リートの価格を比較するNAV倍率をみると、そのほとんどが1倍割れで、すでに割安の状態となっています。
 中には、NAV倍率が0.7以下になっているJ-リートもあり、これは割高になっている不動産市況が崩れて今の価格から3割下落することになっても、高い買い物ではない水準だと考えることもできるはずです。

 ただし、今のJ-リートの価格に対して、あきらかに割安だと考えらえる材料がいろいろあったとしても、それでも市場がつけた価格がすべてという考えも間違ってはいないと思っています。

 もしかすると、今のJ-リートの世界には、私たちの知らない何かが起こっているという可能性も否定できません。
 そのなんだかわからない理由から下落しているという可能性についても、私たちは考えなくてはいけないのかもしれません。

《不安と期待のせめぎあい、これぞ投資だと実感する》

 みんな投資をしようと考えると、「確実にもうかる投資先は何か?」ということを考えたがるみたいです。

 ですが、そもそも投資という行為が、わからないもの、不確実なものへ賭けるということなのではないかと思うのです。
 裏返せば、みんなが強気で投資が出来る相場に投資をしても、まともに儲けることはできないと考える方が自然なのではないだろうか。

 不安や疑念を抱えながら、この投資はしてもいいものなのかどうか、さんざん迷いながらやるからこそ、時によっては人よりも多くのリターンを手にすることが出来る。
 つまりは、「本当に大丈夫なのだろうか?」という不安を抱えることが、投資するものにとっての普通の状態なのではないかと思うのです。

 果たして今のJ-リート市場へ投資することは、吉と出るのか凶と出るのか。

 正直、今のJ-リート相場の印象は、自分で投資するのならばいいけど、人に「割安になっているからいい投資先だよ」とお勧めするのは、ちょっと気が引けるぐらいの印象です。

 もうかれこれ3年以上もだらだらと下落相場が続いており、本当に回復するのかも怪しい感じです。
 少なくとも、しばらくは損失と付き合うことになるのは間違いないと感じています。

 このような長く下落がつづいている市場に対して、私たちは一体何を考え、どう判断するべきなのか。 

 個人的には、割安なものへ投資したいという考え方が染みついているために、今のJ-リート市場に対しては、とても興味を持って見ています。

 むしろ、「ほんとうに大丈夫なのか?」という得体の知れない不安感と、「理屈の上ではとても安いはず」という強い期待感、そのせめぎあいの中で感じるちょっとしたストレスが、いい緊張感をもって投資することができて、逆になんか心地よく感じているところもあるように思います。


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