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株式投資にとって、『長期投資』こそが、唯一の正義なんじゃないかと思う。
投資にまつわる話のほとんどが、良い面と悪い面を持つ
資産運用や投資にまつわる話のほとんどに、良い面と悪い面の両面が存在している。
投資や資産運用の話で、正義と言われている話のほとんどは、後になって覆されていることが多いものです。
テーマ型投資信託のほとんどは、長期的にはほとんど無意味なものになることが多いし、流行りの投資信託に関しても、昔からずっと人気が続いているというのは、あまりお目にかからない。
また資産運用の常識と言われることだって、いろいろと変化している。
BRICSと言われた、新興国が世界経済の中心だと言われた時代も今やもう昔のこと。
今ではそのことが話題になることもなく、アメリカ一極集中状態です。
資産三分法と言われた、株と債券そして不動産に分散して投資する方法も、今やそれだけに限らず、金やオルタナティブなども含めてポートフォリオを作る時代に。
外国債券に投資をして安定した金利収入をという時代もあったけど、リーマンショックの後は、円高と世界の金利が下がったことで、そんな話を持ち出す人もいなくなった。
比較的身近なところでは、ESG投資なんて言葉も、もう古い。
投資や資産運用にまつわる話のほとんどは、移り変わりが早い。時代の移り変わりとともに、資産運用の常識もコロコロと変化している。
きっと今人気の高配当株やAI投資なんかも、終わるときが来るのだろうなと思ってしまう。
『長期・分散・積立』の号令!
資産運用の正解例として、『長期・分散・積立』がある。
しかし、分散というのは、分散のさせすぎによって、かえって害となることがあるものです。
とにかくいろんなところに分散させればリスクは少なくなると思っていたけれど、実際には適度に分散されていれば、それ以上の分散は必要ないということに気づく。
また分散をさせすぎることによって、管理が行き届かなくなったり、かえって手間とコストがかかることもあり、明らかにパフォーマンスが落ちる。
実際には、分散と集中の適度な感覚にいるのがちょうどいいと感じています。
またタイミングの分散である積立投資というのも、考えものです。
右肩上がりの相場で、長期投資をするのなら、一括投資の方が効果が高い。一番低い金額で、一番多く買っているのだから当たり前の話です。
また、株式の短期的なリスクに備えるために積立投資をするのであれば、初めから株式と現預金や債券などの安全資産で、配分割合を定めて投資をすれば、株式資産への積立投資と同等のリスクに抑えることもできる。
ある本には、株式60%、債券40%の配分割合で一括投資をするリスクと、積立投資をするリスクは、ほとんど同じだと言っていた。
さらには、株式60:債券40の配分比率で一括投資の方が、株式への積立投資よりも最終利益は上だったとも書いてあった。
もしかしたら積立投資がおすすめとされている主な理由は、「はじめやすいから」ということなのかもしれない。
この「はじめやすい」という言葉も、金融界隈にとっては危険な言葉です。
「はじめやすく、後で後悔」というのは、金融商品を買う上でよくある話です。
そしてただ一つ残った、『長期投資』。
これだけが、投資や資産運用の世界で、正解と言えるものなのかもしれない。
長期投資は間違いなく大切。
インデックスファンドにしても、個別銘柄への投資にしても、『長期投資』をすることで、どちらも報われようになる。
ちなみに、ここで言う長期投資とは、長期間保有するという意味ではなく、「長期的な視点で運用を考える」ということですが。
長期投資を学ぶ際に、『複利』という言葉をよく聞く。
確かに『複利』の力は偉大です。
しかし、実際には10年程度の運用では、『複利』の力はほとんど感じられません。
『複利』を期待して運用しても、その効果が感じられるようになるためには、20年とか30年とかの時間を要することになると感じています。
10年程度の期間では、複利の効果で膨れ上がった分よりも、間違いなく株式資産の価格変動の影響の方が大きい。
でも、20年30年と運用を続けていくことが出来れば、なんとなくその効果は感じられる気がしてくる。
しかし、20年30年という期間は、私たち人にとってはとても長い。長すぎる。
そんな長期で運用のことを考えられるなんて人は、すでに20年ぐらい運用を続けているような人だけなんじゃないだろうか
長期投資というのは、ある意味非現実的なものなのかもしれない。
でも、間違いなく効果はある。効果はあると感じている。
だからこそ、長期的な視点で運用のことを考えるというのは、投資や資産運用にとって、数少ない正解なんじゃないかと思っている。
世の中や時代の変化、流行りや廃り、人生設計、いろんなことまとめて、長期的視野で投資をし、運用する。
長期的な視点で投資、運用することは、きっと投資や資産運用の問題の中で、いまのところ唯一確実に正解だと言える答えなのではないかと思っています。