自分は発達障害(ASD)

　どうも皆様、初めまして。僕は、自閉症スペクトラム障害で精神領域で作業療法士をしている猫男と言います。
　今回は自己紹介も兼ね、発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性と僕が感じる周囲との違いをこれまで読んだ文献も参考にしながら書かせてもらいます。

■「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)(ASD)」とは？

　●Aの社会的コミュニケーションと相互作用の障害
　●Bの限局し反復される行動、興味や活動の様式(こだわり)
　の両方を満たすことです。

悪い意味で「空気が読めなくて、融通が利かず要領が悪い。」
良い意味で「周囲に迎合せず、物事を極めようとする。」と説明できると思います。

■ASDの特性と特に感じる皆との違い

●感覚の過敏、鈍麻

　感覚刺激への反応に偏りがある。特定の感覚で過敏に感じる一方、反応が乏しい感覚や没頭するほど好む感覚がある。

　僕の場合は、ざわめきの中で極端な疲労があり、大勢で騒ぐ場が苦手です。例えばお祭りや人数が多い飲み会など、周囲に人が多いと話も聞き取りづらく、様々な刺激があるので疲労感を感じます。

●弱い中枢性統合…情報を意味のある全体にまとめあげるのが苦手

　ASD患者は全体より細部に注目する特性があり、そのため複数ある情報の中で取捨選択の判断が難しく、情報同士の関係性の捉え方に苦労する。
これらが絡むため、重要な情報を見逃す、状況の把握、優先順位をつけることに不都合が生じるといったことになる。

　僕も本当に普段から実感していることで、僕の要領の悪さはこれだなと納得しています。

●発達性協調運動障害(DCD)

　ASD患者にDCDが見られやすいと知られている。手順が不明瞭な協調運動は苦手な傾向がある。いわゆる「不器用」。

　僕もかなり不器用で、体操やダンス、球技で言えばバスケ、バレー、サッカー、あとはバドミントン、テニスも苦手。そして字を書くのも相当下手です。箸の使い方も今はそれなり使ってはいますが、覚えが悪かったと記憶しており、およそ小学４年生頃まで同級生に箸の使い方が変だと言われていました。昔から不器用さに関しては多くの人からネタにされましたが、不器用さの理由がようやく分かりスッキリした気分です。

●「time　slip現象」と固定認知

　いじめや過去の失敗により「迫害的対人関係」が基本認知で固定されるため、対人関係を被害的に読み誤ることを繰り返す。そして通常でのカウンセリングによる修正の困難さがある。
　そして特性による反応として視覚記憶の鮮明さとエピソード記憶の弱さがあり、これは過去の記憶がストーリーや言葉で整理されず、視覚シーンになっているため、嫌な記憶がきっかけ(言葉、写真、顏の特徴)によりあたかも今起きているようなフラッシュバック想起を起こす。

　僕の場合は、過去の黒歴史が今でも映像で鮮明に思い出せますが、そこに至る前後の状況の記憶があいまいです。昔の嫌なエピソードは幼稚園の頃の事も今でも鮮明に映像で思い出せますが、物語で語ろうとすると曖昧になってしまいます。

●聴覚性言語記憶の障害

　言葉を聴いて理解することの苦手さ、難しさを抱えており、例えば聞いた言葉をすぐに忘れてしまう。ばらばらになって聞こえて、単語の一部しか残らないことがある。

　僕の場合はバラバラに言葉が聞こえて、周囲がうるさいと特に言葉の聞き取りが大変です。
　過去を振り返ると口頭指示のみでの理解の苦手さが特徴です。聞き返すことや内容理解の不十分さが頻発し、円滑な会話のキャッチボールに支障をきたすことが多く、そのため会話の流れが滞ることで相手を不快にさせることもあり、関係性の構築においてデメリットになりえると感じています。特に仕事上でのコミュニケーションは「仕事の内容をすぐに理解できる人」。つまり、仕事上の会話がスムーズに行えることが求められ、疎通の悪さは職場での評価が著しく下がる印象があります。これも目に見えない障害のため、一般の職場で理解を得るのが難しいなと感じています。

■終わりに

　以上が僕が特に感じる周りとの違いです。発達障害は他にもADHDやLDもあり、それらがASDと重なって出現することもあります。
　発達障害は見えない障害のため、一般の方々は何が難しいのか理解できない方も多いです。ですので、自分の発達特性を第三者に簡単に説明できれば良いかなと思います。就労時など周囲の理解を得るのに役立つと思います。そのようなことも踏まえ、今回は自分なりに特性を記事にしてみました。お役に立てれば幸いです。