自慢と自己肯定の違い〜『選択と集中』の成功体験〜

　SNSで見かけた一つの投稿が興味深いものでした。投稿者は「IQが88しかない」という自身の知的能力の低さを告白しながらも、努力によって学生時代に「彼女ができやすかった」という経験を語っています。この投稿には一見、自慢話のような要素が含まれているようにも見えますが、実際には「自己肯定」の重要性を示しているように感じました。

　自慢とは、単に自分の成功や成果を他者にアピールする行為であり、時には他人との優劣を示そうとする意図が感じられる場合もあります。一方で、自己肯定は、自分の価値や努力を認め、それを受け入れることを指します。自己肯定は内面的なプロセスであり、他人の反応を意識せず、自分自身に焦点を当てたものです。このSNS投稿では、投稿者は「自分の限界を受け入れ、その中でどう工夫して成功を収めたか」を語っています。これは、他者への優越感を示すための自慢というよりも、自己肯定的な姿勢に基づいたものと言えるでしょう。

　投稿者は、映画や漫画のストーリーを理解できず、周囲の人たちと話題を共有できなかったことで小馬鹿にされた経験を持つといいます。これらのエピソードは、多くの人が感じる劣等感や孤独感に共通する部分があるでしょう。彼はこの劣等感に対し、自らの特性を受け入れることで向き合い、「自分はこれで良いのだ」という自己肯定に繋げたようです。

　この投稿では、投稿者がASD（自閉スペクトラム症）の一部の特性と言われる「積極奇異型」を持っていたことを明かしています。この特性を活かして、彼は積極的に他人と関わり、「人気者になりたい」という目標を掲げ、それに集中した結果、彼女を作ることに成功したようです。
　ここで重要なのは、彼が自身の能力の限界を認めた上で、それでも「できること」に集中し、それを実行した点です。この「選択と集中」は、自己肯定の一つの実践例であり、弱点に目を向けるのではなく、自分の特性をうまく利用することで目標を達成したと言えるでしょう。

　この投稿から学べるのは、自己肯定の重要性です。自分の限界を知りつつ、それを受け入れ、他人と比較することなく自分自身をどうするかに焦点を当てる姿勢です。自慢は他者への優越感を示すものかもしれませんが、自己肯定は自分自身に対する尊重と理解から始まるものです。彼の体験は、私たちに「自分の中で何ができるか」を考え、自己肯定感を育む大切さを示唆しているように思います。

　SNSを通じて、このような自己肯定のストーリーに触れることができるのは、とても貴重な機会です。他者の経験から学び、自分自身の成長に繋げていきたいものです。

　以上、SNSに投稿された選択と集中の成功体験から学んだことをまとめてみました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。